10年経って・・・すごく進化していた
10年前に一度訪問したきりで、実に久しぶりの訪問です。何せ京王線仙川駅と、小田急線成城学園前駅のちょうど中間位置にあり、結構陸の孤島だったりするもので、その後の評判は耳にしてもついつい後回しにしておりました。今回は、野暮用で平日早めに仕事を切り上げる羽目になり、帰り道に甲州街道をクルマで流す機会がありましたので、夜の部開店間際に思い切って突撃してみました。
そうそうこの近くには、かつて大手顧客の研修所があったりして、一度だけ訪問したことがあったっけか。馬鹿でかい施設で森に囲まれている様でもあり、住宅街のようで自然豊かなエリアでもあります。宵の口ともなると微かに響く秋の虫の音・・・昼間はまだ暑さが残ろうとも季節はゆっくりと確実に巡る。
<全体> コンテンポラリーな白河系!?大判肉に素朴な中太麺!穏やかに広がり霞む塩出汁!
夜の部は午後5時開店。一番客でありましたが、その後パラパラと客が入り確実に地元固定客をつかんでるって感です。塩があるなら塩をチョイス。残念ながら特製は売り切れだったので、味玉追加でいきましょう!そんな流れで「半熟煮たまごしおラーメン」。それはこんな麺顔!。
おおお!10年ぶりだと随分と面持ちが変化?進化!。出汁感の穏やかさと麺の素朴さは以前のイメージの通りですが、なんとなく白河系に明確にふれた様な印象?。しかし白河系の素朴さと言うより、どこかコンテンポラリーな雰囲気も漂うか?。肉が以前と打って変わって低温調理になっており、メンマも流麗に流れる盛り付けであることから、全体的にはコンテンポラリーなニュアンスも滲む様です。うん!拉麺としてプレゼンス・磨きがアップしたって実感です。
<出汁> 軽やかな鶏出汁にふんだんに溶ける昆布と煮干エキス!塩気穏やかにして微笑む旨さ!
おおお!なんと優しい味わい。身に染み渡るようなライトなエキス感。それでいてあっさり系と括れない滋味深さもしっかりあります。ポカリスウェットの如く、ごくごく飲み干せそうで味わいが豊かと言うい感じ。10年前の味をしっかり覚えているはずはないが、今回は、鶏系の味わいがとてもスッキリしている反面、昆布とか煮干の味わいの方が印象的。煮干よりも昆布の方が勝る???。
また全体的な優しい味わいには野菜の旨味も溶けていると思われ、とても身体に優しいと感じます。時間が経つと麺から吐き出される炭水化物も溶けるので、そこに更に甘みも加わるといった味風景の変化も面白いかと!。
<麺> 透明感すら覚える多加水中太麺!スベリ良く啜る楽しさが極み!出汁染みて明るい弾力!
以前も多加水系の太い麺だったと思いますが、とにかく食感が楽しい麺でした。半透明に輝く麺の地肌。微かに緩やかにピロつく中太麺です。歯切れがプツプツプリン!と弾ける小気味よい感覚がまず楽しい。そして麺の啜りがとても快楽です。ズボボボボボーーーっとまるで漫画の登場人物の気分で啜ってごらんなさい。中太なのにスルスルと抵抗感なく口の中へと吸い込まれてゆく様です。その口元や舌触り、喉元過ぎるタッチが残像に残るようで実に楽しいじゃないか!。
しかも麺量もしっかりしており、されどライトに食えるので胃もたれ感皆無で、罪悪感すらも覚えません。ヘルシーとすら感じるかと。また湯ぎりが徹底的なのでしょうか、ぬるつきも覚えず、出汁を吸い込んで噛み締める時の素地の甘みもいい感じです。
<チャーシュー> 極楽低温調理!豚はしっとり赤身と蕩ける脂身!鶏はサイコロカットのコンフィ!
やはり低温調理の肉は旨いね。赤身と脂身のバランス良い豚肩ロースのスライス肉。とても大判で出汁と麺の熱で肉が熱って色が変わるかと思いきや、温かみを感じる中で肉本来の旨みを楽しませてくれます。赤身はとてもしっとりとしており、薄い下味の浸透を覚えつつも赤身肉味を感じるタイプ。また脂身は出汁の熱で少しとろんとした表情になり、その温かみゆえに脂は甘味を感じさせるほど蕩ける旨さでありました。
また豚肉の下には、実は鶏胸肉のコンフィがサイコロカットされて隠れており、これもつまんで食らうのもまたいいね。わざと出汁に一旦沈めスポンジのように染み込ませてから食らうとまた旨し!。思わずビールが欲しくなるが、クルマで来てるので今回は酒断念ですー。
<メンマ> 中太麺と太さと長さがシンクロ!麺と共鳴する柔らか穂先メンマ!しかもボリューミー!
実はちょっとメンマでびっくり。ここでは「メンマ増し」がオススメです。まぁ穂先メンマであり、今となっては探せばある具材ですが、「太さ・長さ」が中太麺ととても近いために、麺と絡んでフィットするイメージ。つまり麺でメンマを絡めようと意図せずとも、麺の一部かの如くメンマが絡んでくるから面白いのです。麺のモチモチ食感と滑らかなスベリ。そこの物腰柔らかでサクサクとしたメンマの食感が同時進行で麺と楽しめるのですから最高。見た目はやや出汁深さを思わせる色合いですが、実はあっさりとしており、塩出汁を吸い込んでうまいタイプです。
<味玉> 薄出汁の深い浸透!あっさり白身のライトな味わい!ねっとり卵黄は重厚な旨味!
とろとろな黄身ではなく、芋羊羹の様な仕上がりでねっとりしたタイプ。そしてシンプルな感じがする味玉。薄味か塩ダレの漬け込みタイプでして、黄身が固ゆで・ジェル状・ねっとりと段階的に楽しめます。それを大胆にスープに沈めて味を絡めて味わうのが旨し!改めてレンゲで救いとって一気に食って楽しみます。味わいの余韻として「甘み」が重厚に広がるのも好印象。
<替え玉> しっかりホール1玉追加!味が薄まるどころか替え玉で塩気と旨味がアップする!?
実は「さの麺」と言う超極太麺が、裏メニューとしてあると聞いて、最初はさの麺・替え玉はレギュラー麺でと計算に入れての所業。さの麺を口頭で希望伝えると、ご店主申し訳なさそう・・・・。暑いうちは麺がダレるのでこのタイミングでは用意してないのだとか。残念。なのでまた同じ麺を食らうこととなりますが、これはこれで全く残念ではありません。
ひょっとして1玉180g程度あるのか?と思うほどボリューミー!食えるか?と少しビビったけど全く問題なく食えて汁完まで平気でした。面白いのは替え玉にした時の方が全体の味が濃かったと思えたこと。普通だと替え玉だと薄まるのでタレを効かせたりするのですが・・・。きっと塩ダレと薬味を提供時に追加してくれてるのだと察します。なので最後はまるで「かけラーメン」状態になるものの、一気に食い切れてしまったのであったー。
総じまして「10年経ってさらに進化!陸の孤島に隠れ名店!独創的コンテンポラリー系白河拉麺!?」
・・・と言う感動の嵐!。10年前も旨かったが更に進化したように新鮮な気持ちで旨く感じました。全体的に価格も抑えめで頑張ってる様だし、こんな陸の孤島に素晴らしい店があるとはとても貴重。ラーメンファンなら仙川の名店と連食ってのも楽しめそうです。秋の散歩がてら駅から歩いても20分弱。ぜひいかがでしょう?激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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