2013年が暮れようとしています。今年あったこと・・・語り尽くせませんね〜。きっと忘れられない年になりましょう。今年を表す、清水寺の重職の一文字は「輪」だったか。私にとっては、「難」な一年でありました。生活にも彩りが少なかったかな・・・。しかし、このまま一年を終えたくないですな・・・・日にちが残り少ないですが。
・・・などと考えながら、しかしソラノイロで・・・「新福菜館」オマージュな一杯が頂けるとは、これは予想外を越えて感動と受け止めてしまいました。京都人としては、大東京の人気ブランドでこれを頂けるというのは、実に魂の叫びなのであります。京都ブランド丸出しで提供しているわけではないのですが、あの大衆的な一杯に価値を見出してくれたあたりは、嬉しい。ひいきめな感想も許していただきたい。
【スープ:ある意味・・・馬子にも衣装。京都イメージのじっとり醤油ダレが・・・東京ではクリアリー!】
<上品な京都・新福菜館!じっとり醤油コクが、ここでは mellow なニュアンス!>
とは言え・・・誠に上品な新福菜館系ですな(笑)。わざわざ、場違いなほどに大衆系な丼で演出している割に、実に上品な仕上がりではありませぬか。本場京都では、後から喉が渇こうと、じっとりとしたカエシの塩気で食わせて満足感のバロメーターとする一杯。それにしても、塩辛くないのが醤油の醸造感の助けなのですが、このところは、ソラノイロらしい・・・コンテンポラリーな仕上がりをしております。JAZZが、南部と東海岸で違うように・・・・同じジャンルでもこうも違うか。まさにmellowな雰囲気を醸し出すのです。
醤油加減と塩っぽさは、実によく特徴をとらえております。まさに塩がマットな感覚。それでも尖った感じがしないのが、豚のコクのおかげか? 魚介などお構いなしなところが、今更ながらいかにも関西の一杯らしいと思えてなりません。後味に酸味を仄かに残す。その微かさがまた食欲をそそるか! こう書くと後から「酸っぱくなかったぞ!」とよく指摘を受けるのですが、・・・・・・後味に過ぎない部分でありまして・・・・、ご理解いただきたい。
<クリアなスープなれど豚肉の十分な煮出しを感じる!>
リアルな新福菜館は、もう少し濁り感があるのです。豚肉のエキスがもう少し表に出ており、そういうところが大衆的に感じるのであります。そして、化調と結合しガッツリと食わすのです。それと比べると、こちらの一杯はすごくクリアーな仕上がりでして、やはり東京の人気店のテクニックを感じるところですな。
醤油感が全面に出ていながら、見た目がクリア。豚の濁り度合が非常に少ないので薄コクと思いきや、結構しっかりとエキスを煮出しております。豚クンご苦労様です。脂身の旨さも光りますが、やはり赤身の旨みが滲み出ているような感覚。肉の力を感じる部分です。この醤油ダレと豚エキスで炒めた黒いチャーハンが有名だったと・・・やはり新福菜館を思い出す。昔と今、京都と東京を意識が行ったり来たりしながら、スープを飲み干す・・・。
【麺:クシリとした切れ味と、クニリとしたすり潰し感・・・西の有名製麺所、郷土愛を感じてしまう(泣)】
<故郷のカリスマ麺!潰しこみの高さと、クニリとした食感が相変わらずナイス!>
「麺屋 棣鄂」。関西でこの名を知らない麺通はおりませぬ・・・西では有名な製麺所。このロゴがある暖簾が、関西ではどこか誇らしげであります。久しぶりに意識して食う棣鄂麺。いや〜、相変わらずクッシリというより、クニリ〜とした感覚がナイスですね〜。麺の密度が高いストレート麺でして、粉感を感じるほどでもないながら、固い熟成度を感じます。茹で上げがタイミングよく、軽いアルデンテ感が楽しい。全体で反発するというより、芯の部分をちょっと感じさせつつも・・・クニリと断層的に感じさせる歯応えなのです。かん水の度合も控えめで実は色も白っぽい。でも実際は黄色く映るのはタレのせいだ。
<汁を吸うタイプなので、醤油に染まって光る!滑りもしなやかに変化>
基本的に汁を吸いやすいタイプなのだな。なので濃厚なカエシブラウンなサラサラスープを吸い込みやすく、染まって褐色に目に映るのかもしれません。それが黄色く感じることもあるのですが、黄色い麺ではないナチュラルさがいい感じであります。そこたまた、スベリにおいてもしなやか〜に感じる。丸い断面できめ細かい地肌が舌に絡みつくようでいい感じ。
【具:薄切りミルフィーユなチャーシュー!こいつも汁をバクバク吸い込んで旨し!】
京都ラーメンの特徴は、薄切りチャーシューのてんこ盛り。やや抑えめな盛り方であり、やはり関東のお客を意識してか、一部分ブロック状の肉も載せているという展開です。スカスカな肉なのですが、スカスカゆえにスープの吸い込みを誘う。旨みの逆輸入というか、スープの為に放出した旨みが、醤油味を引き連れて戻ってきた感覚が実に付加価値を生み出す旨さですな・・・。盛り方も上品なのですが、そこはソラノイロの流儀といったところか。とはいえ、よくソラノイロ風に表現してくれました。名称が「肉ソバ」というところが、新福菜館とはぴんと結びつくところはないのですが、いやはや・・・久しぶりにいい思いさせてもらいましたよ。この肉で。
総じまして、「東京でまた凹んだときは、これを食いに来るだろう」と確信いたします。我が青春の濃い口醤油ラーメン。また近いうちにでも。
思えば、関西の会社に入って、そこで関西LOVEな人生もあったわけです。なれど、なんでか東京の会社に入ったのは、麹町の某テレビ局のクイズ番組がきっかけでありました。食ってから、散歩がてらに市ヶ谷方向に歩を進めますと、そこにはなつかしのテレビ局。・・・実物の留さんオーラは凄かった(笑)。グァム島で落選したけど、あのとき「東京ってオモロい!」と強烈に感じて、片っ端から東京本社の会社を受けまくった学生時代。マスコミどころか、金融も縁がなく、しがない会社に紛れ込んだのだけど、それが、今になって関西のラーメンに涙するなんて・・・・虫が良すぎるなと自嘲します。なぜか、自分の原点を感じたこの一杯。今年の正月は、地元に帰って新福菜館目指そうかしらん・・・・。なので詠います。
帰省前
故郷の味を
舌鼓
すでに心は
西500キロ
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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