【コレ食ったわけ:八重洲で聞こえた京都弁に思わず吸い込まれる・・・】
・・・ってのは、少し脚色が過ぎてまして、本当は、日頃懇意にして頂いている先輩レビュアーさん繋がりでこの店を知った次第。「こってり」タイプと、「あっさり」タイプ両方の鶏そばを提供する・・・・。今回は、食傷気味もあって、「あっさり」鶏そば狙いで当初から八重洲に来たのでありました。しかし、八重洲・丸の内ってのは、何だか好きなんだよね。いろんな人が、東京の玄関口で交錯する雰囲気が、ちょっと興奮するかも。旅行気分のご年配集団もあれば、コレから仕事!って緊張ムード漂うビジネスマンもおり、外国人の方もパラパラと見かけたりするし・・・。そんな中、実はなぜ八重洲に惹かれるのかと言うと・・・
「嗚呼・・・・、あの新幹線の青いヤツに飛び乗ったら、そのまま京都へ帰れるのやな・・・・・」
・・・そんな吐息とも郷愁ともつかない、逃げ出したい思いがあるからやろね・・・・、精神的に参っとるのか? いやいや!キツくても、言い訳せず、好きな事くらいはキッチリとやらせていただきまっせ!そんな気合い入れの一杯。
目指すは「ラーメン道」の黒帯ですわ!(笑:うそです)
【スープ:おうどん気分ではんなりいただく!】
京都の麺類について語ると、専門家や先輩方には負けるけど、止まらんのよ(笑)。関西の中でも微妙な麺文化! 第一旭系などから語りが入ると長いので割愛します(爆)。関西はうどん一色と思われておられるけど、京都は「蕎麦」文化もそれなりに根付いているのです。にしん蕎麦をイメージすると一番分かりやすいですが、小麦粉比率が割と高めな蕎麦は、日常的にもよく食しておりました。しかし一番の違いは・・・関東に比べて甘みを豊かに含む薄味出汁で食う!うどんも蕎麦も!その延長戦上にこの一品をなぞらえれば・・・・それなりの京都方程式が成り立つような・・・。という前提で感じて頂くとして・・・・・、
「旨いがな!(*゜0゜)ハッ・・・・めっさ旨いがなぁぁぁぁ・・・・ 」
「いわゆる・・・引っかかりの一切ない薄味淡麗さが・・・・都を連想させるね!ラーメンより「麺類」として!」
1)旨味:京都を連想させる・・・あっさり鶏コクと仄かな柚子!観光気分!
アタクシ・・・京都人なので、「京都を連想させる」というのは少し抵抗あるのよね〜。過去のレビューでも、関西時代からも、語って来たけど「京都ラーメンは京風じゃない」というのが持論であり、一般的です。濃ゆいのが京都ラーメン。第一旭系列がアッサリな部類に入るくらいですもん。なれど・・・・ここ東京・八重洲で対麺すると、観光気分で京都らしいと思えてしまうから不思議です。「鶏そば」と言えば、天神下を思い出すし、そのスタイルゆえに江戸風とすら頭で理論付けているのに、この優しさと、店構え・・・・。そして八つ橋の西尾が経営しているというのだけで、「京風」と感じてしまうのですから。
とにかく、あっさりというより、うっすらとした感じの塩スープ。少し濁っている成分が、この場合柔らかきと感じます。鶏コクがとても角が丸いのが特徴てきで、研ぎ澄まされた感覚すら覚える淡麗系です。塩のミネラルがはっきりと分かりますし、またそれが柚子の風味のようにすら感じる・・・・いや柚子なのか・・・。とにかくこのスープは、「はんなり」とした仕上がり。
2)塩気・甘み:両方の雑味剃り落とした・・・はんなり淡麗!
余計な塩を削いだ感覚。甘みの余計さを排除したその余裕。東京では淡麗!と言い切ってしまいたいところですが、なぜか「はんなり淡麗」と言い直したくなる・・・。味が薄いわけではありません。魚介は排除しているか、またイリコを僅かに使用か?また節系も煮出すといったことはせず、碗物のすまし汁の如き一番出汁だけをさらえたような淡い感覚・・・。
3)香り他:遠くの柚子か、切れ味あるブランド塩の残り香か?
とにかく淡麗なのに、どこか華やかに感じるのは、香りのせいかと思う・・・。はっきりしない柚子がまた奥ゆかしいと感じるえこひいき感!塩ミネラルであろうとなかろうと、この華やかさは、なかなかなのでありますわ!
