昨年の今ごろは、地獄でしたわ・・・・。今思い出すと、小便をちびります。でも、またあの季節がやってくるのだなと感じると、いろいろ苦い記憶がこみ上げてくる。どんな内容かを語れないのであしからず。ま・・・、今更何を語るか。今からどうするかを考えた方がましですな。皆さんとラーメン交流をSNSを通してやっていると、そんなの自分だけではないのだという感じになります。みなどこかで頑張りながら、合間合間に好きなラーメン食って、気を抜いたり、活力を得たりと、やっているのですかね。
などと考えながら、また目黒あたりの下り坂を歩きます。今度は明確な目標を抱えております。それが「ぶらり」さん。すっかりと支店が目黒に誕生していたことを失念しておりました。思い出して早々の訪問となります。日暮里で食った鶏そば・・・・旨かったもんな・・・・。
訪問時、先客1名。なかなかスペースを贅沢に使った店内で、テーブル席も奥に余裕がある。もちろん明るく清潔。なかなか「旨い店」たる雰囲気を出しています。今回ももちろん「鶏そば」。あっさり系で攻めたいこのごろ。疲労蓄積で、重い物を食えません(泣)。
【スープ:鶏の「あっさりさ」と「芳醇さ」、塩の「すっきりさ」と「しっかりさ」、それぞれが両立!】
<実に気持ちがいいほどに澄み切った鶏清湯!あっさりなれど芳醇な鶏コク>
しっかし・・・実に眺めるだけで嬉しくなる。そんな久しぶりの興奮を覚える清湯スープがとてもキレイです。表面に浮かぶ油が鶏コクを表していますね〜。見た目だけで大台クリアーな、クリアースープが見事です。実際にすすると、「あっさり」と「芳醇さ」が見事に両立、成立しているといった感覚。ただ唸ります。
「あっさり」を言うと胃に負担のまったくない染み入るような透明感。脂のコラーゲン感覚はなく、髄エキスも感じさせず、濾過したかのような軽やかさが、とても印象的。鶏ガラ系の味わいだけでなく、昆布などは少し貢献しているかもですが、軽やか煮干系の味わいは皆無。動物系でこれほどあっさりと食わせるのは、流石です。
「芳醇さ」を言うと、鶏コクの円やかさの中に厚みを感じるほどの豊かさが印象的。鶏の旨味香りもしっかりとしている。かといって家系に代表される鶏油の色気という感じはせず。本当に、丸鶏の出汁を丁寧に煮出したといった感覚で、清湯系なれど、しっかりとした食べ応えがあるというスープ設計。これは、飲みの〆にも合うし、何腹かわからないけどしっかりと旨いものを食いたいという、わがままな状況にジャストフィットな一杯と申せましょう。
<塩気もナチュラルでキリリとしたいい塩梅>
塩気の加減もあなどれません。鶏コク同様に、「すっきり」と「しっかりさ」がとてもバランス良い。確かにしっかりしている塩でパンチ系はもちろん、シャープなエッジングとまでは行かない。じっとりという余計な厚みもなく、舌の上でちょうどバランスがいい塩味。淡麗も好きだけど、ハッキリした塩も食いたいよね〜。でも重くないやつ。そんな気分にはピッタリなのです。
そして味わい終わった感覚は、「すっきり」そのもの。妙な後感覚はもちろんないけど、後で水を欲するような乾きも少ない。主張するような塩なれど、じつは引くべきところはわきまえたようなエッジング。きっとこれを「いい塩梅」というのだろう・・・。
【麺:極細な縮れでも、光沢感あるすべり心地で、高速に啜り食うにはもってこいの逸品】
<極細やや縮れな多加水イエロー麺、スープに馴染む>
写真は多少オーバーに写っているけど、なかなかのイエロー麺でして、練り水の個性を少し感じたりする。しかし嫌味がなく、スープとのバランスもアリかなと感じさせますね・・・。加水も高めなニュアンスで、極細の角麺。そしてやや緩やかに縮れが生じています。個人的には、塩清湯には、加水低めでキッパリとしたストレート麺を好みます。しかしそれは、淡麗系味わいがあってこそ。これほどのキッパリとした塩スープだと、むしろこういう多加水系の方が合っているなと、むしろ感心。
麺の密度感もそこそこで、決してモチモチ系ではなく、クシクシとした前歯の千切り感。そして奥歯でのブレスでは、固めでクニュクニュとした弾力感が印象的です。風味というより、スープとの一体感、低反発の心地よさを楽しむ系統でしょう。
※どうも・・・写り具合が黄色くなり過ぎてしまう。実際はもっと自然な色です。
<細めで光沢ある地肌が、ツルツルとして気持ち良くすすれる>
細めで、かつ光沢感ある表面なので、すごくスベリは良いと思いました。なので多少縮れがあった麺のわりには、内頬をタッチする感覚や舌触りの抵抗も少なく、のど越しがとてもよい。またスープと一緒に啜り上げる感覚もあって、ズボボボボボボーーーーーっと勢い良く啜るには持ってこいのタイプですね。
【具:歯応えを楽しむ山くらげ・・・そして薄スライスシャーシュー】
<山くらげをゴリゴリいわしながら食う快感>
テーマは歯応えかもしれない。具の話。この山くらげのハードな歯応え感覚が、実に快感!いや〜・・・快感すぎてクセになりそう。それに結構なボリュームあるから、一本づつ処理していくと、歯応えのゴリゴリ祭り状態。これが、スープが少し染みていて、味がないようである。あるようで無く、まるで歯応えだけを楽しむもののように感じる。ゴリゴリっと言わせながら、意外に容易く千切れれてあとは胃袋の中。旅行のお土産でもらう煮物系のパックとは、全く別ものの豪腕歯応えに、たっぷりと酔いました!
<薄めなれどしっかり味わいと歯応え、ナイスなスライス肉>
意外にも薄めなスライスチャーシューがいい!ちゃんと肩ロース部位と、バラ肉部位の二種あります。その薄さゆえ、単なる箸休めかと思いきや、いやいや・・・・実にバランスよく豊かな塩味系でして、薄いのにしっかりとした歯応えを感じさせます。固い肉という単純さではありません。肉繊維自体も旨いと思う歯応えだし、脂身に至っては言わずもがな。とにかう、ライスと一緒に食ったり、酒のアテにして食うなどなく、ラーメンに一番合うと思えるチャーシューの作りに感心です。
総じまして、「ぶらり一人旅〜目黒編には、とてつもない鶏塩清湯があった」という短い話。あーーー旨かった。なかなかのスマッシュヒットなる、塩の逸品。語るに過ぎるという感じもするので、今回はここまで。なので詠います!
帰り道
ぶらりと訪ね
鶏そばの
塩気とコクの
美しき哉
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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