制覇欲。ないようで実は相当あるのです、私という俗物は・・・・。でも小心者なので、何を制覇したいかというと、荻窪ラーメンは密かに制覇したいと感じているのです(言ってしまったー)。でもせめて全部はしんどくとも、ツボな店はせめて押さえたい。だけど一店舗だけ叶わない店がありまして、そこがこの「丸信」さん。東京の西エリアでポツポツとみる「丸信」暖簾の源流らしいのです。これまで、10回以上・・・土曜日の午前11時に前を通ったりするのだけど、いつもシャッターが締まっていて開店する気配がない・・・・。私にとって本当に、営業しているのか不思議な店でありました。休みのある日・・・荻窪の名湯(笑)「なごみの湯」から出て来て散歩してたら営業しとるから、思わず入店して食いました。おかげで・・・・晩飯の食が進まず、嫁さんに不思議がられました。隠し事はいけませんな・・・・。
【スープ:実にクラシカルな味わい・・・滋味で噛みしめる旨味】
<豚肉&鶏ガラの滋味が昔ながらという感覚で広がる>
配膳の瞬間は、おお?永福町系?と思えるほどに大きめな丼の印象が支配します。目眩するほどでないサイズ。でもこれだけで、お得感を感じたり、昭和の良き時代にはウケたのだろうなと推察します。そして麺顔は・・・チャーシュー、メンマ、海苔という三兄弟。とくに海苔は申し訳程度の淡い存在感が、またポリシーにも感じたりする。
スープは、教科書のような醤油ブラウンで、いわゆる荻窪ラーメンというイメージ通りのやや深い色合い。そこには醤油の醸造的な酸味とか塩気とかは、あまり感じません。醤油は旨味のバックアップに回っている感覚でむしろ出汁の旨味に溶け込む感じ。そしてその旨味の主なものは・・・・私的には、鶏ガラを感じる。そして次に魚介という展開かな。
さてこの豚肉と鶏ガラの味わいですが、最近のラーメンのような色気とか濃厚さとはまた別もので、敢えて表現するとシンプルな味わい。されどそれが滋味という感覚でして、素朴のようでもあり、質実のようでもあり、当たり前の格好良さを感じる。流行を追わないポリシーってのがかっこええと思えるのとどこか似ていると感じますがいかがでしょうか、地元のファンの皆様からすると・・・・。
<後を追う魚介の風合いという感覚、基本型というやつか>
この全体的な落ち着き感は、やはり魚介の後味を感じるところもあるのです。節とか昆布もあるのでしょうが、軽甘い小魚系をふわりと感じる。しかも相当軽く感じる。煮干というとどこか濃いイメージがあるので、小魚系と表現させていただきます(全く同じようなもんだけど)。しかし、これは胡椒などの影響をウケやすい味わいだな・・・・。胡椒を振りかけるのが筋なのだろうか。酢と七味もあるけど、これは「つけそば」用の薬味でしょうな・・・・。胡椒を誘う滋味な味わい。後半トライすべきだったなと・・・・反省。
【麺:昔ながらのツルツル&クチュリとした残像を残す】
<多加水でツルツルストレート麺!実はちょっとボリューミィー!>
実に品のよい白みがかった黄色い小麦色の麺ですが、見るからに多加水。地肌の光沢が、いかにも「つるつる」という表現を誘います。上品と言いたいところだったのですが、丼が大きいことから当然ながら、麺の量もちょいと多い! 麺の大盛りが+120円ということで「+20円」というところが、待つ間少し引っかかっていたのだけど、デフォルトがこのボリューム基準となると大盛りの原価割合も響くのでありましょう。さてそのスベリは、見た目通りにツルツルとすべります!特別な麺でない「気楽さ」がある一方、怠惰な「安っぽさ」がない。身近でしっとりとした表情とそのすべりの感覚が嬉しい。
<麺密度感は低めでスパスパっと切れ込みクチリと潰れる>
あまり密度感とか、小麦の風合いというのでアピールする麺ではないです。そういうところもどこかクラシカル。スベリの良さとモチモチ度合いが分かりやすいのかも。個人的には、前歯の千切りがスパスパと気持ちよく、奥歯でのすり潰しの初期段階で「クチリ!」と面白いほどに潰れるのが快感。柔麺とはいっても、きっちりとした柔麺という感覚があるのだけど・・・・。
【具:肉はあっさり、メンマはしっかり】
<かなり大ぶりなチャーシューは、うっすら醤油ダレ味で解れる感覚>
繰り返しますが、丼がそこそこ大きいことを鑑みると、この肉の面積が想像できると思います。かなりの大ぶりです。しかも、周囲に薄く一輪染み込んでいる醤油ダレがはっきりと視認できます。これは香ばしそうだとパクつくと・・・・意外にもあっさり味。塩気も控えめでオッサン的には体が喜んでいるのだが、肉の味わいを噛みしめろと指導をうえたような感覚です。旨し・・・・・。ややスポンジっぽい肉が、筋繊維の分かれ目で解れます。醤油ダレも感じますが、肉!って感覚を味わいたい。
<東京らしい深い醤油味わいのメンマ>
このメンマは、私のような関西オリジンな東京在住人にとっては「いかにも関東風」と感じさせます。この「お醤油色」が上京したてのころは抵抗があったのです。今では好きなのだから、我ながらチャラいオッサンだこと・・・・。クニャリとした歯応えが強い方で、噛みしめると淡い酸味が広がる。それもほんのりと・・・・。これは醤油の酸味と、メンマの生成自体からくる酸味と混じった感覚だな・・・。醤油スープに混じると、ほどよく風味が増すし、スープにもどこか影響を与えそうだ・・・・。
総じまして、「営業時間次第では通いたい」と思える一杯ですな・・・・。
何だろう・・・・熟女系なものがウケるこの時代でありますが、品のいい・・・・昭和の映画によく出て来る女優みたいな感覚(もはや、何を言っているのは全然本人もわからん)。ラー本とかランキングとかに乱されたくない古風な一杯なのかもしれませんな。そんな・・・・中華そば界の源流の一杯!なので詠います!
荻窪の
昭和レトロを
受け継がん
重ねる年月
ストップモーション
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!!
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