ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1628】 麺処 びぎ屋 (東京・学芸大学) 白醤油らーめん

 新しい職場環境にいるためか、何となく疲れが蓄積するのを覚えます。体がダルイ・・・・。そんなときは胃袋だけは、お気楽に行きたいものです。「ぷかぷか」という店の名前にあやかりたいと、東横線学芸大で下車して訪問したが、その「ぷかぷか」は休業しておりました。絵に描いたようにガックリしてしまい、ますます体が重いではありませんか・・・・。そんな状態なので、近くの名店「びぎ屋」へと踵を返すのです。


  






しかし最近は「塩気分」なのだよな〜・・・。気分転換に普通の醤油でも啜ろうかと考え直して入店。すると券売機には、「白醤油」なるメニューPOPが張り付けられている。塩じゃないけど、それに近いな〜などと考え、この店では初体験の白醤油をチョイス。結果的には、嬉しい誤算というか成り行きになり、まさに「拾う神」なる一杯でありました。











【スープ:白醤油って・・・黒の引き算ではないのが良く分かった!むしろ足し算?因数分解?】


<酸味後味を感じさせない醸造感⁉︎ 白醤油のカエシがピッチリ!>


 こだわりが窺い知れる質感。以前は普通の醤油らーめんを食して感銘しましたが、今回の「白」も中々の仕上がり感。「白醤油」と言われると、「淡麗」系な味の構成かな・・・と予測しておりましたが、いやいやどうして、「しっかり」「ぴっちり」とした味わいに「円やかさ」も感じられる。なんとも贅沢な味わいを感じます。


 「白醤油」ダレのカエシの雰囲気が、濃ゆくてスッキリしていますかね・・・。そして後味に、醤油系の醸造感を感じさせる酸味が薄いように感じます。なにやら券売機の下の方にあったPOPを今更ながら思い出すと、大豆でなくて「小麦」らしい。醤油のピルスナーということか(ホップ感はないです)? この個性もあってか、醤油ダレの塩気がストレートにイキイキとしているように感じ取ります。


 その一方で、いつもの醤油に感じるような、カエシ味わいのエッジングに「甘み」がない。この感覚が、より塩気をピッチリと感じさせるというか、ピントが合うという感覚です。塩らーめんと見まごう仕上がり感。もっとも、このスープには、あのブランド・・・沖縄粟国島の塩を使用しているとか。カエシがどうのこうのと申し上げておっても、この粟国の底力だったりするかも。感覚って曖昧なものですが、感じ方も自由な点は、ご容赦いただきたい。









<鶏豚もしっかり感じさせつつ、香ばしさが光る魚介の風味!>


 冒頭で「淡麗かも」という予測に肩すかしを食らいましたが、その一因は、鶏豚のエキスの芳醇さにあるかもしれません。配膳の瞬間、少し量がすくないかも?という不安が過りますが、食し終えてしっくりとくる食べ応えあり。鶏豚エキスの影響かと思っています。鳥取大山の地鶏?らしいのですが、鶏ガラのみでなく、丸鶏らしい豊かさも感じ取れます。そこに、豚骨の丁寧な煮出しがあるようで、そこに淡い濁りがあるようです。香味油で色づけする感覚は少なく、出汁そのもので食わせる/勝負するといった潔さもあったりして。


 また何と言っても「魚介」の香り豊かさの余韻がすばらしい!全体的にすっきりしている割には、まるで鶏豚を突き抜けるような「香ばしさ」の筋が通っています。最初は節系の香ばしさが濃いな〜と思って味わっておりました。しかし、煮干系の円やかさも下味にしっかりと染み入るな〜と、徐徐に感じ出したりする。後から思えば、この出汁は、いろいろな具材の味わいの主張があるのに、全体としてハーモナイズされている。濃ゆいのに濃くない。バランス感あると同時に、「ピントが合っているな」と痛快にすら思えますよ・・・。












