ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1328】 中華そば 高はし (東京・飯田橋) 雲呑麺

 多忙な毎日が続くなか、エアポケットのような夜がありまして、少しでも前倒して仕事をしようと頑張る気でおりました。なんだけど、奇麗な夜空を眺めてみれば・・・一晩くらい早めに退社してもバチはあたらないだろうという誘惑に負けてしまいました。こういう時に限って、嫁に電話すると実家で晩ご飯食べてるとのこと。本当に間抜けな私・・・。まあ、無理してこの日だけはラーメン食うこともないなと思っていただけに、今更ラーメンに気分を切り替えるにしても遠出はしたくない。なので、通勤経路の中央・総武線の範疇で駅から近いという条件で、適当に探ってこちらを発見。それが「中華そば・高はし」さん。最初発見したときは、赤羽か?と思ったのだけど、別の店だったのね・・・・。


 ・・・・などと考えながら、それにしてもこんな場所にラーメン店ってあるっけ??と思える地図アプリの表示。疑心暗鬼になりつつも辿っていきますと、ちゃんとありました。数軒の飲食店が肩を寄せ合うかのように、ひっそりと営業しているのが実に渋いね〜。飯田橋の光と陰という感覚です。カウンターだけのお店。入店すると座る席を店の奥さんに指定されてしまいます。鞄が邪魔だろうということで、預けろとのことで従います。さてさて何を食おうかと壁にあるメニューを見やると・・・・何の考えもなく「雲呑麺」と答えてしまった(笑)。はっきり言って950円は高い・・・・・、でもなぜか口を突いてでたのだ。これも食い物との不思議な縁だろうと割り切り、待つことに。しかし・・・・この店はいいね〜。調理人と客の距離感がええ感じ。近すぎず、至近距離な感覚もあり、ご店主の仕事ぶりが空気感としてビンビンとつたわりますぜ。









【スープ:さっぱりしていながら、濃ゆい豚コラーゲンをゆったりと感じる感覚】


<まるで豚コクだけの一本勝負のような透明感!ナチュラルさ満点!>


 配膳の瞬間を迎える前から・・・今日は来てよかったなと思えるこの雰囲気。なかなか玄人好みな店内の雰囲気というか、この一杯のオーラというものを感じます。支那そばならではの、少し大ぶりで深い丼。そこになみなみと注がれるスープの半濁りな黄金色が、調理の最中から確認できるため。スープの入った寸胴は、カウンター寄りの角のコーナーに配置されていて、客先目線で豚の脂がことこと煮出しを受けているのがよく分かります。寸胴の中で網で左右に大きく仕切られていて、柄杓で救い上げるスープがほんのりと揺らめいて見えるのが・・・・食う前から実にうまそうに思えてならないのです。配膳されると、これがまたゆったりとした落ち着いたスープでして、見るからにコクが濃いというのが分かる。表層にラードがかった揺らめきがいい感じですし、しかもナチュラル。脂の揺らめきがペイズリーのようにゆったりとうごめきまして、レンゲで救い上げるたびに、多めの葱微塵が枯れ葉のように舞い踊ります。


 味わうと豚コクが濃いのにナチュラルです。クドくありません。そして非常に熱くて熱を蓄積するタイプのスープです。醤油の味わいはあまりせず、分類さえ醤油か塩かで迷うほどの淡い輪郭。それでも味が薄いとか感じさせませんね〜。豚コラーゲン自体が味わい深いという感覚で、まさにエキスが胃袋に染み渡る。大衆的な味わいに透明感ある崇高さもかいま見せるようなスープ感。メンマの味わいが後から楽しみにも思える。




<塩加減を意識させないほどに円やかな塩気!>


 醤油感が薄いこのスープですが、塩気については実にバランスを感じる・・・。塩気が立たないスッキリスープ。むしろ、塩気がコラーゲンにより覆い尽くされているような感覚で、丸い塩気と感じる。豚コク自体に塩気が含まれていて、それを絞り出しただけのような錯覚を受ける。


 また、魚介の感覚はあまり表に出てこないのが逆に印象的で、動物系のうまコクに集中できるというものだけど、本当な味の下支えになっているのかもしれない・・・・。しかし、もしも魚介の中で、小魚系か節系のどちらかが入っているとすれば、後者のような感覚。ふんわりといより、じっとりとした感覚なので、魚介の風味感が薄いと感じる。むしろ動物一辺倒のように思える。









【麺:スープによくマッチした支那そば系の質実なる麺】


支那そば風貌の上品さ!ピントが合ったアルデンテ越えの感覚>


 麺釜でゆったりと泳がし、そして平ザルでさささっとすくいとるというスタイル。実に好みなタイプでして、キッチンタイマーなどと言う利器は使わず、職人の感だけでタイミングを見極めるというところに、真剣勝負たる清々しさと凛々しさを感じますな。事実、茹で上げのコントロールが絶品でありました。


