<渋いオヤジの溜まり場〜!居心地良すぎる週末の午後!>
「上板橋」に何度か訪れているのに、あの赤い看板の総本店をないがしろにしているようで心苦しいのだが・・・、ここには心を引かれる店があります。屋号からして捨て置けない雰囲気なのが、こちら「魂の中華そば」。ここはオヤジな私としてはホッとできた印象が強く、酒をやりながら日頃の憂さを忘れて、のびのびといいラーメンが味わえる記憶が強いです。今回、こちらに「ざる中華」系があったことを思い出して、久しぶりに再訪問してみました。
上板橋南口商店街を抜けて行きますが、行き交う人々はみなオヤジな私よりもご年配ばかり。店先も昭和感満載ですねー。まさに日本の人口問題を如実に語りかけてます。人生100年時代とは言え、ITやAI人材を今から養成しようという前に、何かやることが本質的に他にありそうな気がいたしますね・・・。
国家の問題はさておき、路地裏に折れると、その店はすぐそこにある。入店すると客はまばらで・・・・みな同年代か少し上のおっさん達ばかり。しかも全員が昼間からビールを空けているという素敵な雰囲気です。ラジオもない無音な店内ですが、むしろ静寂がまったりとして気持ち良い。入店した瞬間から、この週末の店選びの成功に胸がすっとする気分ですねー。
<大人の週末の過ごし方・・・サッポロラガービール赤星>
夏場だからか、以前あった日本酒のボタンが消えていたので、ビールのボタンを押して食券を手渡します。しばらくすると出たー・・・サッポロラガー赤星!。ハートランドファンですがこれも好き!。これは今後の活動のためにも記憶しときましょう。やはり昭和生まれの人間は、ラガー瓶ビールが腑に落ちるのです。
おつまみ付き。定番のチャーシュー短冊切りに、メンマ。そこに少しタレがかかってる。この何気無い一皿で、すでに実力がわかる気がします。詳しくは後述するとして、タレは自家製辣油のようなザラツキの中に旨味があるようで・・・・その一方で豆板醤に似た雰囲気もあったりする。このタレはかなり色々汎用性がありそうな旨味です。
<屋号に偽りなし!魂こもったハイスペック・ノスタルジー甘辛酸味のつけダレ最高!>
常連さんたちは、すでにこのおつまみの旨さを計算に入れて、色々工夫もしてるみたい。例えば、チャーシュー追加だったら、ラーメンじゃなくこのつまみにボリュームアップするとか、ネギを増すとか色々と・・・。完全に飲み屋気分だなと思うと、地元のマイ常連店「中華そば みたか」に通じる物を感じます。だから居心地が良いのか・・・と感じていたところで、ちょうど配膳。それがこんなセット麺顔。
おおお!奇をてらわない王道のざる中華の風景なのに、なぜかゴージャス感が漂うぞ!。よくよく見ると、特製にしたことから、麺皿に質感あるチャーシューとメンマがある上に、つけダレにも相当量のそれらが投入されており、ダブルのインパクトを感じさせる。しかもつけダレの漆黒の醤油感には明るさも十分に見受けられ、さらに透明感もありなむ。麺の落ち着きもかなり訴求力あるようで、全体から質感の高さがバシバシと伝わります。
つけダレから味わいますが、これがまた理想通り。しっかりと動物系のコクを伝えますが、豚エキスからくる優しい旨味が鮮烈です。白濁させないようじっくりと煮出した豚エキスは実に優しい印象を与えます。また鶏ガラも明るさに磨きをかけるような旨味を重ね、これらを醤油のしっかりめな塩気がまとめ引き締めるようあ味風景が見事。しかも落ち着きを感じさせるところから、魚介の旨味も感じられる逸品です。
そして「酸味」と「ピリリ感」がしっかりと縁取っているのが、ざる中華たる主張を感じます。酸味がわりとハッキリと伝わる一方で、金属的な印象はもちろんのこと、尖が一切ない。まろやかな酸味と仕上がっているのです。さらに刺激も忘れない。定番ですが一味の刺激が淡く広がる。
