ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1148】 かおたんラーメン えんとつ屋 南青山店 (東京・南青山) ラーメン 〜チャーシューつけダレに本番中国の調味料チラリ

 屋台のラーメンって本当に長年食っていない。私がまだ京都の小学校低学年だったころ、親父の軽自動車で深夜に家族4人でわざわざ、屋台ラーメンをよく食いに行ったっけ。深夜にラーメン食べに行こう!という日の晩飯は、非常に軽めなメニューに絞ったんだっけな・・・。今考えるととても変な家族であります。まだ「天下一品」が世に出る前の京都での思い出。その後、京都北白川の天下一品に方向転換するのだけど、それまでは、ずーっと京都四条大宮に出て来る屋台ラーメンが、我が家のお気に入りだったのです。


 何がそんなに惹き付けたのか・・・・。味がメインだったのだが、やはりあの雰囲気「屋台」が特別な味わいだったのかもしれない。当時まだ私は小さい子供だったので、長椅子に腰掛けて丼を片手に持って麺をすするということは出来なかった。大人が腰掛ける長椅子をテーブル代わりに、しゃがんでラーメンを食ったのだった。お袋と私で分け合ったっけな・・・・。やはり、ラーメンというのは、雰囲気というエッセンもまた味わいなのかもしれません。だから、私は大衆懐古系の中華そばが好きなのでしょうな・・・・。



 ・・・・などと考えながら、今回突撃したこの店の中が興味が尽きないのだ。なので少し冒頭で「店」についてレビューいたします。







【店舗(今回だけ特別):どこか反則的なニュアンスがぷんぷんする逆オーラを青山墓地で垂れ流すラーメン店】


 まずロケーションと店の建て付けだけで笑える。そういうの本当好き。京都での子供時代の思い出の他に、そのカテゴリーなら千葉の山奥にもあると聞きます。昔の思い出を追うかのように、関西転勤時代にもそうとうそういうの求めて探検したこともありまして、結構変人ぶりを自負ます。印象深いところとしては・・・・・京都桂にある坦々麺、淀川近くの八幡にある・・・「ぴっかり」した食堂。モンゴルのゲルかい!とつっこみたくなるような・・・羽曳野の店。恐らく日本中には数限りなくあることでしょうね、そういうラーメン店。ところが、今回は大東京の南青山でなんで!?っと突っ込みたくなるような・・・非常に風情のある怪しげな店がたまらないのです。


 壁がベニヤ板やん!・・・とか、
 天井に大昔の室内電線丸出しやがな!・・・とか、
 おいおい、これ一応座敷席かいな!・・・とか、
 一応、中国福建省の「高級」スープという看板見出しやで!・・・とか

 ・・・・・ここ、一応南青山だよな?
 墓地に寄り添うロケーションやがな!・・・・などなど、切りがありません。


 店内に入りましても、日に焼けというより電球焼けというような感じのメニュー表。あちこちきょろきょろ店内を見渡すのが非常に楽しい!すでに味わい気分でして、こういうラーメン以外な部分もあって評価が甘いということを予め申し上げておきたい。







【スープ:日常エッセンスに工夫された芳ばしさ!店の雰囲気の後押しもあってナイス!と興奮する!】


<妙に馴染むぜ!日常生活の醤油エッジング


 店舗の奇抜さ怪しさに、その一杯にも妙な期待が高ぶりますが、配膳されたそれは、いたって普通のラーメンです。自宅からジャージとサンダル姿で喰いにいく大衆系ラーメンと同じような風貌でして、ここが南青山というイメージ意識とはかけ離れた麺顔です。見方を変えれば・・・・怪しげなる雰囲気が故に納得の品質感!とも言えましょうか・・・。実に深い醤油ブラウンが意外にも透明系でありつつ、微妙な濁りがあるところに、動物感を感じ取ります。


 もっと店内や麺顔を眺めていたい気もするが、気を取り直してスープをすするとそこには、ベースのシンプル・イズ・ビューテホー!と叫びたくなる、醤油ダレの塩っけと動物系のコクと少ーーーーしばかりのケミカルが入り交じったものを感じますやん。魚介で落ち着けさせるという手段とは違う、当たり前な日常生活の塩気をそこに感じるわけですな。


 塩っぱいのとは違いちゃんとした醤油の味わいを感じます。むしろ、THIS IS THE SOYSAUCE-BASED SOUPとも言える味わい。この塩気のチューニングは、酔った客層を少し計算したとしたら凄いと思うけど、おそらく考えてない自然体な雰囲気がええねん!いかにも日本の大衆系を具現化したような店のオーラに反して・・・中国現地の言葉が行き交う厨房。そのミスマッチ感が、実にFESTIVE! でありまして、探検心をくすぐるエッセンス満載なスープなのです!  




