<いつまでも大切にしたい文化遺産的街中華>
JR南武線「向河原駅」から10数分歩いたところで、クライアントから解放されが昼下がり。どうせどこに行っても混んでるし、向河原も武蔵小杉も、ある程度開拓しつくしているので(偉そうでごめん)、しばし近くのコンビニでラーメン店をネット検索。すると歩いて5分程度に「中華 市番」というのが引っかかって、さらに情報チェックしたところ、とてもその風貌やコンテンツに惹き込まれてしまいました。そのポイントは、主に以下4つ。
ポイント①外観:堂々たるその街中華屋の存在感
ポイント②内観:めちゃ昭和やん!かつての賑わいを感じさせる
ポイント③価格:一番高いメニューがワンコイン!ラーメンだと330円
ポイント④対応:老夫婦の夫婦船経営
どれもすばらしいの一言です。私の中ではビブグルマンに既に登録ですがねー。そんな印象で入店を果たすと、先客ゼロ。静かに液晶テレビから情報番組の音が流れます。お冷を持ってきたくださるのも恐縮してしまうんだけど、何度もテーブルを行き来してもらうのも申し訳ないので、すぐに屋号と同じ冠の「市番ソバ」をお願いいたしました。400円也。このメニュー表自体が、何十年も変わってないのでしょう。日本酒の欄なんか「一級」「二級」と分けられてますから、バブル前であることは確実かな。見渡すと、テーブルや椅子、調味セットや箱入りの人形など、どれもご店主夫婦とともに苦楽を分かち合ってきたものばかりなんでしょう。年季の入りようは半端ないですー。
「近年、年末年始の餅つきイベントは廃止の方向にながれております・・・」テレビからそんなニュースが流れ始めたころに、配膳が完了。静かな店内にアツアツの丼がゴトっと置かれる音が響きます。さてその麺顔、実に微笑ましい優しさに溢れていることか。緩いめの餡がまとわっていて、キャベツの甘味が伝わるような緑色が印象的。おまけにナルトが何と3枚も入っております。これはコスパが高いのでは!と世間に広めたい衝動にかられますが、流行過ぎるとかえって迷惑をかけそう。
まず、スープが薄味系で柔らかい。この薄味は賛否両論だけど、緩い餡で舌に絡まるからすぐに丁度よいと感じるようになる。ただコショウだとすぐに染まってしまうから、味濃いめが好きな方へのおすすめは、醤油垂らしかな。その醤油さしも少し埃っぽかったりするので、遠慮したいのだが(笑)。醤油は薫り程度で、塩気より野菜の甘さと鶏ガラ系のコクがメインの味わい。また具材の風味や甘味も仄かに広がり、塩っぱさや化調で整えがちな街中華とは一線を画するという感じです。
麺もまた、特別でなく日常的な味わいという感じ。緩い餡の優しい醤油味には、ベストマッチと言えましょう。比較的ライトな黄色で、縮れと言うより捩れが効いているというフォルム。細麺で加水はやや多めという感じで、歯ごたえ的にはモチモチ感が淡くある。そこに餡が絡むので、スープの持ち上げ自体はすごく良く、ずぼぼぼーーっと啜りあげる感覚が堪らんというか、快感!!!です。奥歯でプレスするとクチリと淡白に潰れこむしぐさも、なかなか大衆麺のフィーリング。なるほど・・・このライトな感覚だったら、汁系の中でも餡かけ風の方がよく似合うかな。
市番ソバのウリは、この餡かけトッピングなのでしょう。ナルト3枚という大盤振る舞いと、キャベツの温野菜的な甘味とまろやかさが、実にうれしいのですが、それに加えて「スライス筍」と「豚こま肉」も入っているところが、400円ラーメンとしては値頃感覚を高めます。筍はふんわりと餡かけの薫りを上品にするし、またコリコリとした歯ごたえが楽しさを与える。また豚こま肉は、やはり肉の存在感という感じがして、たとえ少なくとも、あると無しでは意味合いが違ってくる。
総じまして、「見栄えも味わいも穏やか・・・薄味醤油系餡かけの王道的なやすらぎ!」と申しておきましょう。これは大変よりです。とても良い拾い物をいたしまして、この日の快晴のように、食って気分が朗らかになりました。まさに、市番は、一番なり!。ご店主夫婦が、忙しくならなりすぎない程度に、ここの訪問はおすすめです。昭和ノスタルジー系パビリオン以上の、懐かしい空気に包まれることでしょうから・・・。ということで、なので詠います!
昼下がり
時の流れる
やすらぎを
感じる一杯
市番一番
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
関連ランキング:中華料理 | 向河原駅、武蔵小杉駅、元住吉駅
- 出版社/メーカー: 赤い電車
- メディア: おもちゃ&ホビー
- この商品を含むブログ (4件) を見る
ベートーヴェン:交響曲第9番(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)
- アーティスト: ラトル(サイモン),ストレイト(カート),ハンプソン(トーマス),ボニー(バーバラ),レンメルト(ビルギット),バーミンガム市交響楽団合唱団,ベートーヴェン,ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2010/09/08
- メディア: CD
- この商品を含むブログを見る