兎にも角にも、休日にここに訪れて一杯食えることが何よりなのです。いろいろ自分が潰れそうに忙しいときには、敢えて訪問したくない。多少でも気分が落ち着いたときにふらっと寄りたい。そんなお店でして、やみくもに食うことはしたくないのです。そういう意味では、私は本当のこの店の常連ではない・・・。
そろそろ年度末が近付いた2月の初旬。これから相当業務で混乱すると思われるので、今の内に訪問しておけということで、一番お気に入りのメニュー「チャーシューワンタンメン」をチョイスです。本当の常連というのは、まず座って何も言わず、「サラと中瓶」とだけ告げる。そしてゆっくりとビールで喉を潤し、つまみの竹の子(メンマ)、チャーシューなどをつまみ、胃袋を始動させます。そして、おもむろに「半分のワンタンメンでカタメ」とか、自分なりのこだわりチューニングを通す。そういう光景を眺めながら、アタクシはそそくさと写真を1枚だけとって、心の中でいただきますと告げるのみです。いろいろあった1週間。こうやって、気持ちをリセットするのです。
【スープ:麺・具材・・・・それぞれに染み込む計算のようなピッチリ感覚】
いつもながら、ピッチリとしていながら円やかな醤油ダレに魅了ですな〜。一口最初にすすって・・・ああ休日!って感じがするのは、もはや個人的な条件反射です。豚肉、鶏ガラ系の澄んだ大衆系のスープに、ヤサイの優しさが染み渡る・・・。コショウなど味付け排除な完成形を感じさせます。ご店主がステンレスのタレツボから、小気味良く、小刻みに丼に流し込む仕草が、もはやかっこ良く思えてしまう。タレの中層部と、上澄みを丁寧に分けかかて、微妙な配分加減をコントロールしておられるのでしょう。
体調の加減もあってか、今回はしっかりと醤油の余韻を楽しめたという感覚。冒頭のスープだけをすすれば、これから麺や具材に染み渡るといったそろばんずくな濃さを感じたりする。されと食べ進めていくうちに、麺と具・・・そしてスープが影響しあってより豊かな次元への高まりを感じる・・・・。決して濃いのではなく、ピッチリとした感覚。塩の輪郭というより明らかに醤油の影響が大きいカエシの味わい。高年の方ならまずすぐに親しみを覚える歴史観すら漂う雰囲気あり。そして若輩のアタクシにとっても、毎回出会っても飽きさせない研ぎ澄まされたシンプルさすら感じます。こういうのを「定番」と呼ぶのでしょうね。
【麺:スープをすいとりながらヌチッとした感覚】
いつもながら、非常に個性的な地肌をしている麺ですが、スープとの相性は唯一無二のコンビネーションを感じます。醤油スープを 吸い込んでも頼りないところは一切なく、逆に汁を吸い込んでこそ旨しと思える仕上がりです。にゅるっとしたザラツキが喉越しを刺激し、蕎麦ライクな反発をゆるやかにたたえるクッチリ感覚が永遠に飽きません。醤油のニュアンスに非常に合うのは、蕎麦ライクなキャラクターゆえかと。
【具:もはや・・・頼まずにはいられないワンタン】
かるくデファクトなラーメンで済まそうと思ってみても、入店してカウンターに座るとワンタンメンを頼みたくなる。もはや、ワンタンメンの方がデファクトのような感覚。このちゅるりんとした感覚だけでなく、食べている感覚がまた小麦の風合いと醤油ダレのマッチングがよくて深々と旨しと思えますな。
チャーシューも肩ロースの切り落としタイプでやや脂身が少ない感じですが、醤油スープを吸い込んで、残りの脂成分が呼び起こされたようにジワジワと染み出て来るといった感じ。なので適度な歯応えが好印象で、また切り落としのサイズ感も時代を感じるやや小ぶりタイプです。それがチャーシューメン状態で・・ワンタンの下に敷き詰められております。この肉だけで、中瓶ビールを軽く1本は開けられますな!
総じまして、毎日でも飽きない大衆ラーメン。毎日でも食べたいラーメン。コレを今回は、それを久しぶりに食ったので、非常に染み入るように感じた一杯。昨年も忙しいと思ったけど、今年はもっとでして、とどまるところを知らぬ青天井・・・・・。これは一体どうしたことだ!息つく暇もなくというより、息つくと立ち上がれなさそうで、最近愉しみを控えていたのですが、やっぱり休みに愉しむっていいね!これからもほどほどに、生きて行きますわ。そんな毎日。なので詠います!
昼間から
ビール飲んでも
許される
止り木気分で
和む週末
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!
これでいいのか東京都武蔵野市三鷹市 (日本の特別地域特別編集)
- 作者: 鈴木士郎
- 出版社/メーカー: マイクロマガジン社
- 発売日: 2012/10/30
- メディア: ペーパーバック
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (5件) を見る