ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1149】 徒歩徒歩亭 (東京・四谷) 支那麺・塩


 東京のど真ん中で青春を謳歌。地方出身の私にとっては夢のまた夢でありました。経済的な理由もありましたが、どこか可能性に遠慮してたしね。実は、甥っ子が四谷の大学にこの春から通うことになります。自分があこがれてた場所で学生生活をおくることに、身内ならではの興奮を覚える。良くやったと自分がまるで親であるかのように嬉しいのです。 赤ん坊だったころ本当に可愛くて抱きしめてたアイツがもうそういう年齢だわ・・・・と思うと時の経過を感じますな。ちょっとチャラいところがあって少し心配なのだが、応援してやるか。なんだかんだ言っても、親戚ってのは良いものだと感じる出来事であります。さて、そう感じながらJR四谷駅に降り立ち、夜の四谷をトボトボと闊歩するのです。


 最近、仕事が地味〜〜〜。だけど妙に疲れる〜〜〜。
 ひょっとして干されてるのか!?
 

 いやいや、仕事を自由に作れるようになっただけなんだけど・・・。企画という仕事にまだ慣れてないのだろう。そんな気分の四谷を歩いたけどなかなか良いね!。一部殺風景と感じるけど、一方で良いとろもある。一筋路地を入ると、そこには粋な小料理屋がある。江戸前の寿司屋がとても凛としていて旨そうだ。ベルギービールのバーもある。半地下の和風ダイニングがいかにもアダルトな感覚でいい感じだ。かと思えば大衆っぽい中華屋があるが、だれたオヤジはそこにはいない。ピザ屋も旨そうだ。ここなら大人のデートができそう。そんな落ち着いた静かさが寂しさと感じないから好きだね、四谷って。




 ・・・などと考えながら、なぜか前から気になっていたネーミングのラーメン屋に突き進む。ほんと・・・・トボトボと歩きながら、最後の曲がり角を曲がるとそれはあった!名前からしてもっとくたびれた雰囲気を演出している店かと思ってたけど、実はやけに明るく清潔で・・・・ハコも大きめでありました。ちゃんとした中国を感じさせる提灯もイメージとは違った。店に入ると・・・女将さんと思しき方の凛とした対応に・・・これまた虚をつかれた感じがします。思ってたよりいい店だった・・・・。ラーメンすすって「バイなら〜」っと軽く帰るより、ちゃんとした中華のつまみをとって、紹興酒でじっくりと飲みたい。そんな店だったかもしれませんな。昼間のランチタイムは普通の中華屋としても営業かな。ちょっと好みな店だったので、また来たいなと思えるのですが・・・・・。







【スープ:上品なる・・・じっとりとした塩と鶏豚コク!】


<鶏豚コクがしっとりと煮出され、塩がしっかりと染みている>


 配膳の瞬間は、麺顔の賑やかさと共に、キラキラしたコーティングが広がり、清湯系のワックス感を期待します。しかし、良く見ると少し黄色味がかったスープと気づき、ゆったりとした鶏ガラの油、そして細かい豚系の煮出しが見てとれそうな軽やかな濁り。うっ・・・・これ、なかなか旨そうじゃないかと期待が高まります。ニンマリと顔を崩しながら・・・頂きますと小声で呪文を唱えてから、まずはスープを頂く。レンゲを取り再投入して恭しく口へと運び、味わうのだが・・・・やはりビンゴ!これ好き!!と感じて武者震いを覚える。


 柔らかい魚介系の塩も好きだけど、こういう動物系のコクを塩でアクセラレートしたようなスープも好き!見た目よりも、実はしっかりとした塩味を感じるのです。とは言え、喉が後から乾きそうな塩とは一線を画しておりまして、マイルドなれどしっかりとした塩味。個人的によく使う形容としてはまさに「じっとり」としたと言えましょう。スープの粘度を言っているのではなく、サラサラなれど塩の感じ方が奥深いということで・・・。飲んだ後にもしかっかりと旨味と感じさせる塩味と言えるかもでして、博多系トンコツとは別物なれど、その塩の利かせ方にどこか共通的なものを感じてしまうのだが・・・、真偽は不明。





<どこかしら中華の印象?貝柱のごとくな旨味>


 しかし、この一杯は・・・どこかいつもの一杯とは違う個性があると感じてならない・・・。店内の雰囲気や、時間帯と場所柄もあるのか・・・中華の雰囲気もある。それも昭和的大衆系でなくちゃんとした中華の感覚。調味料に解答があるのかもしれず、ひょっとして貝柱など、魚介系の出汁成分に中華の手法が滲んでいるのかもしれない。しかし、日本のラーメンたるエッセンスは凄く感じるわけで、非常に普通に見えて面白い一杯に感じてならない・・・。トッピングのタレの影響で中華と感じるのか・・・・・、はたまた海苔と青ねぎで和風と感じるのか・・・。そういうのがないまぜになって混沌とする雰囲気がありなむ・・・・。


 そうそう!この青ネギの多さがまた嬉しいではないですか!青ネギというより、万能ねぎと言った方がよいかもで揃った小口切りがまた美しく、麺にも絡み、また食する最後半にでも漂うこのねぎのおかげで、スープを「食べる」という感覚も楽しませてくれるような気がする。ああ、旨し!