【麺:むしろ「白醤油」だと麺の本来風味が際立つかもしれませんね】


<密度感ある歯応えに、粉の熟成風味も力強い!>


 白醤油の方が風味が映えるのか・・・。実は麺がより旨く感じた。


 私の好みに実に合っていたかも。ストレートで捩れが一切ない美しい流麗さを保つ麺。そして密度を高く感じる潰し込みがある一方で、そんなにパツパツではない。程よいクッシリ感というと普通すぎるか・・・。そして芯を若干のこすのに、そう感じさせず全体的にクシクシとした歯応え/千切り感で楽しむ。最初の一口から、最後に汁にただよう一本まで風味良く楽しませてくれましたわ・・・。


 微妙に麸のような粒が織り込まれておるのね。そのパーセンテージたるや5%もなく3%以下の微妙さなのだけど。練り水の影響もとても少ないし、グルテンというより、粉の素性の素晴らしさを存分に味わった崇高な麺でありました。これなら毎日でも食いたい。









<きめ細かい地肌でスベリ良く、しなりも緩やかで上品>


 風味に酔い過ぎてスベリの記憶が薄いが、前半は表面に極薄な滑り層があったのをかすかに覚えている程度。そして、後半はかすかに汁を吸った影響か・・・多少しなりが緩やかになったような感覚。麺全体のしなりがしなやかになって、クシクシと千切ったあとは、するすると心地よく舌と内頬を駆け抜けていったような・・・。冷しらーめんなら、どんなスベリ感になるのでしょうかね。まだ夏の残り香があるうちに、冷しを試してみたくもなる。











【具:技がシブイぜ・・・・】


<定番着実な二種チャーシュー!ハード&ソフトな組合せ>


 これがまたテクニックの確かさを感じさせる2種の調理法です。食紅を使わないものの、窯で焼き上げたような香ばしさと表面的な固さを醸し出すロース肉チャーシュー。旨い中華屋のチャーシューそのものでして、タレの甘みもまたよく染み込んでいて、箸休めには最高。そして、バラ肉チャーシュー。皮をそのまま残しながら煮込んだ感覚で、コラーゲンがとても豊か。ぷるぷるした脂身が最高。チャーシューのテクニックも素晴らしいし、ちゃんと定番たる二種を提供してくれるのが、実に嬉しい。すっかり世間に浸透したレアチャーシューもいいけれど、こういうクラシカルなチャーシューも素晴らしいもんだと再認識させてくれました。








<二種メンマと言う遊び心>


 ここまででも相当楽しませてくれたこの一杯。最後にメンマについて一言。穂先メンマの淡くて優しい歯応えと、定番コリコリメンマの二種を提供してくれます。嗚呼、最後の最後、隅から隅まで、手抜かりがないね!改めてすごいテクニックの凝縮を感じさせてくれました。

 
 まだ語り尽くせ切れないかも・・・・。この丼も、分かりにくいかもしれないけれど、いい器です。重みといい、うわ薬のつるつる感といい・・・・。きっと少しばかりいいものを使っていると思えてならない(褒めるの・・・もうこの辺にしときます)。






 総じまして、「上質で・・・しっかりとした白醤油らーめん」というそのままストレートな印象ですみません。少なくとも、淡麗と思わせながらパワーも持ち合わせる白醤油というイメージは確かかと。むしろ、前回は普通の醤油が気に入ったというなら、印象が随分かわったなという肩すかし感はない確実な一杯かと思われます。白黒をこれだけ同じボルテージでまとめる醤油ラーメンを、私は大きく評価したかったわけで、ついつい個人的な応援感情が入ることは、ご理解いただきたい次第。レビューとはそういうもんかもです。


 さて食って旨さについつい熱くなったが、季節はいきなり秋の気配。コンビニなんかでは「秋味」系のビールが陳列を賑やかにさせていますね。私、いろいろありまして、結局、「川崎」に今後は昼間の拠点を移すことになりました。今後は、京浜間の一杯を攻めることになるかもです。どうせなら、横須賀とか、厚木あたりに飛ばされて、東京までの帰り道の店を食い尽くすという野望もあったのですが(爆)。なので詠います!
  



   盛夏すぎ
   虫の音響く
   帰り道



   疲れた身体
   旨さが染みる




 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!!!



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