いよいよ、神奈川に仕事場を移す話が具体化してきて、こちらへ外出する機会が増えつつあります。東京も神奈川も、そうあまり変わりがないと思っている関西出身の私だけど、さすがに多摩川を越えると空気が違うような気もいたします。新天地・・・というのも大げさですが、何か良いきっかけにならないかと思うこのごろです。
とは言ってもさすがに電車の移動で、運良く座れると揺れが眠気を誘うのか、今回は移動車内で深く居眠りをしてしまう。いかん、通り過ぎてしまって、気がついたら「武蔵小杉」でありました。しかも、これからまだオフィスに仕事があるという夕方なのに。東京へ戻ってちゃんとした晩飯食って鋭気を養おうと思っていたのだが、時間の余裕も無くなってしまったので、この界隈でラーメンでも啜って気鋭を挙げようと考えました。TETSUで中華そばをと考えつつも、たしか以前この界隈でフラれた店が2軒あったと思い出して、ネットで営業時間を調べ出し、たどり着いたのが、ここ「けん」さんです。なぜだか前から気にかけていて、この店をブックマークしていたのはなぜか。今となっては不明。きっとネット上の高評価が目についただけだろうがね。
さて入店時、先客ゼロ。ハンパな時間だから、夜営業の準備タイムらしく、女将サンがせっせと何やら準備をしておられる。手を止めて「いらっしゃいませ」という応対が、心がこもっているような暖かみを感じてしまうのです。この時点で、心のボタンを外したのかもしれない。初訪問の店だから、最初は定番品!券売機なら一番左上のボタンを押すべしと「醤油・並」をチョイスします。そして、家系と知っているならば、私はネギかキャベツを追加するのです。今回は、無意識にキャベツを押すのです。
すると、奥からご店主が、申し訳なさそうに出て来て調理の準備を開始。私への一杯だけに、神経が注がれるのだと、妄想に近い想像をしながら黙って作業を眺める。・・・・それだけで何かありがたみを自己演出したりして、気合いを高めたりなんかして遊ぶ。ほとんど変態するの所業ですな。改心しましょう。そんな一杯でありますが、贔屓目をさっ引いても、なかなか好みの一品であったことは確か!
うう・・・これは店の空気感に共通する優しい感覚に溢れる家系やん!こういうホーム感覚好きやで!!旨し!!
【スープ:しっとり系の家系!?スープの優しさとお店の優しさも染みこんだ!?】
<デフォルトはとてもマイルド!しっとり感覚ある豚骨と鶏エキスのバランスがナイス>
本当に家系を食わなくなったな・・・。実に久しぶりな思いもする。転勤当時の関西では非常に家系は珍しく、たまたま食った一軒にハマってその後はゾクゾクと関西にも増えてきたっけ。増えてくると天邪鬼というか、再食をついつい後回しにしてしまって、今に至る。重い動物感と濃いめの塩気が、弱った体には強すぎるのか・・・。しかし今回は、実にするすると無理なく旨く頂けた感が満載のスープ感です。
デフォルトでいただいたせいもあるが、実にマイルド!豚骨感の髄が細かく粉にまですり潰されて底に溜まるが、まるで流砂のようだし、コラーゲン感もなかなかシルキー。鶏油の色気や濃厚コクも非常に薄く感じるほどにスッキリしているボディー感が、「染み入る」感じがしてナイスです。「オオメ」をオーダーしてみないと、本当の個性が分からないが、クセ度合が低くて広くウケるタイプの家系だと思いますがいかがでしょう。醤油の他に、塩、味噌などのバリエーションもありまして、これは全部制覇したいという前向き気分であります。
<醤油のカエシ感覚が丸めで好みに合う!キャベツの甘みも加わりなお良し!>
こちらも味濃いめでなくデフォルトで楽しんだが、丁度動物系のシルキー感を損なわない程度に、カエシが控えめであります。そこにキャベツを投入したものだから、野菜のナチュラルな甘味も広がって、余計にすっきり感が加速したかも。けっして薄いというのではなく、丸いと表現したいカエシの味わい。味わって3口目から、完飲必須と思い込んでひたすら啜り上げる。
そうそう、惜しむらくはこれからオフィスに戻るということ。ニンニクを投入することもできず、かといって250円という格安表示のビールにも手を出すこともできず・・・・。次回は、ハードにチューニングして、ビールを浴びてみたい。
