渋谷、代官山、中目黒、祐天寺、学芸大学・・・・、昔むかし・・・関西から上京したてでこの当たりを根城としていたのです。いやはや・・・・楽しかった!週末、屋上から見る東京タワーの姿を見ながらビールをしこたまあおってた。当時は「ハートカクテル」というのが流行っていてね、東京都心の生活にすっかり魂を売った関西人だったのですよ。なのでこのころを境に、随分と関西弁が自分から消えて行ったような気がします。最近、外出が増えていろいろな方とお話するようになって、出身が関西だという話になると、関西弁、関西らしさが全く出ませんねと驚かれることがあります。この頃に今の私が形成されはじめたのかもしれません。
・・・などと考えつつも、中目黒は今でも飯を食ったり飲んだりする街としては、当時とあまり変わっていないような気がする。そんな一角に「春木屋」がある。・・・・最近まで知らんかったわ。
【スープ:まさに胃袋に優しい!煮干し抑えで鶏コクが映える!】
まず配膳の瞬間ですが、丼の使い古された感覚が非常に出ておりまして、むしろ好印象!何の変哲もない一杯なのにむしろ風格すら感じる。この一杯だけが昭和の世界から抜け出て来たかのよう。店内はどちらかというと、中目黒っぽい洗練も感じますので、ギャップが面白いですね。
スープの色合いは、落ち着いた醤油カラー。煮干しの色気やラード系の艶強化なエッセンスは、あまり感じません。むしろ香味油が落ち着いた色合い・風合いを演出しているかのよう。そんなハードルの低そうなのがかえって良かったのか、一口目から、意外なあっさりさに魅了されまくりであります。
煮干しの春木屋!その方程式が崩れそう!鶏メインで十分イケてるやん!と心で叫びます。塩気の輪郭がとても淡くてスルスルゴクゴクの一気に飲み干せそう。しかも、醤油の存在も味わいの構成としては、奥ゆかしさすら覚える。もやしを噛む瞬間に、もやしのエキスに甘みを感じるほどに穏やかな優しいエッジング。それでいて、鶏ガラの旨味は十分煮出されておりまして、薄味ゆえの頼りないといったところがない。まさしく、ワシ好みな味わいです〜。
【麺:細強縮れがトラディショナル!加水も抑え目でクツリ!な歯ごたえ】
この麺もまた「昔ながら」感を非常に良く演出していると思えます。最近食った中では、一二を争う白い地肌。そして縮れの強さです。それは、加水が少し抑えめなためか、風味感を感じながら、クツリを小気味良い歯応えを楽しませてくれる。
汁をばくばくと吸い込みそうでいて、それほどでもなく、最後までクツリとした歯応えが持続。スベリよりも抵抗感を楽しみたい麺。何と無くそういう個性全部がトラディショナルと感じてしまうけど、故郷の京都ラーメンとは別物。記憶にないのに懐かしさが残る麺
【具:当たり前過ぎる肉とメンマがトレードマーク】
ここにある具も、実に当たり前すぎてカッコいい。まずチャーシュー。ロース肉が小さめで2枚。昔のチャーシューというのは、こういう程度だったのかもしれない。これで有り難みを知ったものだったのかもしれない。歯応え適度に、噛み締めると肉味とスープを吸った部分の交わったところが旨味であったように思える。
そしてモヤシ。そうそう・・・昔はなんでも具はちょこっと乗っただけだったような気がする。麺とスープを味わうものでした。少しばかりのシャキシャキした感覚が、麺の歯応えとコントラストを成してうれしかったものだ。さらに、メンマ。これは店固有のポリシーを感じるところだ。深く醤油にそまったそれらは、辛そうに見えて実はそうでもない。その分、コリコリした楽しさが強調されてはいるが。
総じまして、平成の年号のまだ若き頃、この当たりに住み始めたころが非常に懐かしく、またこういう昔ながらの一杯を食ったことで、なおさら懐かしく思った夜でした。あのころは・・・・、すぐに会社を辞めて本当に好きなことを仕事にしようとしていた・・・若気の至りが過ぎたころ。今の毎日は、それはそれで大変過ぎる。けれども・・・仲間には恵まれていると本当に思えてならない。大変だけど辞めないのは年齢的なこともあるのかは除外しても、その当時は、満たされていたようで何かが満たされていなかったのだろうね。などと思いながら、昔ながらの一杯で、お腹は満たされてしまったのでありました。なので詠います!
懐かしき
上京したてで
住んだ街
昔中華で
在りし日回想
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!
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