いつも毎年思うことなのですが、あっという間の1月でした。環境が想像を遥かに越えて押し迫って来るという焦りばかりが先行します。一年の始まりのたった一ヶ月間の中にも、いろいろとドラマがあったのです。昨年春から、ずーっと馬力だけで仕事をしとりまして・・・・それでも逃げなかっただけが唯一の成果かと(本音は逃げたかったけど、逃げそびれた:笑)。しっかし、大変なのはもう慣れっこだけど、最近エグいわ・・・・・(笑)。いよいよ馬力だけでは突破できない壁が迫っておりますので、後は覚悟だけですな。
覚悟。・・・仕事仲間に文字通りそんな悟りすら感じる先輩がおられます。
経緯は詳しく知りませんが、自ら志願して修羅場の子会社に転籍してまで、業務に取り込む男がおります。そこで苦闘している姿をたまたま訪問時に目撃してしまいまして、情けない話だが足が震える思いがしました。いろいろ動かない配下に檄を飛ばすその姿。一度でもそんなことをやったことがあるのかと自らを思うと泣けます。こんど機会があれば、一緒に飲みたい。爪の垢をフカヒレ酒のごとくにして、飲み干したいものです(笑)。
そんな先輩社員のことを休日に回想しながら(正確には休日でも頭からは離れなかったのだが)、その方の仕事に対する姿勢から、その性格、そしてクセとか、アクとか(笑)そんなことを考えながら、吉祥寺の大型ブックストアのビジネス書コーナーでぶらぶら過ごします。ああ、オレもそんな風に自分自身をもっと前に出して、自分の色をだして仕事をしたいな・・・してみたいと。などと考えていたら、夕方時分特有の空腹感に襲われます。嫁さんは実家の都合で外出からの帰宅が少々遅くなり、夕食準備も遅れるとの事前情報あり。それまで耐えきれないなと・・・一杯食うことにいたします。流れから・・・・妙に、家系のような独自カラーの一品を思いつき、食いたいと思う!
てな感じで突撃ゆえ訪問時間帯も妙でして、午後5時少し前。 学校帰りの学生と、買い物疲れな家族連れ。井の頭公園に散歩にきたついでの初老の方。そんなジェンダーフリーな客層が、一列に並んで家系を食する。ラーメンに魅せられた者が集まるフェスティブな雰囲気の中、少し変化球の家系を食うのです。
【スープ:くせ者と癖モノの融合〜!豚骨の奥に潜むあごの余韻!!】
<豚骨個性とあご出汁パンチのバランスが濃厚>
家系の塩ってのは、中々アンチテーゼなテーマと申しましょうか、醤油カエシの香ばしさ封じですから難しいかと。それに、あご塩といい魚介系をガッツリとあてこもうという計算ですから、ただでさえ濃厚な部類の豚骨と鶏油に立ち向かえるのか? オーダーをしておいて少々不安な気持ちです。なので、濃度とアブラは、ド・ノーマル仕様で麺カタメだけを告げました。
配膳の瞬間、海苔の位置も関係もあってか、どこか家系でないワイルド鶏白湯に見えなくも無い(笑)。しかし改めてスープの表情を確認すると明らかに家系の・・・・動物エキスの揺らぎを深層に認めます。思わずレンゲですすってみる。なるほど、レンゲを近づけた時点ではいつもの豚骨臭が鼻腔をくすぐりますが、舌を一回駆け抜けたあと、その余韻にじわ〜っとあご出汁の個性をほんわかと感じる・・・・。やはり、基本的には当然ながら家系独特の豚骨が勝ります。されど、嫌みにならない程度の絶妙のバランスで、あご出汁の主張も感じますな。
くせ者と癖モノの融合。喧嘩しあったらどえらいことにもなりそうな組み合わせ。それを上手く合わせた感覚はナイスですよね〜。堂々たるマイナーメニューとも思えるのですが!家系目指してこれを食うことはあまりなくとも、家系食い飽きてそれでも家系の魔力にハマって逃れられない胃袋には持って来いのオーラを感じます。まさに、常連向けの崇高な変化球ではないでしょうかね〜。
<塩気が鶏油で円やかだが濃く滲む>