 基本的には細麺ストレートで、やや捩れが全体的にあるタイプ。支那そばたる風貌でありまして、細かい万能葱微塵と実にコントラスト的に感じる美しさがあります。配膳の瞬間は表層一枚の半透明なヌメリ層が微かにあったのですが、あっという間に熱により消えていきます。噛み心地としては、前歯の辺りがソフティーでして、さっと切れ込むかと思うとスパスパと千切れていく。奥歯の処理としては、モチモチというより、シコシコと感じるタイプでふわっとした麺のグルテンに含まれる風合いを感じるかも・・・・。強麺とは対局的にあり、崇高な感覚も持ち合わせるような感覚。それでいて、大衆的な馴染み深さがあり、オッサンを魅了しますな。




<きめ細かい地肌でスベリもスムース!いつまでも啜っていたい!>


 きめ細かい地肌と、コラーゲン感たっぷりのスープでありまして、スベリは格別であります。気持ちよいスベリ感のため飽きが来ないのです。まさしくどこまでも啜っていたい・・・。いつものように、ずぼぼぼーーっと啜っていてもどこか上品(うそです、私が上品という解釈は)。葱を貼付けた部分でさえ、歯ごたえのアクセントが柔らかい。


 さて熱々のスープなので、後半そこそこの影響が麺自身にも出るのだが、しなやかさが、よりしなやかになるという感覚で、残念感がない。汁の吸い込みも過多な感じもなく、また繰り返すが実にナチュラルに思える。スープとの一体感もマッチしていて、スープの持ち上げも非常によく、これにより麺自体もうまく感じるとい好循環。







【具:どれも手抜きなし!耳たぶ雲呑も食べ応えありで上質!】


<耳たぶみたいな雲呑が実にスープにも馴染む>


 雲呑の形状が独特でして、親指の腹で押し潰したような形状。また皮(わんたん)自体が薄いため、肉餡が透けて見えて茶褐色に見える。このため、形状以上に耳たぶみたいに思えてならない。耳たぶの裏側は、皮が絞られていて重なっており、この部分だけを食べるのもまた醍醐味というもの。


 ちなみに肉は鶏と豚の合挽きといった感覚で、肉自体に重みがなくスルスルと食えるタイプ。味付け的には少し醤油味を隠し味として感じる程度で肉味主体。ここに分かるか分からない程度に生姜の風味があったような、無かったようなの微妙な雰囲気。確か5個くらい入っていたか・・・・。分量的にも納得感ありまして、とてもうまく感じました。ちなみに、私を含め先客と後客の注文比率は、雲呑麺が圧倒的で、半数以上の客はこれを注文していたという人気ぶり、定番ぶりなメニューであります。





<バラ肉ロールチャーシューが実に大判!柔らか!>


 バラ肉ロールチャーシューでして、まさに定番であり実力派であります。なのでデフォルトの中華そばを食っても残念感どころか、相当満足感あると思えてならない・・・・。非常に大判でして、美しい関東ローム層が奇麗に褶曲している見栄えがいいね。箸でつまむとたちまち解けて、スープに沈んでいきますが、ここから破片をサルベージして、麺に巻き付けて食いますと実に旨し!スープのコラーゲンと、チャーシューの脂身がダブルで旨味が重なり合います。味付けもうすめでして、醤油ダレの浸透は非常に少ない。されど自然な塩加減はほんのりと効いているという好きな味わいでもあり、この点で、チャーシュー麺でもかなり期待できるのではと思えてならない・・・・。



<古風とも思えるコリコリ系の醤油深めな味付け>


 あ、関東だな!と思える醤油味の深く染み込んだメンマです。短冊切りタイプでして、歯ごたえもコリコリとているところと、ややクニャリとした部分の両方の表情を持ちあわせるタイプです。上京したてのころ、このメンマカラーに少々びっくりした関西人でありましたが、ようやく今では、食い続けてきたこともあり、こういうタイプも好き好んで食うようになりました。スープに浸すとまた別の味わいになって旨し。ひょっとして、スープへもこの醤油フレーバーを少し映して貢献しているかもです。







 総じまして、正直申し上げて・・・・訪問するまではそれほど期待をしていなかっただけに、ちょっと度はまりな一杯に遭遇して、プチハイテンションのまま一気に平らげてしまったという顛末。こちらは、常連さんをしっかりとつかんでいる感覚があり、夜も遅めであっても、そこそこ席が埋まりつつよい客回転であります。また食い慣れているんだろうな〜っと思える雰囲気をダレもが持っているような余裕感。遅まきながら、ちょっとお仲間に入れてくださいな・・・という若葉マーク気分で、初心に帰って堪能させていただきましたわ!今後ともよろしゅ〜ぅ・・・・。なので詠います!



   質実な
   豚のエキスに
   魅了され


   染み入るコクの
   美しきかな



 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした。





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