【麺:ヌチヌチ感とスパスパ感が絶妙の「カタメ」茹で上げ!ランダム縮れな外固麺がナイス!】
<ヌチヌチとした歯応えキープのランダム縮れ中太麺>
麺箱には「丸山製麺」とあったという記憶。すみません、不勉強でどのていど有名なのかもしりません。しかし悪くない!麺だけは、「カタメ」というチューニングを施してもらいましたが、中心部のグルテン部がヌチリとしつつも、こってりスープの中にあって風合いを感じるではありませんか。麺が旨いとはこのこと。イエローヌードルっぽい風貌も、家系食っておるという躍動感を感じさせます。
潰し込みというか、密度感はほどほど。モチモチというより、ややスパスパとキレが良いタイプの弾力が、気持ち良いし海苔を巻きつけたときなどは、感覚が合うと思える。ほうれん草との歯応え相性も、モチモチもいいけど、少しくらいテンピュール感ある淡い弾力感の方がいいと思えます。
<滑って楽しいゴツゴツ感、キャベツも混じってザクザク感>
やや外固感があって、そこそこスープもオイリーだから表面は非常にツルツルしている。そこへ強めな縮れ麺ですから、啜り上げると内頬を駆け抜けるタッチ感が快感。ゴツゴツとした感じがまた柔らかい。そこに、トッピングと化した温キャベツが入り混じり咀嚼感にバリエーションを与える。甘噛みしたあとにザクザクと切れる野菜感。麺と交じり合って複雑さを増すほうが、麺にとっては美味いと思えるのだが・・・。
【具:温キャベツは、私個人の中では家系テッパンなのです!旨し!】
<温度感覚とライトオイルコーティングがナイスのキャベツ>
そういえば入店時、女将さんがキャベツの下準備を丁寧になさってたな・・・・。ちょうどいい塩梅の温キャベツは、サラダオイルのようなのを軽くまとってつやつやとしているし、色合いもとても健康そうで旨そう。根に近い部分の分厚いところも、前歯でサクサクと切れるし、また噛むほどに甘味を増す。そのまま食べても素材感ある甘味が旨い。またラーメンに投入してスープを浸して食うとこれまた旨し。嗚呼、こういうの好き。
<解れるロース肉!スポンジみたいにスープをまとう>
ちょっとライトな感じがしたけど、定番なるスポンジ感あるロース肉です。割と柔らかめでして、あっと言う間にペロリと完食してしまいましたが、スープを吸い込んだ肉というのはこうも魅力的なのかと改めて思い知りましたよ・・・。これはチャーシュー麺にも期待が寄せられます。
<定番の品質感ある海苔と、クタクタナイスなほうれん草>
ま、いわずもがなですが海苔は良い品質。海苔をハズすと家系ではないですもんね〜。3枚がデフォルトでそこそこ大き目で肉厚!スープで溶けるようなだめでうもんね!香ばしく凛々しい海苔でした。またほうれん草のクタクタぶりもなかなか・・・・。キャベツと合いまったこともあり、甘味を増すという感じでグッドでしたわ・・・。
総じまして、「なかなか、温かみがある!しかも本格派でヘタレなオッサンでもナイスな家系!」という感じが。本当にこちらのご店主と女将さんのお人柄を写したかのような、穏やかさを併せ持つ品質管でありました。ここなら、近くの学生さんたちや、労働者の方々が気軽に立ち寄れて、安らぎを感じることもできるでしょうな・・・。こういう店が近くに欲しいと思うこのごろです。(あ・・・あるか、もうすでに!最近イケてないけど) なので詠います!
朗らかな
空気も味なり
円満な
夫婦営む
優しい一杯
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
学校に行かなかった研一―「年上の妹」がつづるケンチャンの素顔
- 作者: 大前伶子
- 出版社/メーカー: 電子書籍出版株式会社
- 発売日: 2013/08/11
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
福田健「話し方・聞き方」スキルアップシリーズ1 「場の空気」が読めない人 (ビヨンドブックス)
- 作者: 福田健
- 出版社/メーカー: 学研プラス
- 発売日: 2014/04/02
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る