【コレ食ったわけ:荻窪の新規開拓をしたかったのです・・・】
さすがにこの数ヶ月間、中央線新宿〜東小金井間の開拓を進めれば、しんどくなってきたというのが本音でして、適当に食うことも辛くなったのです。ああ、こういうときは、大衆系・・・しかもトラディショナルな一杯だよな!それに、今週もキツかったしと、思いまして「荻窪で醤油ラーメン食う!」と心に決めたのです。そんなこんなで、まだ食ってない荻窪らしい一杯を検索したところ、こちらが引っかかりまして訪問決定です。それにしても、繁華街を少し折れてひたすらまっすぐ線路の方向へ・・・・。ゆるい坂道を下るのですが、少し鄙びた空間がまた肩の力が抜けて宜しいがな!オヤジを癒す空間丸出しでっせ。
【スープ:仄かな煮干しと肉コク・・・そして丸い塩が決め手!】
入店すると、ただラジオがオリンピックの結果を告げている・・・。先客は一人だけで、文庫本を片手に食いながら読んでいる。母親なら注意するスタイルだが、それがまた空間の自由度を象徴しているかの光景・・・。その中に、人のよさそうなご店主がニコニコ顔で応対。そうそう、こういう牧歌的なラーメン屋スタイルが、あこがれなのよ! ビールを先にやって、まどろむか・・・・と思ったけど、ちょっと体調悪く控えておこうということで、酒を控えた分贅沢にラーメンではなく、わんたんめんとさせていただきましたわ・・。
「旨いがな!(*゜0゜)ハッ・・・・めっさ旨いがなぁぁぁぁ・・・・ 」
「崇高さも淡麗さも範疇外!といった感じがしますが、温かい気合いは感じまっせ!」
1)旨味:仄かな柔らか煮干しとあっさり豚コク!まとめる白醤油?
しかし、このロケーション(荻窪)と、その普通さがしみじみとオヤジを癒す雰囲気・・・・・、そしてこの麺顔。オヤジなオレは、リアルに気が抜けるで! いや〜、スープが癒しのラクダ・ステテコの色にも思えて見える・・・。ユニクロのハイセンスなステテコとはワケが違います! 昭和の色合い!ほいでもって、質実とした柔らかい味わいと、後半が特にしっとりとくる塩味が、泣かせるやん!
味わいとしては、仄かに煮干しを感じる系でして、淡麗というシャープさより、懐古系という親しみを覚えるタイプです。まさしく、荻窪ラーメンと看板にうたっているだけあり、トラディショナルさを感じるスープ感です。こちらは、どのメニューも「白」と「黒」があり、恐らく醤油の使い方で分けているのかと勝手な推測を覚えます。黒は、醤油のカエシがキッパリと輪郭に現れるタイプ? それに対応する白は・・・・柔らかいカエシエッジングか?はたまた白醤油か・・・。
また煮干しが柔らかな一方で、もう一つのベースと思われる豚コクがナイスです。まるで豚肉で出汁を取ったか、豚骨と鶏骨をぐつぐつ言わせずさらっと煮出したかのごときのさっぱり感・・・・。これは、明らかにゴクゴクと喉を鳴らしながらでも飲み干せる柔らかさ。とは言え、見た目より実はかなり熱いスープでありまして、クチの上裏っかわがビローんと皮がやけどではがれてしまったがな(泣)。
2)塩気・香り:丸い塩気が後半引き立つ・・・淡い煮干しに合体
塩気がとても気になる。気になる塩気というより、処理の仕方が気になっているのです。最初は、柔らかい感じの塩のタッチなのですが、食するにつれて、段々と塩がボディーに感じて来るというか、味が増して感じるといった錯覚。しかも、ダイレクトな塩味でなく、何かのエキス感漂う塩味でして、どこか煮干しエキスと結びついたような塩加減。 またそのマイルドな塩というところは、煮干しだけでなく、例えば昆布とか椎茸とかの味わいで丸まった感もあり(この部分は全く関係ないと思うが)、実に「丸い塩気」がぐいぐいと引き立つのであります。
【麺:ただ柔らかいだけじゃない・・・・筋が通った大衆系みたいな感じ】
続いて麺ですが、これは柔らかい大衆系を予測して・・・少しいい感じで肩すかしされて嬉しい!
