ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1342】 澤神 (東京・新中野) つけ麺・並

 人事異動。変化に対応していかなければね・・・と心の準備をしながらも、まだどこか落ち着かないといった心境で過ごした、ここ一週間であります。元々、専門領域を旨とする職種であったのだけれども、長年それをやり続けるとどうも型にはまった仕事しかできなくなるよう・・・・。そんなの他から指摘されるまでもなく分かっていたのだけど。この一年半で3回も仕事が変わるのは、見込まれているというより、使いやすく、こき使いやすい性分なのだろうと我の置かれた立場にただ苦笑するのみです。でも、言えることは・・・とても良い機会であったということ。これから社会人の第四コーナーにさしかかるにあたり、これまでの既定路線では埒が明かなかったのは事実だし。これほど一つの会社でいろいろなことを体験させられるというのも、振り返ればオモロいのであります。


 ・・・などと考えてはみたもののやはり腹が減る。つらつらと考えるうちに、ずーっと訪問を宿題にしていた店を思い出す。豚魚の気になる店・・・「澤神」さん。ラーメン業界のように生き馬の目を抜くような変化が激しい世界にあって、どうも質実なる豚魚一本でコシを据えて営業し続けているらしいのです。しかも、ご店主はかわった経歴の持ち主とのことでして、とっても変化に富んだ経験の持ち主。そのお方が、定番なる豚魚をぶれることなく一本勝負ですからね・・・・。何か今の私の心境とあい通じるものを感じざるを得ません。









【店:使い尽くされながらも清潔感漂う店内】


 ガラス越しに長いカウンター全体が見えるような角地の店。入り口左には製麺部屋、右には券売機。抜けるとカウンター越しに店主のお出迎えです。真新しくもないのだけど、どこか凛とした空気感あり、調理場の清掃がきちっとしているのが伺えます。確か・・・元芸人さんだったっけ?そうとも思えない寡黙な感じが好印象です。製麺部屋もそこそこ手入れ感と清掃が行き届いている感じ。粉まみれである部分は仕方ないのだけど、道具を大切にされているという雰囲気は伝わりますね・・・。







【つけダレ:またお前か!という以前に一周回った斬新さを感じたりして・・・そんなオーソドックスさ】


<オーソドックスな豚魚にむしろ丁寧さを感じる作り込み>


 という訳で、実にちゃんと仕事さえるのだろうな〜と思いながら配膳を待ちわびましたが、いや〜お盆にのっかっているだけで背筋がただされますな。逆に食べにくかったりするが(笑)、こういう型にハマった折り目正しさってのは好きですよ。てな感じで改めてマジマジと麺顔を眺めるのですが、そのつけダレは、「またおま(また、お前か!?)系」の王道たる、豚骨魚介ですね。知ってて訪問しているのだけど、教科書通りの仕上がり具合でむしろ好印象。教科書通り・・・・面白みに欠けるといより、お手本のような仕上がり感とお伝えしたい。


 まずそのつけダレですが、魚介と醤油ダレからくるっぽい深いブラウンがまず王道。味わうと、柚子のような変化球もなく、直球とおもわれるほどに魚介の甘みが広がります。されどその甘みも落ち着きがあって、パンチを誘うとまではいかない。粘度も抑え気味でありつつ、サラサラ系とまではあっさりとしていない。超濃厚でもない。程々感が実に安寧を与えます。


 薄味でもなく、一味のぴりっとしたエッジングもあり、カエシの味わいもあり。薬味ねぎのフレッシュさも濃い味を引き立てる。モミジのようなへばりつき感もなく、ナチュラルなコラーゲン感。これは食べ慣れた人であったら人によっては「オーソドックスすぎる!」と感じるかもですかな。それでも、欠点がないというか、減点を感じるところがない完成度を感じます。





<むしろフィッシュパウダーっぽくないところが洗練と映る>


 豚骨の煮出しがすっきりとしているのだろうと推察します。そこそこ胃に満足感を与える重さもあるのに、さらりと食わせる感覚。一歩の魚介も粉々しておらず、ざらつきを感じさせない。そういうところが「洗練」と感じさせます。細かい泡立ちもあって旨そうですし、魚介の欠片も見当たらず、濾した感覚があって、舌触りも非常に滑らか。ただ一つだけ難を言えば・・・・、タレの量かな。後半少し足らなくなってしまって、スープ割りができるかどうか・・・きわどかったりした(笑)。麺をドッブリと沈め込む関西スタイルな食い方しとりますのでね(笑)。








