ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1092】 和醸良麺 すがり (京都・四条烏丸) もつそば

 年末年始でないとテレビもゆっくりと見れませんよね。アタクシの場合、実家の京都で年末年始を過ごしたのですが、地方ローカルのテレビ番組ってのがまた味わいあって面白いというもんです。ガチで京都のおいしいラーメンを紹介するコーナーがあったりして、思わず反応している自分自身が恥ずかしい・・・。仕事で東京に戻って約1年。そんな短い間に・・・いろいろ旨そうな店が開店してます。でもね・・・、たまに京都に帰って来ると、或る程度行く店は決まっているのです。その決まった店リストの中で、冬の京都ならやっぱりここか・・・。









【スープ:モツがとりモツ・・・脂の甘さと豚魚の香ばしさの結びつき】


<古都のクールで質実なるスープ、もつ豚魚の雅びに酔う>


 もし京都のラーメンを紹介するとして・・・・、 ラーメンラバー同士なら、京都駅近くの大衆系トラディショナルな店を紹介するかもしれない。しかしそうでない方に勧めるとしたら、おそらくこの一杯でありましょう。店の作りだけでも勉強になるかもしれない。カメラについおさめたくなることでしょう。しかしその一杯自身も、なるほど古都らしい斬新さが溢れると合点がいくことと思います。今回も帰郷の短い時間の隙間をぬって、食させていただきました。


関東一円で濃厚豚魚が一世風靡していたころ、ここ京都では、もつを使った和風仕立てな取り組みの一杯がありました。もつのラーメンだろ?と言われるとどこにでもありそうな気にもなるのですが。しかし、その丁寧さとしっとり感が漂う一杯を、京の町家でいただくと格別なのです。


まず、豚魚がシルキーと感じる滑らかさがハンパではないのです。これは、もつの脂の揺らめきというか、独特のじっとりさの中にゆるいぬめりが入り込み、舌全体を優しく覆い尽くします。時間差を持って、まずは「動物系(もつ)」の甘みを感じるのです。もつの幸せな時間を過ごそうと思っていると、さらっと魚粉の甘みが後味に残る。優しい麺顔の二段攻撃。その全体は、まるでとっても配慮がゆき届いた日本料理のよう・・・。おおよそ日本料理的ではないパステルブラウンのスープは、和洋折衷と言った感じもする。されどやっぱり、出汁文化を感じるしっかりとした計算と作り込みがかんじられますねん・・・・。





<もつ出汁の甘み、もつ焼きの香ばしさ、タレと一味のエッジング


とにかく、通常の豚骨オンリーよりは、モツを使うことによって明るく感じられ、そして甘みを増すことはたしかでありましょう。そして、モツトッピングの香ばしい焦げ目もまた出しに少なからず影響を与えているので脚色が秀逸なスープ。


この脚色は、豚骨もそうだが元々の醤油ダレからきているのかとおもうほど、きっちりとカエシの辛さと結びつき、そして円やかに仕上がっているから唸るのみでありますな。さらに・・・・単にあまいだけではなく、一味を配して味の縁取りもバランスよくとられているし、ともあれ実にいろんな味わいが溶け込んでいるもんだと思います。




   もつでほっこり心身温か

      甘みと旨味の境目なき揺らめき

         香ばしさ漂う焦げ目が食欲エスカレーション



 ここ古都京都にも・・・チョーク色した雅なスープ有り!これは観光客ならずとも、麺好きラーメン好きなら一回食っとけ!ですぜ。








【麺:そばぼうろ・・・古都で馴染んだ蕎麦文化のいきづき】


< もはや定番蕎麦である、されど型破り拉麺なのだ>


そうは言っても、初訪問者の方が一番驚くのは、その麺でありましょうな。実は、京都はうどん天下の関西にありまして、にしん蕎麦に代表される通り、そば文化の土台もありましょう。この一品は、まさしく蕎麦ラーメン。茶褐色の風合いは、あたくしが懇意にしている「中華そば みたか」の比ではありません。


蕎麦ではなくどこかやっぱりラーメンろ思わせるのはなぜでしょうね。スープの余韻がそうさせるのか!? あたくしなりには、蕎麦に見られるボソボソっとした感覚ではなく、どこかやっぱり「くちゅり」とした感覚が確実にあり、そのフィーリングがいつもの馴染みのあるラーメンの記憶と結びつくからなのではないかと。





<多加水さが明るく淡い水彩画のように伸びやか>


要するに、やはり多加水系のラーメンと思っているのであります。その物腰と色合いが、どこかやっぱり明るさを感じまして蕎麦の渋さが影をひそめるというか。なんだか、全体的に伸びやかにも感じまする。前歯のつかまりも、スパスパっとして最後はクチッ!と短いタップで小気味良くちぎれます。全体的な表面のザラつきも大人しめ。奥歯のすり潰しにおいても汁を吸ったのごとく、滑らかな物腰で圧をそれほどかけなくとも千切れて一瞬に喉奥へと滑り落ちます。



   滑らかな蕎麦が優しい風情

      新春の言祝ぎ準備の合間ですする

         和ダイニングの陽気さ!奥ゆかしさ!



 汁と麺の一体感を感じますが・・・・新しい年のはじまりは、こういったのどかな雰囲気で和みたい!  








【具:庶民的な具材が一躍スターダム!】


<ソフティーでありグミのような食感・・・もつ焼き!>


 その食感・・・まさにグミ!高級すぎないけど、十分に上質なプリプリ感。ある一点で急に反発を増すそのグニグニ感。そして・・・・焼き目が香ばしく、その周りが絶妙に甘みを感じます。付けダレが焦げるといいよね〜。ハンドバーナーで炙るその手法を最初に思いついた人を褒めてあげたいわ(笑)。脂の甘さはハンドバーナーに限るな(爆)。



<ほっこりさせるのが温野菜なのである>


 この中で温野菜の優しさがまた染み入るのでありますわ・・・・。ちょっとしたひと手間といった、おもてなしを感じるハンドメイド感が、いかにも都のラーメンという感じがしますし。また、白ネギの一品も十二分にこだわりをかんじますやん。日本料理のなかの、碗ものに通じる存在感がいいよね〜。



   麺顔が素朴でどこか品がある

      もつの食感もリズミカルで明るい

         年末の喧噪を忘れさせる温野菜がナイス



 おせちもいいけど、カレーもね!実は・・・・カレー味のもつそばに興味がありまして・・・、次回はそれを食うかも(笑)







 総じまして、人は一年一年、この年の瀬と新しい年を迎えるにあたり、すくなからず生まれ変わると思うこのごろ。一年の憂さをはらすのか、はたまた新しい一年の決意への区切りなのか・・・、はたまた家族や仲間への感謝の気持ち。何かしらこの年末の「帰省」という行動に、単なる国民行事という枠を超えた何かを感じます。アタクシの場合は、旧友とふるさとで酒を酌み交わせるというこの単純な動機で、何時間にも及ぶ高速道路の大渋滞も屁のカッパでありますわ(笑)。なので詠います!





  暖かき
  古都の風情の
  年の瀬に



  ご縁に感謝
  『もつ』べきは友





 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!







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