<とにかく名前の通り「気楽」な昭和レトロ感溢れる街中華なのだ>
振り返ると10月は、長雨やら台風やらでとても湿った寒さが印象的でありました。ちょっと例年になく暗い気持ちがはびこった月だったのか、それを癒そうと「街中華」にハマっているのか、単にオレが貧乏だからなのか・・・。この日は余りにも久しぶり秋晴れで、ランチタイムの移動時間を利用して、大井町駅から西大井駅まで歩るいて移動してみましょう。途中にあるとある街中華屋を新しく開拓する野心もあったのですが、なんとその店(天宝)は、もう休業っぽい雰囲気で非常に残念で寂しい気持ちになりますなー。気分をリカバリーすべく、やはりまたやってきた「中華キラク」さんです。
街中華の大きな課題は、後継ぎ問題でしょうね。こちらキラクさんは、ランチタイム等繁忙タイミングではご子息がお手伝いするようで、すこし安心感があります。しかし、このジャンルでは老齢な店主一代限りという店が多く、先の店でもそういうことだったんだろうかと、少し考え込んでしまう。さりとて、大行列店というわけでもない店を継がせるよりは、自分の好きなことをさせたいというのも親心というものか・・・・。何だったら定年後5年間だけ私が営業を継承してもよい(やはりウソです)。そんな甘い世界じゃないか。
そういえば、まだこの店で街中華たる王道メニューを食ってないや。そんな感じで今回は「タンメン」とさせていただきましょう!。やっぱりここではワンコイン500円でおつりが来る450円!。クライアント先社員食堂のラーメン価格とそう変わりはないではないか。
<とにかく穏やか塩気に、キリリ&熱々野菜炒めの香ばしさが広がる!>
そんな心配とか邪推とか入り混じった考えでいたところで、割と早く配膳が完了しました。出前注文もなく、私含め客入り3名だったから、非常に回転が良かったわけですね。それがこの麺顔。いかにも見慣れたタンメンの面がそこにありますが、ちょっと濁りが強めの深い色合いが印象的です。
ジットリしているのか?と思って啜ってみると、これまで何度も体験してきたあっさり塩味が広がります。まさに肉野菜炒めの和やかなエッセンス。ベースの非魚介な豚鶏清いスープが何とも穏やかな塩気を醸し出します。しかしいつものあっさり味とは少しだけ違うエッジングがあるとしたら、肉野菜炒めの炒め汁が多めで濃ゆいということかしら。半濁りの正体はこの炒め汁なわけで、全体をしっかりした味わい方向へグイグイと引き込んでいきそうです。塩辛いというわけではないのであしからず。酢を投入してマイルドにしようかとも思いますが、すでにさっぱり味なわけで今回も控えておきました。
あと感心するところは、熱さでしょうか。容赦しない熱々油の炒め迫力がありありです。うかうかして食ってたら上あごの内側の皮が火傷しそうなくらいに熱々。この熱さが味わいや質感を高めるという感覚で、やはり王道の中華は炒めが勝負なのだと再認識してしまいました。
<クッシリと淡い芯を感じさせるようで侮れずな麺!>
前回のニラソバで、大変見直した中華麺。今回もブレがありません。どこでもありそうな卵麺なのですが、微妙に淡い芯を感じさせるので、麺としての風味を何となく感じてしまう。風味は大事ですよ。スープの浸透したチュルチュル感ある味も楽しい。ですが風味がより残存する麺は、思わず咀嚼してしまうのでご飯的な満足感があるように思えるわけです。そんなの私だけだとは思うけど。前歯のプツプツした切れ味の後に、奥歯へ運ぶと麺が横ずれしながら、緩いクッシリ感を発するかも・・・そこが個人的には楽しい。
しかし時間が経つと、汁が浸透してきます。そこにはモヤシやキャベツが巻き込まれ、複雑な歯ごたえの中に野菜から吐き出される旨みが、一緒に楽しめます。場合によっては麺の地肌にブラックペッパーの欠片が貼りついたりして、奥歯でプレスするときにチリリとした刺激がでますね。
<ご飯がススみそうなほど、炒め汁の旨みが全体に充満した熱々肉野菜炒めがナイス>
やはりタンメンは野菜炒めが盛り上がっていなければなりません。塩スープにモヤシとキャベツが泳いでいるだけでは、やはり格安ワンコインでも盛り上がりに欠けるというもの。それを鑑みるに十分なボリュームです。450円という価格を考えると非常に良く出来たサービス。キャベツが特に少ないとかもなく、むしろ思い切ったと思えるほどに豚肉が投入さえており、非常にうれしい!。野菜が旨いとは言え、肉が少し多めに入っているだけで興奮してしまうのは、まだ童心が残っているということかも。正直このトッピングだけで白飯が2杯軽く食えると思えます。炒めの焦げ香りも軽いところがいい!。キャベツの甘みとモヤシの穏やかさが、塩気にこれほど合うとはと、日本人に生まれた幸せを感じてしまいますー。
総じまして、「住宅地に佇む昭和レトロ極まれりなワンコインタンメン」と言う何だか何も捻りない素直な感想でごめんちゃい。何気に渋い店がパラパラと点在するこの下神明エリア。いつまでも永く営業を続けてもらえればと切に祈るばかりです。それにしても久しぶりの陽気を感じて、食ったあと軽く額に汗を感じました。風がまったく吹かない午後の晴天下、ゆったりとした足取りで、西大井駅へと向かいます。ぼやぼやしてると、あっと言う間にまた年末なのが信じられないけど・・・。そんな和やか気分を忘れないように、最後のまとめで詠って締めます!。
穏やかな
長雨合間の
秋晴れに
軽く汗かき
和やかタンメン
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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