【今週のラーメン２１５２】ラーメン王後楽本舗（東京・渋谷）もやしらーめん

　このクライアントは、キツイな・・・・。忙しい中を時間作っていただいたのは大変ありがたいが、早朝呼び出しというのは初めてだわ。私みたいなペーペー野郎に付き合ってくれるだけでもありがたいと思わねば。日本のVIPは非常に忙しいのであります。

　ところで、この前の年末年始に実家に帰った時、ウチの親父が「森繁久彌の社長シリーズ」を懐かしく話してたけど、未だにそういう幻想を抱いていたのに寧ろ驚き（全く分からないでしょ：汗）。日本中の社長や重役は、朝１０時に出勤してるとほぼ思い込んでいるウチの親父。・・・いわゆる重役出勤（死語）ってやつ。時代錯誤と言うより深い海溝を感じたけど、そのままにして話しを合わせて酒を酌み交わしました。本当に現場のみで働きまくった人でしたから、私の知らない苦労もあるのは当然。引退して久しくなりますが、今、感謝をしております。

【ハッキリした塩気とペッパーがむしろ持ち味！な街に合った雰囲気】

　しっかしよく働くスタフです。この日会ったクライアントにも負けませんよ。朝も早いうちから厨房内一人でフル回転！しかも、作り置きでなく中華鍋でいちいち仕上げては、鍋を洗い、食器を片付けては、調理をすると言ったジャグリング状態。低価格戦略なら、回転率も重要なのは分かりますが、この働きっぷりはスゲー。そんなスーパースタフさんから高台越しに受け取ったのが、この一杯。５７０円で申し訳なくも思える。

　餡かけマジックと言うか、やはりこれだけでテンションが上がるよね。かなり醤油の色合いが高く赤っぽいブラウンになっているけど、味わうと野菜の汁の影響を計算に入れている様な気がします。後になってちょうど良いかも。ややカエシが効いているけど、白飯とのコンビネーションならバツグン。おまけにペッパーの感覚も強めで、ちょっと懐かしい食堂感覚と言ったところか？また客層のメインと思われる若い人なら、こう言うショッパ目の味わいが受けると思います。

　もやしの汁の滲み出しは計算通り！味がない様でほのかな味わいが、野菜しかできない円やかさを醸し出すのですよね〜。横浜のサンマーメンも昨年食ってデビューしたけど、冬になるとやけに食べたくなるかも。お安くても腹いっぱいになれる幸せを、渋谷のビルの谷間で感じる次第。

【モヤシと一層寄り添うような柔らか目の多加水！それがベストマッチ！】

　非常に緩やかな麺でして、やや平べったいのか？という様なフォルム。多加水でストレートには違いないが、アルデンテは彼方……という様な感じです。スパスパと妙に切れ味が容易で堪らん！そしてチュルチュルリンと啜り上げられそうな、柔麺ならではのしなやかな物腰。奥歯で千切るとクチリと潰れ、あとは喉奥へと落とし込むけど、いかにも消化にも良さそう〜。