ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1091】 鶏そば ムタヒロ 2号店 (東京・国分寺) 鶏特製そば・麺カタメ・柚子胡椒

 今年の「取り」の一杯は、「鶏」そばとさせていただきました。少し前に食したのですが、すぐにレビアップするのも何だか惜しくて・・・このタイミングが良かろうというわけで・・・。


 一年を振り返ると、これまでにないジェットコースターな年でした。社中でベンチャーみたいな組織立上げに参画した一方で、平行してこれまで永続してきたカンパニーの如くの経営管理。いろんな内部外部の軋轢がある中でビックプロジェクトが進み、今後の改革案とりまとめ。直近に迫った課題対応等・・・・具体的書けないけど、そんな全体イメージをこの9ヶ月で遂行してきました。自分がどこまで出来ているか、お世辞にも十分とは言えないけど、アホはアホなりにやってきたのではないだろうか。ちょっと今年の年末帰省は、自分の中で胸を張って帰れるような気がいたします。でも気を抜けないけどね(笑)。


 そんな一年の苦労の中の充実を感じながら訪問でした。約1年前、このお店の1号店を訪問したころを思い起こし、気さくに話しかけてくれたご店主の笑顔を思い起こしながら、行列の中で待ちます。このお店も開店たった一年で2号店を立ち上げしかもこんなに繁盛!さぞかし激動であった1年間ではなかろうか。一年前と同じ一杯を食って、一年という時間も感じ味わいたい・・・・。 







【スープ:鶏の「まったり感覚」と「すっきり感覚」が上手く融合】


<まさしく鶏の甘みと、醤油カエシのピッチリ感が一体感>

配膳の瞬間から、揺らめく澄んだ鶏系の清湯の油膜の存在が見て取れます。それも上質なクリスタルでして、醤油ブラウンをまとってキッチリとした仕上がり感が分かります。油が、ペイズリーのごとくゆったりと揺らめきます。レンゲですくうとそのあぶらは、大小の無数な真円に散らばり、食う側に誘いをかけるかのごとき・・・。店内のフェスティブな雰囲気をそのまま映したような明るいオーラが広がります。


味わいの第一印象は、鶏の幸せな甘みが広がるといった感覚。ベーススープの丸鶏感をたっぷりとかんじます。ああ、優しく濃厚な鶏清湯!そしてあとから追いかける醤油のカエシが、塩味とともに運んでくると同時に、発酵のきいた甘みのような成分が揺らぐ・・・。まさにそのカエシの感覚は、とてもフレンドリーでして無類の旨さのように感じる。幸福感いっぱいな醤油系鶏清湯!


この明るさは、どんこや味醂・・・はたまたイリコのような和風に落ち着いた感動ではなく、動物系独特なフィーリングですな。鳥の挽肉からくるのかコンソメのような軽さも忍ばせているし、煮干し屋から派生した鶏専門店とは思えぬ実力度を感じまする。むうううう、久しぶりに食ったけど(1号店で)、来年は確実に訪問回数を増やさんといかんなと・・・・決意を新たにいたしますぜい。スッキリとしていて・・・濃厚な鶏の味わい。濃厚は鶏だと思うけど、すっきり感は、節か昆布かはてさて何の類いだ・・・。




<食べ進むほどに複雑な味の折り重なりが広がる>

後で述べるけど、食べ進めるとだんだんと、鶏肉チャーシュー薬味の影響がうっすらと入り込み、そして麺の小麦のでんぷん質が汁に溶け込む。軽く複雑に変化してゆくのが面白いのであります。柚子胡椒のピリリとしたシャープ感が、チャーシュー経由で脂を引き連れて溶け出します。そして一見風流にも感じる麩のでんぷん感が味わいを円やかにいたします。

思わず知るのみをレンゲですくい、うましうましと飲み続けると、気ずいた時には、スープが足りなくなってしまうほど。丼に残った挽肉とともにぐびびびーのクチ直付けで最後は飲み干します。ああ、最近稀に見る満足感。年末にええ思いをさせていただきましたわ。