【麺:れっきとしたハードスペック太麺!ひさしぶりに思い出しましたよ・・・つけ麺デビューのころを】


<ひさしぶりのちゃんとした低加水太麺を食ったという満足感>


 何が一番心に響いたかというと、明らかに麺!自家製麺らしく、店先の製麺機が誇らしげであります。粉が充満して製麺質って物で溢れているのが通常なのだけど、どこか整理整頓がきちんとしている印象をあたえます。さてその麺ですが、実にクッシリとした歯ごたえで、外固でもなく、芯を感じるわけでもなく。それでも全体的にハードなクッシリさを与えるのでありまして、実に食べ応えがある。それに風味もよく、熟成度合いの風合いも伺えます。いわゆる潰し込みも非常に効いているのでありまして、一本だけ何もつけづに試し食いするはずが、2本目、3本目と箸が無意識に進んでしまうではありませんか。前歯の差し込み時点でクッシリ!奥歯ですり潰して更にクッシリ!久々にちゃんとしたハードスペック麺を食いました・・・という満足度を与えます。





<強い腰つきなのにのどのつっかえも無くスルスル〜とすべる>


 これだけハッキリとしたクッシリ麺なので、喉のつっかえが気になるところですが、意外にも光沢感ある表面で、つるつると滑る。喉でもスルスル〜っと駆け抜けます。全体的にストレートであり、さらに捩れも少ないことから、のど越しのシルエットも鮮やかという感覚。なかなかやりますこの太麺!


 さて並で確か250gであったかと。個人的には、300gが一番個人的には腹持ちがいい分量なので、通常なら少し物足りないと思えるのですが、今回にいたっては、丁度腹八分目以上で大満足という感覚。想像以上にハードで麺密度が高いのでしょうか。いつまで経っても、お腹がふくれて大満足状態が続きます。







【具:もはやお作法ですな・・・定番なスープ割りにしみじみと安らぐ】


<こちらもオーソドックスなブロックチャーシュー!解けるほどに柔らかく>


 チャーシューに至っても実にオーソドックスな上質感。ブロックタイプに切り刻まれたロース肉でして、醤油だれと魚介の味わいが深く染み込み香ばしい。酒より白飯に合うといった味付けと仕上がりのタイプです。赤身部分も脂のサシがはいっているかのようにジューシーでしたし、スポンジのように柔らかい抵抗感で崩れ落ちます。




 さて・・・何か麺顔が寂しいかと思えばそれは海苔かな・・。一枚でいいから四角いあれが麺顔を主張してほしいとは思う。されどこの一品には伏兵がおりまして、それは「澤神キャベツ」なる浅漬け。麺のトッピングにのっております。当初は、単なる生キャベツかと思え、つけダレでバリバリと食うのだろうなと思っていたけど、程よい酸味に浸っておりましてこれがまた旨し!とてもいい箸休めになります。なるほど・・・海苔がなくても満足感あたえるわけね。評価の手のひら返し。



<〆はやっぱり・・・カツオ出汁だよね!>


 これまで、何百杯と食い続けた豚魚のスープ割りと同じ。極めてオーソドックスなれど、これに勝る組み合わせはないと思われるカツオ出汁で〆ます。残りすくないタレ量だったため、器の四分の一にも満たないスープ割りだったけど(笑)、この少しだけでもいいから「スープ割り」をしないとやはり締まらないよねと改めて思います。ナイスな締めくくりでした!









 総じまして、「また来たいな」と思わせてくれます。


 豚魚の質実さは折り紙付きと思えますし、仕事がきっちりしているだけでも再訪問の価値ありかと。できれな汁系も提供していただきたいのですが、カレーまぜそばという変わり種も実は実力ありそうですし興味はつきない。変化させるところと、守り抜くところをきちっと分けたような全体感に共感を覚えます。なので詠います!



   質実と
   折り目正しく
   生真面目で


   清く正しく
   しっかり生きたい


 
 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!!



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