朝起きて、社用携帯電話の小さいLEDがピカピカ点滅している。何だろう・・・と思ってみて見ると、一番こわい上司から矢継ぎ早やの着信履歴と、メールが一通。「至急電話よろしく」とのこと。あーーーー、こんなことでその日一日が誠にブルーであります。ブルーを通り越して、群青色・・・いや、気分はドドメ色じゃ。何かやらかしたのかと、いろいろ考えるが、思い当たることはいろいろあれど、そんなのでいちいち怒るか?と考えたり、いやいやあの男ならあり得る・・・・何か対策をとか考えていると、朝食も喉を通る気がせず、結局朝飯抜き。そのまま業務になだれ込む。
で、午前中の終業時間はそれはそれで、また「なんでオレだよ〜」っていう気分でとりあえず怒られたフリして、業務に勤しんでいると、それはそれで昼飯を食い損ねてしまい、午後の3時頃になると完全にガス欠状態でフラフラになる。そこは会社の自販機のREDBULLで、翼を授けていただいて乗り切って・・・・・、さあもう早めに切り上げようと考えます。結局午後7時に解放されて、無性にいいラーメンが食いたくなり、かねてからの宿題店であるこちら「なな蓮」さんに直行です。それにしてもなぜここ? それは、こういうヘロヘロ体調なら、淡麗な支那そば系が一番合うかなとおもったから。
到着時、なんと先客ゼロ!あら・・・・ネット情報による昼間の混雑ぶりとはえらく違うのね。店内はお酒が似合うような落ち着き感もあり、いつもなら当然ビールも頂くところだが、このタイミングで飲むと死ぬと思ったので、純粋にラーメンだけを楽しむことに。待つ間のジャズが、徐々に仕事で凝り固まった心を解してくれるようですぜ・・・。やっと人間に戻れる。そんなタイミングで丁度支那そばが運ばれて来て、この日一日の最後に、いいことあったなと思える幸福を感じます。
むう・・・、これは染みるというより、染み渡るという広がり感!そして麺の優しさがハンパね〜じゃないの!今日はダンディに旨しと唸るぜ・・・
【スープ:味わいがしっかりと芳醇!と感じさせる・・・鶏コクと醤油円みのバランスが、オ・ト・ナ!?】
<スッキリ鶏コクの上品さが甘く、そして節の旨みの塩気で一気に食わす>
配膳の瞬間は、最近になって個人的によくお目に掛かる、淡麗系醤油・・・いかにも支那そばの風貌。いや、ちょっとハイセンスさを漂わすは、さすがに東京ど真ん中、日本橋という土地柄を感じます。BGMのジャズも落ち着きあって、ミスマッチにも思えん。大人のラーメン、それが支那そばっていうオーラを徐々に感じる麺顔です。
まあ、ゆっくりと啜ろうや・・・と斜に構えて味わい出しますが、これがなかなかに、ハイセンスさの中にある素朴な味わいがいい感じであります。鶏コクが穏やかで一見淡麗のように思えて、しっくりとくる優しさを感じます。鶏油の香味油全開!という醤油もイイが、穏やかな鶏コクも捨てがたい。キラキラとスープ表面で煌めく油がいかにも不純物なし!と言った感覚で、後味が実にスッキリです。
そして、大人と感じるのは他でも無い魚介のそこはかとない風合いだね。裏方に徹した節系!という感覚を脳裏で感じながら味わった。旨味自体が程よい塩気のような感覚を受けながら、ただ無心で啜って気がついたら完飲でありました。
<芳醇にも感じる崇高なる醤油の醸造感がまろやかな>
鶏コクは実に芳醇である。しかし、芳醇さといえばやはりその醤油ダレの風合いの方が印象的です。カエシの味わいに透明感あるし、醸造感ある風味が鶏コクの甘さにとてもいい感じで結びつく。後味が非常にスッキリしているのに、ボディはキリリとしっかりしている。なんと言うか・・・スープのピントが合っている。この感覚は、飽きがこないな・・・。
【麺:いつもの支那麺とは違ったシルキーと感じる崇高系!こだわりの小麦粉ブレンドがキマってる!】
<こだわりの国産四種類ブレンド!平打ちストレートが優しくタッチする歯応え感>