【麺:定番なる中華麺スタイルにどこか上品さを覚える】


<延圧控えめな品のある多加水細縮れ麺>


 「支那麺」と聞いて、おなじみの少し黄色みがかった細麺を予測する私でしたが、少しこの予想は外れた。それも良い方向に。写真の見映え以上に実は白く感じるのが実際のところなのです。かん水抑えめな感覚もあるような、ないような・・・・。それに多加水のようなツルツル感ある表面でスパスパっとした当たりで前歯処理するのだが、少しいつもの多加水細麺とは違う気が・・・・。モチモチとはしないで、沈み込むような反発感。いつも形容につかうテンピュール感に近いものがあるけど、少しそれより反発を感じる。それでいて、奥歯のすり潰し感覚が上品。麺の密度感というか、潰し込み、延圧が緩いという感覚。いつもは、その方向は残念感があるものだが、いやいや、今回は逆だ。品が良いとか・・・前向き評価なのだから。




<汁を前向きに吸い込みチュルリと滑る>


 しかし、今となっては本当に多加水だったかも実は不明なのであります。この麺は、どちらかというと、前向きに汁を吸い込んでいくタイプだと感じており、明らかにスープについても、麺についても、食べ始めの前半と峠を越えた後半では、味わいがどちらも微妙に変わると感じる。スープと麺がお互いの個性を出し合っている後半戦は、麺の柔らかいコシがまた楽しく感じてならないのです。ちゅるりん!とする所作が堪らん!細麺で尚かつ縮れですから、少し不規則に麺が暴れてハネ散らかしを少しだけ残す。最後の最後は、チュルリン!とした感覚だけを残して、喉奥へと落ち込んで行くのみ。そんなスベリを幾度となく繰り返し楽しむ・・・。







【具:味付けがミソなのね・・・・】


<トロトロスライスチャーシューの醤油ダレもポイント>


 肉、脂、肉、脂・・・と揃った断層が美しいバラチャーシュー。普通ならロールにして大判にしても面白そうだと感じる。だけど、この大きさも適度でよいね! ホロホロと崩れ落ちそうなまでに柔らかいチャーシューは、口に入れると瞬間に溶けてしまうというほど旨しな肉であります。

 
 しかし、醤油ダレの方に注目したい。芳ばしい焦げ目。それだけでなく、この醤油のニュアンスに中国のエッセンスを感じる。醤油自体が中国のものを使っているのか?それとも中国スパイスを使用している?その真偽は不明。そういえばスープの感じ方に少し中華を感じたのは、このタレの滲み出しを感じたからか!?・・・・と思えるのですが、駄舌ゆえに戯れ言と受け流していただきたい。 




<メンマと呼びたくない!まさに支那竹な味わい>


 チャーシューに続き・・・・このトッピングもどこか同じような印象を受ける。醤油ダレの漬け込みの中に・・・・独特の淡ーーーーい酸味が感じられ、それがよく染み込んでいて旨し。味も濃いとおもわせといて実はそれほどでもない。濃い味付けのメンマは探せばありそうだけど、漬け込み度合いが深く染み込んで中国と思わせる淡い酸味もあるため、「メンマ」ではなく、ここは敢えて「支那竹」と呼び直したい気分!旨し!





 総じまして、夜の帳がおりた東京四谷の飲屋街の一角で、気軽な中華麺を食ったオヤジの自己満足に酔うという話。それにしても、四谷界隈は、お金と時間が両方あったら、通いたいと思う旨そうな店ばかり。関西人な私にとって、四谷ってイメージが何もなかったけれど、水道橋から市ヶ谷、四谷、信濃町というあたりは、なんとなく今でも東京らしいなとウキウキする空気感があって楽しい。こんな空気感の中で大学生活を送れたらなんて実に羨ましいことだろう。昔、雑誌でしか知らなかった街で、気軽にラーメン食っている自分がいることに不思議を覚える。気分がよかったので、一杯だけ引っ掛けてこの夜は帰るのだ・・・・。ああ、また来たいな・・・・この味を求めて。なので詠います!




  とぼとぼと
  疲れ引きづり
  徒歩徒歩亭


  明るく迎える
  女将の笑顔



 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!



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