【麺:ここだけは・・・・・京都には無いニュアンス!でもミスマッチがまたええ感じで昇華してます】
こういう麺は・・・・あまり京都本来的ではなく、どちらかというと東京で得たフィーリングでしょうか・・・。思えば「鶏そば」というもの自体が東京のものなのか?天神下に思いをはせる・・・。
「あーーー!やっぱりこういうのも好き!(*′ω`)b゛大OK!!」
「うーん。資生堂TSUBAKIか、花王ASIENCE♡・・・・動いてもまとまる!むやみに広がらない!」
1)風貌:どこかしら江戸流儀を感じる〜東京に嫁いだ京女みたい
いかにも女性的だと思えるフォルムでしょ♡ きりりと角が立っているのに、どこか柔らかさを感じられるだけでなく、色白さがとてもええやん!でも・・・どこか江戸風なのは「鶏そばスタイル」由縁でして、それは、東京に娘を嫁にやった「おとおはん(お父さん:京都弁)」のような目線を贈ってしまいますがな。しっかり東京の生活になれたのね・・・・初対麺なのに(笑)。
2)感覚:「柔らかさカッツリ」という対立同士が一体となった楽しい歯応え!
すぐに千切れてスベリ落ちてしまうであろうと思えたその麺ですが、柔らかいなりに、歯ごたえを残すというのが第一印象です。よく「クチリ」という表現を使わせてもらってますが、それがはっきりと感じられるようでして、最初の前歯タッチに張りを感じて、続けて千切りで瞬間的に潰れる感覚のあとに、残像のような反発を感じる・・・という感覚(何を言っているのか自分でもわからなくなった・・・・今日も酔いながらレビューしている)。ようするに、柔らかさと、カッツリさとどこか共存しとるという感覚ですな。
3)スベリ他:サラリとした長い髪のように滑らかにスベル
端的に言うと「すべすべ〜♡」細麺ストレートなそのスタイルに、ここでも女性的な長い黒髪のような感動を覚えます。・・・実際、髪の毛を連想して食ったら気持ち悪いやろな(笑)。レビューだからできること、できないことがありますな・・・・・。
【具:ここが全体ではポイントだったりする・・・・】
明らかに観光地価格と感じるか否か・・・が、ここの考え方・受け止め方次第のような気がします。この一杯の・・・。
1)鶏チャーシュー(形まで上品)
この成形の徹底ぶりは凄いな・・。丸です。まん丸です。それでいて、醤油タレに鶏のニュアンスが滲んでいて、逆輸入のように鶏肉に浸透しているぶぶんがまた甘くて旨し!もう少し大きくてもええのやけど、このサイズ感だからこその「上品さ」を感じます。
2)味玉(想像以上にナイス)
甘めの醤油ダレ?が軽く染み込んだ味玉がまた・・・・妙に旨いやんけ!少しだけ固めな茹で上げに、ゲル100%状態になっとりますが、これがまた味わいとはマッチした固さなのであります。
3)白髪ネギ
考えれば・・・・あとはこれだけの具なのです。シンプルじゃ・・・・。実にシンプルな麺顔・・具たち・・。900円だったけど、場所柄代含みやね。そこだけが少し心が痛む・・・。
4)八つ橋
アイデンティティの一品? 宣伝? ともあれ、京都のオリジナリティとか主張とかを感じるポイントではあります。ここで食っても良かったが、持ち帰って子供にでもやろう。
総じまして、東京で生まれ故郷の雰囲気を味合わせてくれるのは、非常にありがたいです。そういえば、東京で天下一品も看板見かけるたびに、「おまえも頑張れ、オレも頑張るわ!」とワケ分からん気合い心も入れとるし(笑)。時々東京で凹みそうになるとき、故郷の味で鋭気を養うがよろし。などと考えると、実に東京というのは、ひとの集まりが多いわけで、あちこちで日本中の郷土料理店がありますね〜。目標を達成したら、東京で本格的「京風うどん」を出すところを探索しても面白いかもな♡ 「京風うどん」これも奥が深い・・・・・。九条ネギ一つとってもね(笑:クドい性格丸出し)。
久方に
京のかおりを
楽しみて
胸が高鳴る
お盆の帰省
お粗末!ということで合掌!今日も本当にごちそうさまでした!