【今週のラーメン２７６３】麺屋まいど（東京・阿佐ヶ谷）油そば大

＜駅前ベスポジなのに入れ替わり激しい場所・・・今度こそ落ち着くか？＞

　久米川で実績ある店が、阿佐ヶ谷駅前に移転開店と言うので、実は開店してから早々に来店。来てみて・・・・黒金舎が潰れて居抜きだと言うことに気づきます。本当に、駅の北口を左に折れると目立ついい場所なんだが、どうも落ち着かないロケーションで、いわゆる鬼門の場所なんでしょうか。一抹の寂しさと、新しい期待を胸に早速入店してみました。

　煮干し系を食う気満々だったのに、なぜか急に券売機の前に立つと、油そばが気になってついそれを押してしまった。しかも大盛り３００g。軽く煮干しを楽しむはずが、やっていることはいつも矛盾ばかりなオレ。何時もフラフラしてて、意思決定ができない管理職モロ出しですなー。そんな私のモットーは、「なすがままなり」。

タレ：「実にオーディナリーな柔らか醤油にラードのコク！卵黄プラスで重厚なマイルド感」

　さすが実績あるだけに、新規開店と言えどもオペレーションは落ち着いたものです。ほぼ満席状態だったのですが、種類違うオーダーの並行処理は手慣れた感じで、これは待つぞーと覚悟するまでもなく、ものの五分程度で配膳が完了しました。さてその麺顔、ここにしかない感覚は薄いものの、丁寧な作り込みは十分に感じ取れ、大盛り７５０円としてはまずまず以上の質感です。

　タレは、王道というか、オーディナリーと言うか、さっぱり系の醤油ダレに、魚介の甘さが少し滲んだような味わい。そこに純ラードが溶けたみたいなエキス感で、十分に麺に混ぜ込まれた状態です。まで味に慣れてない寝起きのような舌の感覚には、ちょうどよい。塩気はラードと魚介っぽい甘さに丸められて、実にマイルドな感覚。この界隈の中央線沿線で似たようなものはありそうだけど、作りからか「丁寧な味」と感じます。

　卵黄を潰しかき回すと、結構この卵黄のまったりした味わいが全体に支配されます。なので味変はブラックペッパーが正解なのかもしれません。私は、一つ覚えで「辣油」「お酢」を投入。それが結構卵黄のまったり感が、この味変を吸収してしまい、あまり変化を楽しめないかも。でも、それはそれでも良しで、食い切ったけど、後からマヨネーズを別で提供してくれるのを知ったのは、少し残念ー。

麺：「中太モチモチストレート麺！三河屋製麺！」

　麺箱の積み上げから、三河屋製麺と判明。右隣のおじさんが汁そば系を食ってて、チラ見すると、細麺太麺を使い分けてる感じです。加水は多めのストレート麺。密度感もほどほどあって、麺自体の風味も感じることができます。前歯の千切はプッツリと弾力めいて切断される。奥歯でのプレスでは重めのテンピュール感覚があり、ヌチヌチっと横ズレながらゆっくりと潰れます。多少縦伸びするような大らかさも印象的です。

　腰付きは柔らかく、表面もツルツルで、卵黄とラードで滑るため、意外とズボボボボボボボっと勢いよくすすれます。中太麺を勢いよくすするには、肺活量がいると思うけど、気にせずライト感覚で啜り食える。薬味の貼り付きなど御構い無しで、滑る抵抗感をも味わい尽くすー。

具：「バラ肉の炙りがやみつきになりそうなくらい美味そう！」

　意外に、三つ葉と小松菜の味が効いてます。ラードで重くなりがちな味印象を、二つの青菜がいい方向へと導いてくれ、まったりな味わいに、意外にも清涼感も漂う風合い。これナイスかも。

　また、バラ肉チャーシューがいい味してる。柔らかく調理されて淡いつけダレが深く滲む。そこに軽く炙られた焦げ目があって、肉と漬けダレの二つの焦げ香ばしさがブワッと広がるのです。片面だけなので、柔らかさはキープされてます。あっという間に二枚を食ってしまって、後には寂しさが残るだけですがー。

　総じまして、「奇をてらわず王道質実なる安定感！」と言うそんな油そばです。このくらいが、一番安心して食えるのかもしれません。しかし、濃厚魚介と煮干しで売出しの店で、いきなり油そばデビューというのも妙なので、次回はガッツリと煮干しを食いに参ります。大体麺の素性はわかったので、スープがどんなだか今から楽しみー。肉増し必須と心得ます。鬼門に負けるなーと言うことで応援気分で、さらりと詠います！。

　　　春夜風
　　　煮干し漂う
　　　軽やかに

　　　鬼門崩せよ
　　　繁盛祈願

　お粗末！と言うことで家族にも感謝しながら合掌！！今日も本当にごちそうさまでした！！！