   まったりと舌にからむ鶏の甘みで微笑む

      醤油の風合いが甘みに寄り添う上質な一体感

         食い進める程にコケティッシュに変わる表情



 このスープは一滴も残さん!と決めておりまして完飲!丼を返すときにスタフの方から「完食いただきました!」とかけ声を返されましてちょっとビビりました。するとすかさずご店主が「ありがとうございました!!」との大きな応答が店内にこだましまして、思わずこちらが嬉しくなりました。ああ、ラーメンラバーで良かった〜と感じる瞬間ですよね。


 ※味のグラデーション:鶏コク>醤油の発酵系のコク>醤油の塩気>昆布?か非魚系の出汁感>ラードのさっぱり感






【麺:風流さだけでなくナチュラルなスベリと歯応えがナイスな平打ち】 


<麩か胚芽余韻が風流に感じる平打ち麺>

 意外に覚えていないもんで、1号店のそれは、平打ちと言うより、もっと切り口がオーバルで、もう少し捩れが強かったというような印象。それに胚芽とうか、麸と申しましょうか・・・・風流な斑点を地肌に刻んでいたような風では無かったという記憶です。されど・・・、個人的には、こちらの風貌もまた捨て難しですな。

 淡麗系なスープにこそ映えると思っていた全粒粉系の麺ですが、濃厚ですっきりさが潔いこのスープとの相性は抜群と申せましょう。また、具のレアチャーシューとの比較においても、何となく釣り合いの良さを感じます。ハイセンスのレアチャーシューには・・・・ちょいと風流な存在感のある麺の上で横たわってほしいもんです。


 前歯の当たりは、芯の感じないスパスパっとした感覚が先行で、後追いにコシの「クニリ」とした感覚が残る感じ。奥歯の潰し込み、すり潰しも適度な歯応え感が、まるでフィットチーネのごとしです(例えが変か:笑)。




<汁をバクバク吸い込んでナチュラルさが向上>

 実はカタメのカスタマイズだったのですが、写真からしてそのような感じは受け取れません。思いのほか、スープの吸い込みが早いタイプでしてそのためだと思います。なので・・・・意外にも「大盛り」はなく、「替え玉」制を取っているこのお店。その辺の麺の性能は十分計算と言えますな。個人的には、1.5玉という選択肢ができないので困るのですが(笑)。早食い傾向なので無理を承知で大盛りにできんもんか(爆)。

 なのでスープの吸い込みと同時に、麺の風合いをスープにも醸し出すという仕組みでして、それそれで一体感ありますね。汁を少し吸った方がスベリも良くなりますし、物腰も柔らかくなります。平打ち麺がペタリとクチの裏側に貼り付き、それをスープで剥がして流し込む・・・・。何故だか理由もなく、名古屋のきしめんを連想いたします。単に平打ちという形式だけでなく、その汁の浸透の具合が何となくね・・・・。



   一瞬武骨に見えるが内実とてもフレンドリーなコシ

      汁を吸い込みよりナチュラルに親和性が磨かれるスベリ

         適度に捩れて視覚的にも感覚的にもアミューズ性ある平打ち



 つけ麺と共通のようですね。なるほど、つけ麺もいいねと思いを馳せますが、つけ麺は後発になってのご提供のようです。汁系の方がオリジナルだとしても…次回はつけ麺かな? 1号店との食べ比べも楽しいしね。しかしながら、つけ麺と言えば・・・すぐそこに創作系なつけ麺の名店があるではないか!国分寺レベルが高いなーっと思えてならんですね。


 ※麺の風貌:平打ちストレートで基本的にストレート。麸?胚芽?の配合がややあり。
 ※麺の感覚:多から中の加水感覚。やや汁の吸い込みあり良い方向に特徴的。反発少ないクッシリな歯応え。






