いかんいかん・・・重松清「とんび」の影響か、初めて親元を離れて上京したころを思い出す・・・。今から思うと随分とダサくて大きなボストンバッグを格好構えて、東京駅に降り立ったものであります。そこから常磐線に乗り換えて、寄宿舎に向かうのですが、丸の内と降り立った我孫子のギャップにすごく凹んだ。勢い立って上京したら、故郷と変わらぬ近郊都市の駅前風景。当時駅前付近にあったダイエーが、唯一ハンバーガーが食えた場所だった。後にそこで、工場勤務の憂さ晴らしでコーヒー飲みながらwalkmanでしきりに角松敏生を聴いてた。家族連れで賑わうドムドムのハンバーガー店で、ダサい週末を謳歌してた。貯金もないのに、柏の高島屋で高いTakeo Kikuchi のスーツをボーナスのたびに買ってたあの頃は、時間と金の無駄遣いだったけど・・・何か面白いことしてーと言ったエネルギーの充填期間であったような気がする。今はその真逆な環境のようなのに、何故だか似たような気持ちになっている・・・・。
昼飯も食えず移動中の南武線を川崎方向に向かいながら、社会人としてのスタートラインのころを思い出します。訳あって、そういうような状況になることを申し出たのですが、生活もかかっているのだから、もう最後と思って粛々と懸命にやるしかないのです。人混み少なくなった午後二時にこちらへと向かう。昔ならハンバーガー。今はラーメン。それも名店のフードコート展開第一号の麺屋一燈!
【スープ:本店コピーというにはもったいない・・・じっとりした塩ダレ感がナイス!】
<見映え以上に鶏コラーゲンをちょい感じてグッド!>
駅前大規模商業施設のフードコートに、あの名店「一燈」。何ともまあ、個人的には違和感をおぼえますが、これもまた時間の流れを感じます。行列有名店の中で拡大路線に舵を切る・・・複雑な思いが実はあったり・・・・。ま、一部のラーメンフェチだけのものではないあの旨さは、広く還元すべきなのかもしれませぬな。仕方のないことだが、接客については、この営業スタイルゆえのレベルを感じますが、本店と比べるのは酷というもの。逆に励まし気分です。などと考えながら、出来上がりをブザーで知らせるあの端末を手渡され・・・・少し間の抜けた気分で待つ。イベントで食う雰囲気ともまた違う。
ブザーがけたたましく鳴って受け取る瞬間、まさに一燈の麺顔!座席に持ち帰るアタクシ。寸分違わぬと言えど、オーラの濃さに差を感じますな(笑)。・・・・スープをすすりあげる。思えば本店でも食ったことない塩バージョン。スープからは、淡麗系という印象なれど、そこそこ〜なコラーゲンぶりも感じて、イケル!と本音で感じてしもうたがな。そういうところ裏切らない一杯であります。
全体的に濃ゆい味付け。決して辛いわけではない。揺らめき〜という色気ないけど、華やかさは確かにある広がり感です。鶏ガラにちょっと鶏骨エキスも軽く感じたりします。節のようで天然塩のような、透明度とは裏腹の図太さも感じるそのスープ。後口も自然でして、フードコートにいることすら一瞬忘れてしまう。この自然なまとまり感は、魚介の貢献か?
<じっとりと感じる塩気が魚介で落ち着く〜濃ゆさがいいね!>
明るいカラーが、塩だれと魚介の精製の高さを感じますねん。あくまで鶏ガラ主体な動物系なのですが、全体的な落ち着き方が、島国根性の日本人にしっくりといくものでして。まるで白醤油のようなカエシのエッジングを、ヤスリで緻密に丸みを与えたようやおまへんか!何気に塩ダレの魚介と、割るベーススープでの魚介と種類とか構成を変えているのか? 一見マットな魚介感覚の中に、因数分解しきれぬ複雑さがあるようなスープ感覚です。レアチャーシューの脂の溶け出しもあるのかもしれぬと・・思うと、変数がありすぎで評価に困るな(笑)。
兎にも角にも、結局旨味成分が塩気と丸く結びついて「じっとり」とした塩ダレ感が漂うスープ。塩気と旨味が区別つきにくい系の、上質な仕上がり感覚は流石です。
【麺:スパスパっとしていながらクッシリとした絶妙のコントロールがナイス!】
<細麺ストレートがきっちり決まった歯ごたえコントロール>
やってくれましたがな!この色白細麺ストレート系!そして王道の中加水やや低め?程度のしっかりした歯応え感がナイスです! 細麺なのに・・・やんわりと芯を感じる前歯の処理感。それに極わずかな周囲の部分は、半透明系部分も見え隠れして・・・・茹で上げのコントロールが出来ているという感じです。機械とタイマーの成せる技やろ!と思うことなかれ。スープの温度感ともマッチングしていると思われ、途中で汁をバクバクと吸い込むと思いきや・・・それほどでもないため、最後までクッシリといただけた点は非常に評価が高いと思うのです。
<スープの持ち上げ良くスベリも絶妙のぬめり感!>
微妙に軽く表面の半透明な層が、スープの持ち上げに貢献するという感じ。スープを絡め取るというより、絶妙な毛細管現象で、スープをまとめて持ち上げるという感覚。なので、スープの味わいに負けず、麺の風合いがとても感じ取れてナイスにも思える!そしてその上をいく「滑り感」は喉ごしには丁度よく、最後の一口をすすり上げるまで、ずーっと、スベリと持ち上げを存分に愉しませてくれました。
【具:レアチャーシューのお手本ですね〜】
<レアチャーシューの迫力が周囲と違和感あるほどすげー>
日本全国広しといえど・・・・、このショッピングモール感覚な空間で、これほど上質というか創作系溢れるラーメントッピングは、あるだろうか?鶏のもも肉の低温調理。そして・・・・肩ロース部位の豚肉の半レアです。もう・・・こういうテクニック系のを普通に、簡単にやってのける一燈もすごい!と思える瞬間です。
鶏肉は・・・・・言い尽くして来たけど、まさにテンピュール以外、何者でもありませぬ。食むと、己の歯並びの悪さがそのまま反映されてしまうその断面感覚がとても印象的です。豚は・・・・・文句の付けようがない。まさに、未来に伝承したい技!という感じですね!
<黄身も白身も染み込み絶品>
何気に・・・・味玉もやる!のです。一口目の風味がしっかりと白身から感じ取れるし、また甘味を含んだ味わいが何ともいえませぬ。十分に醤油ダレ?塩ダレ??が染み込んだ白身。ジェル系、ゲル系が入り交じった気味のオレンジ色がまた、興味をそそり過ぎますがな!
総じまして、リミッター外した暴走車のような日々に格別な一杯!モール街でこの品質は、オアシスと感じる・・・。銀座のねーちゃんと水割り飲むより、一人で食うこっちの方がよっぽど旨いわい(爆)。でもな・・・・いつかひっくり返したるわいと、野望に燃えても・・・ガス欠ぶりでへたるわい(苦笑)。こんなに頑張ってるから神様、見捨てんといてください。なので詠います!
飯食わず
外出激務で
川崎に
へたり辿りつ
目指すは一燈
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!
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