「あーーー!やっぱりこういうのも好き!(*′ω`)b゛大OK!!」
「いつもの大衆系なのだけど、少しばかりのハードさが、個人的にはツボにはまる!」
1)風貌:中加水の王道!標準細麺でゆったりとしたストレート
スープの表情と比例するような、落ち着きの鳴る麺の流れです。非常に標準的といえばつまらないという誤解を与えそうですが、さにあらずで、見慣れたストレート細麺がおだやかで、親しみを覚える・・・・とでも言っておきましょう。地肌の見ためからは、「あ!中加水や!」と最初から分かる大衆系。その柔らかさからは・・・・なんとなく、ちゅるりん!としたスベリとか、クチリとした柔らかい潰れなどを感じさせるのです・・・。
2)噛み心地:適度のモチ感ありながら、クッシリさ!懐古さばかりではない
やはり見た目の期待感と、予測外のところは、いつも麺を食ってて思うのですが面白いところですよね〜。見た目の地肌から予測通り、適度な反発感・・・・いやゆるモチッとした感覚がありまして、なかなか、スープとのからみも良さげでして、一体感あります。前歯のスパスパっとした切りクチもなかなか小気味良いです。これで、くちゅりとやんわりと奥歯ですり潰されてると、「あ!思った通りの懐古系!」とあいなるのですが、さにあらずですな・・・少し。意外とクッシリとしていて、そこがまた食べ進めるうちに、段々と懐古系とは違って思えてくる・・・・。熱々の麺に最後まで熱ダレせずに、しっかりとした歯ごたえをたのしませてくれまして、ちょいとしたハードさニュアンスもあるかもと思っております。そんな主張するタイプでもないけどね・・・・。
【具:見ているだけで・・・和む具達・・・】
1)わんたん:皮が肉厚
結構皮が肉厚で、ちゅるりん!滑り落ちる快感だけでなく、歯ごたえも楽しめる系。お腹にも満足感を与えると思います。また味付けとしては、薄い系統。中の餡の分量は標準的ですが、スパイス感も少なく、肉の味わいがストレートに滲むといった感覚。わんたんをプラスで100円アップである計算ですが、これはミートするかと思いまっせ!
2)チャーシュー:薄味の懐古系
このチャーシューを見て、感じて・・・・あ、脂の抜けた加減の楽しさをかんじますな・・・・。赤身部分はまさしくそれでして、ハグと噛むと歯形がそのまま残る柔らかさ。そして、ホロホロと崩れるタイプとは対照的に、噛み締めて千切ってゆくタイプ。その過程の中に、染み込んだスープと友に肉の味わいを楽しむというやつで、半分そのままいただいて、残り半分は麺に巻いて食うという何時ものパターン。
3)メンマ:マットな柔らか系
サンプル食品によく出て来そうな、まさしく「これぞメンマ!」という風貌なので、ちょっとこれみてほくそ笑みました。割と深く味付けが染み込んだ、柔らか系。シャクリ!と前歯だけで切断容易。まさしくトラディショナルな味わいと風貌に酔います!
4)海苔・ナルト・薬味ネギ:いつもの3兄弟
まーーーー、いつもの3兄弟なので、語るところすくないけど、ナルトが2枚あるところが少し笑う。海苔は、最初は溶け出すかな?と心配だったけど、しっかりしていて、風味良くいただきました。あれ・・・、すっかり、ラーメンの中の海苔の存在を認めている自分がいる・・・。関西時代にはあまりなかったはずなのだが、時が流れてすこしづつ都会に染まっていくオッサンなアタクシを許して頂きたい。
総じまして、・・・・やさぐれオヤジが心を癒すにぴったりなお店 in 荻窪! 正直申し上げて、流行の先端!ってな感じはさらさらないながらも、妙に居心地が良いところがよい。そして、良い意味で・・・そこそこの一品をニコニコと、そして静かに提供してくれる店。別に、麺を食わなくても、トッピングとビールだけゆっくり時間をかけてあおって帰っても、何の気兼ねもしない店。 そういうことなんだよな〜と、中央線沿線に住んでて、この界隈のラーメン屋の風情を鑑みます。流行を追い求めず・・・・ストイックな麺食いに、アタクシはなりたい・・・・。なので詠います!
淡々と
流れるラジオの
BGM
なぜか静かに
落ち着く荻窪
お粗末!ということで合掌!今日も本当にごちそうさまでした!