【具:圧倒的な鶏の半レアチャーシューは単なるトッピングレベルを超えた】


<鶏レアチャーシューは、少々気取って食したい>

 鶏肉の低温真空調理法?だったっけ・・・・昔「料理の鉄人」で初めて見たときは、度肝を抜かれたもんです。その胸肉かもも肉かは知らねど、歯ごたえがまさにテンピュールのごときでして、歯ごたえが「ぱふっ」っとしておりまして、どこまでも低反発に柔らかく沈み込みます。それと反比例して滲み出る肉の自然な旨みが、胡椒の風味とともにじゅわ〜っと広がる・・・・。スープも適度に吸い込んでこれまたグッドですね〜。また、薬味に、生姜かゆず胡椒を選べるシステムになっておりまして、この薬味を江戸前寿司の流儀の如く・・・ネタの上にちょいとのせて、それが崩れないように半分に折りまげて食うと・・・・・悶絶のうまさ(笑)。時間が経つにしたがってちょいとレアの風合いも変化してゆくのですが、それはそれでまた許せるのでありまして、特製にして大判の4枚の肉を存分に楽しめるのであります。まことに贅沢な思いをさせていただきましたわ・・・。




<何気に鶏そぼろ肉が汁に貢献している>

 この鶏のそぼろ肉にも注目したい。スープを出し切った感があまりなく、決してカタくこり固まった感がありません。色合いもチャーシューと同様にナチュラルなアイボリーホワイト系を保持しております。そして、鶏肉の出汁感覚を高めると共に、一連の食べ進めの中に面白い歯ごたえ演出を提供してくれる。食べ終わる最後のスープの中にもキチンと残っているお姿に、最後の最後までお付き合い頂きましてありがとうと・・・・感謝の気持ちもわく・・・・・というのは大げさか(笑)。とにかく、鶏肉のひき肉とか、団子と言うやつにはなぜか特別な親近感を覚えるのでありまして、このえこ贔屓はご容赦いただきたい次第です。



<上質な穂先メンマの香ばしいオイル感に酔う>

 この穂先メンマにすら感服(爆)。結構おおきくて長いめのものが2本入っておりまして、味わいがいつもなら緩やかな酸味を覚えるはずが、今回は白ごまの透明感にも似た芳ばしさを感じる。歯ごたえは言うに及ばずでして、この一杯の中でも、一連の歯ごたえの物語の章立ての一つをきっちりと演出している。そんな役者ぶりを感じまするな・・・。



   ご店主渾身の鶏肉レアチャーシュー!

      江戸前風な鶏そばとは対極的な印象を与える麺顔!

         もはやどっちが主役だ?と思える具材の存在感!



 鶏肉と言えば、中央線〜総武線ラインの東に位置する、一燈も唸りますな。いやはや、2012年は個人的には鶏系の当たり年だったような気がいたします。あ、牛系も前半は結構食ったな(笑)。北千住の名店でもお世話になったし、事件もあったし(爆:詳細秘密、結構笑える)。ああ、ラーメンに関しては、良い一年だったわ(爆笑→号泣)。


 ※その他の具たち:味玉(白身の染み込み具合グッド!黄身の中心部分がオレンジ系のジェル状になりナイス!)
          海苔(大判2枚の肉厚系、やはりいい店の海苔は外れがないね)
          カイワレ・ネギ(海苔のうち1枚はカイワレをはさんで麺と食ったけど旨しな歯応え!)




 総じまして、今年年末に大変幸福な気分にさせてくれた一杯!いろいろあった一年だったけど、今年のレビューの〆は、この一杯とさせていただきたい次第です。それにしても、どうせ生きるなら、明るく生きようぜと・・・・なんとなくそんな気にさせてくれるお店ですね。お店全体が、どこか明るいハンドメイド感に溢れており、ご店主の気さくな感じに随分と気持ちも朗らかにさせてもらえます。来年は・・・・今年以上にいろいろあるけれど、一人めげてみても、あわれんでも、定めが変化するわけでもない。泣くときは泣くけれど、できることをきっちりとやっていくしかないと改めて思い知った帰り道でした。誠に・・・暖かいお店であります。なので詠います!



  寒風に
  並ぶ行列
  待ちわびて



  暖かき哉
  店主の陽気さ



 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした。


 来年もよろしく!

 




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