さて一方の味付けの主役「塩」の方ですが、これもまた分厚いものを感じます。しかしながら、家系どくとくの鶏油の懐にとけこんで、実にマイルドやおまへんか〜。その姿、おだやか、円やか・・・・。でも淡麗系の塩ラーメンとは全く別ものでして、やっぱり「濃い」のであります。じっとりと滲むような塩味が、あご出汁に深く結びついていて、塩味なのか、あご出汁の濃さなのか、食い進むと区別が段々できなくなってくる(笑)。
全体的には、「濃厚なる塩豚骨」というスープ世界ですかな。家系の塩・・・・という新しい扉を個人的には感じた一杯。トッピングの妙もあって、オーディナリーな塩家系とは違和感を覚えるけれど、これはこれで看板メニューたる存在感を認めざるをえませぬ。
【麺:おなじみな中太麺!個性的なスープにも負けませんね!】
<お馴染みのグニリとした奥歯の歯応え>
やや均一的な平打ち麺でややウェービーなお姿。「大橋製麺多摩」と印字された麺箱がどこか誇らしげに玄関前に渦高く積まれております。各支店で何回も食っとりますが・・・やはり中太平打ちってのは、飽きませんね〜。中加水から少々加水高めな表面のツヤは、見るからに旨そうです。今回は「麺カタメ」と告げました。歯応え的には・・・クッシリとしたというより、緩やかなグニリとした感覚で、スープの浸透が程よく、それでいてパツパツしていない感じが好きです。前歯の当たりも見映えに反してスパスパと小気味よく千切れますし、随分と食べ易いと思えます。
<ざらついたような滑りが鶏油をまといつくしますね〜>
表面がハードなきしめんの如く、ザラツキの中に艶やかさを残す感じですね〜。リフトの際に鶏油がまとわりついているのか、舌触りも非常に滑らかさを残します。それでいてゴツゴツとクチの中に当たる感覚がまた宜しいようで、勢い余ってズボボボボボボーっとすすると麺が暴れてハネを飛び散らかします。通常の醤油系細麺では、レンゲを駆使して小ラーメンを作るか、すすり上げのブロック塀にするとか活用いたしますが、このタイプのワイルド麺はそういうことも無意味です。やや滑った麺にたっぷりとスープを染み込ませて、クチを丼に近づけながら、一気にすすり上げて、汁の塩気と麺の風味をガッツリと頂きましょう!
【具:海苔立てず、ほうれん草も排除・・・そんな家系トッピング!】
<カスカスのパフパフを期待して・・・ややシッカリ歯応え?>
いつもの見映えの一枚。特別に語る事無い質実なパフパフチャーシューを期待しとったんですが、いやはや少し肩すかし。部分的にはジューシーと思わせる部分があり、また一方では、わりとハードな歯応えも感じさせるのでして、イメージが随分と違いました。でも、家系でなければ、普通の質実なるチャーシューでして、シッカリした歯応えもまた良しということです。赤身万歳!な感覚がええね!
<水菜と千切り白ネギは、家系らしくなくて逆にいいね>
家系食った気分を削がれる思いがしないでもないが、このほうれん草でなく、水菜にしたところにセンスを感じます。このあご塩の風味なれば、通常のほうれん草ではエグ味が押されるとおもったのか?はたまた、水菜の爽やかさがあご塩とコントラストを成して立体感をあたえんとしたのか(笑)。これは賛否が別れるところかもしれませんが、アタクシはとりあえず前者とさせていただきましょう。
総じまして、落ち着いた若者の街、吉祥寺にあって・・・それらしくも感じる、ちょっぴり茶目っ気あるワイルドさがええね!と感じる一杯。あごと豚骨、それに塩ダレの融合が若者にも受けると思います。こちらは、ロケーション的には買い物帰りに丁度ええので、これからも重宝させてもらうかもと思います。 それにしても、一日晴天が続いて清々しかったわ。しかし、明日は仕事の山場を迎えて少々気が思いのも確か。期待と不安が入り交じる午後でありました。アカン!アカン!弱気は損気やで!仕事は戦争やで!!!と言い聞かせ帰路につきます。なので詠います!
青空と
夕焼け混じる
空見上げ
心中混じる
期待と不安
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!
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