<オキアミのラード素揚げが非常に香ばしさで貢献!>


 この一杯の肝は、コレです!オキアミをラードか何かの油で揚げたものを仕上げにスープに振りかけたものがあります。通常なら「海老香味油」と表現してみたい気もするのだが、何となく今回は、「オキアミのラード素揚げ!」と表現したいのだよな・・・。歯応えがヌガーっぽいので、歯の治療中のアタクシにとっては、凄く気を使う歯応えなのですが、そいつから滲み出る芳ばしさと脹よかなあまさといったらもう・・・抜群でございます。費用対効果としましては、凄いものを感じまして、製造業に身を置く者なら見習わなければならないと思いますよ!


 とにかく、こいつから滲み出る以上に、オーラとも言うべき力強さで発揮する、「甘み」と「芳ばしさ」は半端ないのであります。このパワーが、この一杯のすべてを決めていると、私は感じましたよ、本当の話。フライドオニオンも入り交じっていると感じているけど、それは錯覚か・・・・。とにかく甘みと香ばしさをお楽しみいただきたい。大衆的パラメーターで。







【麺:汁を吸うから麺が生きるのかも?と再発見かもしれない(大げさ?)】


<肩肘張らない多加水ストレート!普段着感覚でスパスパと!>


 大衆系の王道のように、ちゅるちゅるな多加水柔麺でも許せる気もするのだけど、そこそこ・・・崇高までもいかない程度のゆるやかな品質が実に全体的に合っていると思う。こういう雰囲気とスープに上品しすぎる麺はかえって迷惑なのだと、ちゃんと心得ているかのごとくな大衆系。キッパリ申して、歯応えよりもスベリを重視したと感じます。なので、その割り切り感覚もあって、スパスパと小気味良く前歯だけで千切れる麺の弾力が気持ちよい!まさに普段着感覚の格好良さを感じる麺ですよ!




<汁を吸うから旨しと思える滑らかさ>


 麺に感心するとしたら、今回は「吸い込み」かなと思いました。塩気という味わいをはっきりと打ち出したスープ感ゆえに、和蕎麦にも通じる「出汁との絡み」を感じますし・・・。微妙にスープに染まった褐色が、それ自体旨そうと思えますし、加えて、コシをしなやかにもさせますし、ツルン!つるん!とした地肌にもよくマッチします。


 柔らかくなりすぎないところも良い!奥歯のすり潰しにおいても、適度な反発と沈み込みを感じますし、延び難いタイプとも言えると思います。隣の女性2人組は、私の2組前に入店していたようで、配膳もかなり早かったようですが、女性ゆえ食べるのがゆっくり・・・・。それでも、楽しそうに、旨そうに・・・・雰囲気も愉しみながら、和気あいあいと旨さを楽しんでおられました。ああ、若いっていいね!







【具:チャーシューつけダレに本番中国の調味料チラリ】


 具は、オーソドックスで一定の評価ですかな。柔らかいし、バラ肉独特のバラ肉の分厚い旨味も感じます。デフォとしては・・・サイズ感もそこそこでしょう。私のピピンと来たところとしましては、その漬け込み醤油ダレに・・・・どくとくの風合いを感じたということかな。タレの淡い淡ーーーーーい酸味は、良くあるけれど、ほんの少ーーーーーーしだけ、八角のような中国個性のエッジングを感じました。思い起こせば・・・・看板には「中国福建省の高級スープ」と書いてありますもんね。店の建て付けは、別にしてね。







 総じまして、南青山で食って来たと家族や知人に自慢できないようで・・・それでも自慢したくてたまらない一杯! 大衆系や、崇高系、ガッツリ系・・・・・いろいろ食って語りたい一杯は数あれど、こういう店箱を自慢というか、話のたねにしたいという一杯はいいね!と思う。人は旨さ以外にも、その店の空気感も味わって食っているのだなと、改めてしみじみ感じる体験でありました。なので詠います!



  怪しげさ
  これも味わい
  大衆さ


  ヒルズ見上げて
  格差を想う



 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!



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