リフトしてややびっくり。支那そばとくれば極細系多加水ストレート麺と、勝手に思い込んでいたから、平打ちのやや幅を感じる麺のフォルムに、思わぬ好奇心が湧いて出たという感じ。配膳を待つ間、説明書きを読んで過ごしたが、4種の国産粉を念入りにブレンドしたとのこと。この手の触れ込みは正直言って珍しくもなく気にも留めていなかったのだが、実際食ってみて気分が変わるとはこのことです。
ふれこみをマジマジと見てみる・・・・、なるほど「繊細」と「素朴」のバランス良いところをミックスしている(・・・・って知ってるのかい!?と自分につっこむ中年オヤジ:笑。「ちくごいずみ」なんて初耳:恥づーーー!)。でも、素人でもその粉のバランスの良さは、今回は分かったような気にさせる仕上がり感なのです。
平打ちなフォルムなのに、見た目に芯を感じる。しかし、いつもの「クシリ」感覚がなく、優しい感じの「ふわクシっ!」とした潰れ方が印象的。そして「柔らかい」潰れ込みが実に良い!そこには、柔らかなグルテンがあって、熟成の風味を感じさせるような気がするやん・・・・。嗚呼・・・、すべてが優しいタッチなのであります。
<滑らかなることこの上なしな上質感、きめの細やかさ>
加えて、「きめが細かい」とはこのことなのであります。全粒粉が配合されとることは、視認しても分かるのですが、ザラツキというものが無縁。地肌のきめ細やかさが光るといったところ。うーーーー、スープよりも、麺に唸るかもだな、今回は。スープも決して悪くないが、麺の仕上がり感が、個人的にはツボ。・・・参りました。
スベリを楽しむ一つひとつの動作が嬉しい・・・・。
【具:適度なバランス感とちょうど良い分量・・・いい肉とメンマがそこそこあればそれでいい】
<ロースとバラの二種チャーシュー!程よい塩気で食欲誘う>
最近、過度な演出が当たり前になってきた気がする、日本のチャーシュー界。麺顔いっぱいに占拠する大判チャーシューやら、分厚めのブロック肉など、競争は果てしないのだが、この肉はどこか「ほっとする」一方で、食べ応えも感じる。
ロースの方は、割と筋繊維が若干解れかかっているところに、スープが入り込み、染み込んでいる。肉本来の味わいとスープのエッセンスが化学反応を起こし、奥歯でじゅわりと甘噛みすると、旨味汁がスポンジを押しつぶすように、辺り一面に染み出す染み出す・・・・。さらに、バラ肉ロールは少々小振りには見えるものの、実に薄味系で肉味を保った良質さを感じます。白身油も、筋肉部位も・・・・。ここは、素直に程よい塩気に凌駕されてしまっていいのではないでしゅうか?
<淡いコリコリ系フレッシュメンマは、一定の品質感>
最後に淡いコリコリメンマ。熟練の自家製メンマ!というのと比較しては可愛そうだが、丼全体の雰囲気からすると、レベル感としてはいい感じ。出しゃばりすぎてもいけないが、ある程度のコリコリ感をキープしている感じ。味わいもフレッシュで個人的には好みなたタイプ。そして海苔。見た目には地味だが、大きさを感じる以上にとても風味を感じる良質さを感じます。ホウレンソウ、薬味の白髪葱とカイワレもそこはかとない、良い仕事ぶりをしているし・・・・なかなか見た目以上に繊細な一杯かもしれない。
総じまして、「日本橋らしい大人のハイセンス感じる支那そば」という感覚かな・・・・。支那そば自体、さらっと食える大衆的気軽さから、ぴっちりとした切れ味感じる崇高な逸品系まで幅広いと思うけど、良い酒と良い麺と良い雰囲気で楽しみたいという感覚でなら、なかなか楽しめるお店とその一杯。これは、大人の女性同伴でもイケるラーメン店という感じが、いかにも土地柄に合っていると思えます。日頃、新橋・浜松町・・・はたまた、中央線界隈で飲んだくれている私とは、無縁なのかも:苦笑。なので詠います!
しっぽりと
JAZZYな夜の
日本橋
やはりここでは
大人の流儀か・・・
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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