腹が減りすぎて貴社途中に少し早めの夕食として寄らせていただきました。午後6時をまわった東急武蔵小杉の駅前は、学生さんやら早めの帰宅のサラリーマンやらでごった返しますが、どこか今日も一日が終わった感が漂いゆったりとした雰囲気も感じ取れます。駅前から少し歩くと、これまた地元になじんだ商店街がありまして、このエリア開発の喧騒から少し間延びした空間が広がります。そんな商店街の入り口すぐに、「お肉屋さんのラーメン家 生治ミート」さんがあります。元はお肉屋さんだったのでしょうね。代替わりしてラーメン屋に転向したのか。先日訪問した「丸仙」とすごく近いという立地にありまして競合共存しているようです。
入るとそこは、ジャンプ片手にラーメン食う・・・というのがしっくりしそうな街中大衆中華屋的な雰囲気。しばらくこういう雰囲気忘れておりましたわ・・・。先客、後客もぱらぱらと来る程度で、いかにも常連さんらしい。すでに自分の部屋のようなくつろぎ方で、ゆっくりと雑誌読みながらラーメンすすっておいででした。そんな微睡んだ雰囲気のなか、私だけは「とんかつラーメンとは何ぞや!」という意気込みで対峙する気満々で内心ボルテージを上げております。そんな気持ちが抑え切れなかったのか・・・・、セルフ給水器のレバーが固くて、かつ水の勢いが強すぎて、上手に調整できずコップ水を溢れさせてしまった・・・・。落ち着け落ち着け。空腹時に「とんかつ」を待つといのは、どうしても気がざわめくものです。調理が終わったと思われた瞬間、配膳を待たずに自分から取りに行こうかしらと思うくらいに、空腹度はMAXでありました。
【具:さすが肉屋の肉!肉屋のとんかつ!!サクサク感満載!!!】
<肉屋の豚肉!とんかつ!!を食いに来た!!!という満足度>
もはや配膳の瞬間に「とんかつ」しか頭の中には無し!目の前の物体に「ラーメン」という感覚は本当なし。スープがサクサクころもを台無しにしないうちに早く食べきってしまうことしか頭にありません。しかも流石は肉屋! 専門店の底力ともうせましょうか、ロース肉のボリューム感はなかなかです。そして分厚さもなかなか!これならふつうに「とんかつ定食」として十分に通用する肉ですよ!
無心に肉片を食むと・・・ロース肉の柔らかい筋肉質と脂身のコクがじんわりと広がる。さすが本職という仕事ぶりです。これなら・・・ラーメンやめといてライスにしておけば良かった(笑)。ラーメン否定というより、「肉が旨くて!」という話です。サクサクした衣も中々にGOOD!少しばかりスープに浸っていようが、あまり影響を受けず、サクサク&パリパリ感がキープされてました。これで余計に、ラーメンより肉!というモードにスイッチオン!いやはや、この時点でそもそも何を食いに来たのか、当初の目的は霧散しております。
しかも前半三分の一で一気に平らげてしまいましたわ(笑)。塩気よりも肉とフライ油の甘味がナチュラルに広がる香ばしさ!ソースで食ったらさぞ旨かろう!!(私は何でもフライや揚げ物には醤油か塩をかける天邪鬼ですが・・・)。
<意外に脇役は繊細な細モヤシとコリコリきくらげ>
ガツガツとカツを食らう箸休めは、「細もやし」。さすがにキャベツの千切りは、考えていませんでしたが、この細さとやや熱でクタッたような淡いシャキシャキ感がいいかもしれない。トンカツと一緒に食っても良い。意外と水っぽくなく、むしろより肉をあっさりと食わせてくれます。また、意外なといえば、キクラゲ。細切りにされた姿から、九州系豚骨を思い出したりしますが、細もやしでライト感に占められることなく、クッキリとした歯応えアクセントを与えてくれます。とんかつとキクラゲ。ミスマッチな歯応えを堪能いたしました。
【スープ:街中の大衆中華食堂たる気楽さが、愛しく感じさせる醤油豚骨感覚】
<ライトな豚骨系醤油味といった食堂風馴染みある仕上がりでスルスル飲める>
おそらく、カツやフライ物をどデカくトッピングして、スープ自体に違和感がないとは摩訶不思議。これは個人的に察するに・・・ラードのちからではないかと考えております。揚げ油がラード100%なら、香ばしさや油の余韻がスープに移ったとしてもそれは、「ラード系香味油」。いつものラードのコクと本質的には変わらないはず。そんな豚骨コラーゲン感覚を醸し出します。
しかしそれだけではありません。醤油ダレが実に「大衆系」。実に肉やのコロッケ的な、しみじみとした旨さを表現しております。崇高系の旨味とは比較してはならない。そんな感覚。多少の調味料の感覚はあっても悪くない。むしろ、トッピングで重くなりそうな胃袋に負担をかけないライト感が嬉しい。そして、意味合いを感じます。
<温度感覚がいろいろ意見がありそうです>
しっかしですな・・・・、頭のなかの「?」マークが残ったままになっているのは、スープの温度感。私個人的には、もう少し熱めのほうが好み。よく蕎麦でかき揚げを丼の中に投入すると、「ジュジュジュジュジュ〜〜〜・・・・」と汁と揚げ物とのぶつかり合いを期待してたのだが、それは贅沢なリクエストすぎるかも。しかし、ゴクゴク飲めるという点ではOKなのだが、とんかつの熱さがもしなかったら、この一杯はぬるいと感じてしまうかもしれない。いや・・・多少ぬるい方が、カツの熱さを中和していいのかもですが。ここは判断に迷います。
【麺:ライトなスパスパ感がスープの大衆ニュアンスにはまさにピッタリ】
<街中のストレート系中華麺といった風貌!適度にスパスパと切れ込む密度感覚>
麺も大衆さを醸し出していてなかなか和みます。いかにも中華麺といった風貌ですが、割とストレートなフォルムが印象的で太さも標準そのもの。わずかに捩れた部分が、細もやしやキクラゲをひっかけてるようです。密度感は低いがちゃんぽんのそれよりはかなり高い。芯を感じさせないタイプで全体的にクシクシ、あるいはスパスパとした歯の切れ込みで楽しませてくれます。高級感より親しみやすさ。ほんの街乗り気分で近くのスーパーへ買い物いくなら、運転しなれたコンパクト軽!なんだかそんな親しみやすさと気楽さが、似ているようで、またそれが日常食としては本質的だと思えてきますしね。
<少し汁を吸いこむかも〜、意外にしなやかに変貌するか・・・>
麺量はそこそこあります。カツを早々に平らげてしまったから胃の負担が先行したのか、胃袋キャパとしてはいつもより多めに感じるボリューム感です。なので後半は少し時間がかかったためか、汁を吸いこんだフィーリングがでてきます。そして、しなやかさが徐々に表に出てくるといいたムード。ここにきて、やはり熱々でフーフー言いながら食えればもっとポテンシャルが上がったのでは?と感じてしまう。
総じまして、「大衆定食的な気楽さと、肉専門店なりのとんかつの本格さのハーモニー」といった感覚の一杯。やはり食後の印象は、スープや麺や、その全体感より、トッピングのとんかつに集中してしまう(笑)。しかしこういう食べ物なのだろうね・・・「とんかつラーメン」というものは。という意味で本来のネーミングは、【ラーメンとんかつ】とした方が、個人的にはしっくり来るかもと思えてしまいました。いや〜、今回は実に面白いものを食わせてもらいました。ご店主には感謝。なので詠います。
ガツガツと
久方ぶりに
肉食らい
膨れ腹見て
しばし落ち込む
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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