豚鶏の芳醇な旨味に、醤油の塩気、酸味とピリリ感、これらの渾然一体となった質感とバランス感覚が、素晴らしすぎて頭に記憶してからは、一気に無心に食い切ってしまいました。
<超和風中華の雰囲気なのに・・・リングイーネにも似た平打ち感がたまらん!>
麺がまた唸らせます。見た目は多加水っぽいのですが、引き締まり感がしっかりと伝わり、風味感もキープ。ストレート麺ですが、やや平べったいようなフォルムで、パスタで言えばリングイーネにも似た雰囲気を醸します。刻み海苔が載ってますが、これは張り付いて食べにくくなるので、冒頭でつけダレの方へ移動させましょう。
このスリムな平打ち感だけでも味の印象が変わりますね。噛みごたえにゆったり感が生まれるし、奥歯での潰しが明確に感じられる。また啜り上げるときのシルエット感がすごくわかりやすい。よく見ると、多少ボコボコしているのだけど、食ってる最中はほとんど気がつかなかった。
つけダレに浸すと表面積が広がるためか、とても汁の味を感じやすくなります。麺同士で貼り付きやすかったのが、汁に浸すと一気にほぐれて滑らかになる。そのまま啜り食うのもいいけど、メンマとチャーシューをひとつまみづつひっかけてから食うと、まさにパスタ食ってるような、重厚なタレと具材との旨味の絡みを知ります。
<トラディショナルの味わい深く豚肩ロース肉の旨味知る!さらにメンマが唸りまくり!>
短冊カットしているから伝わりにくいけど、この豚肉はかなり質感が高いです。脂身と肉質部分のバランスがかなり拮抗しており、一度余計なところが抜けて引き締まった脂身を食らうと、実にナチュラルな甘みでうまいです。そこに甘辛酸っぱいつけダレの味で濡れるものだから・・・・最高のおつまみメニューと思えてなりません。薄い塩味系というシンプルな味ベースなのも、つけダレの浸透で味変化を楽しめる一因かと思います。
またメンマが何気にやる!。柔らかうくて、クニュクニュした歯ごたえなんだけど、最後のコリコリ感が実に明るくて歯切れが良い。その上風味と味わいがあっさりしているから、これはいくらでも食えそう。夏の休みの昼食は、このメンマとキン冷えビールがあれば、もうそれだけで良い。そんな気分の高まりすら覚えさせる質実さ。お土産で売ってくれんか!?
<味玉にハズレなし!>
全体的に古風な雰囲気だから、ひょっとして固ゆでタイプ?と思ったけど、トロットロの卵黄仕上がりでした。これはつけダレが超あっさりタイプと思われ、深い浸透を感じる一方で、フレッシュな卵本来の味わいが残っていて感じがいい。白身はプルプルだったし、卵黄は中央にはトロトロ部分が多いものの、周囲はねっとりとしたジェルの纏わりもあるし、一番外側にはスカッとした部分も残る。これらを一度で味わうのが勿体ないので、3回に分けて味わいました。嗚呼、今回も味玉にハズレなし!。
<スープ割・ブーメラン方式:最後の〆に改めて香味野菜の風味を楽しむ!>
かなりビール腹になってタプタプな胃袋だったけど、一応スープ割りをお願いしてみました。つけダレの器を高い台に乗せて、手渡しブーメラン方式でキャッチします。これが意外にもほのかな味変化があって、さらに〆の気分を盛り上げます。
暖かくなったから風味がアップしただけでなく、香味野菜系の旨味が一気に広がるイメージ。ひょっとして生姜が滲んでいるのかと思ったけど、聞く程でもでもなかったので、そのまま平らげてTHE END
。
総じまして、「ニッチなテーマに手抜きなし!一麺入魂の質実ノスタルジックざる中華!」と言う他、何ものでもありません。これは心を打ちます!。これはもう一度食いたい。限定なら慌てふためくところですが、レギュラーメニューなのでとても嬉しい。冷やし中華・冷やしラーメンもいいけれど、夏の第三の選択肢「ざる中華」なら、激しくこちらオススメであります。そんな宣伝で店の協力をしたところで、とっとと最後に詠って、いつもの通りに締めたいと思います!。
うだる陽に
暑さ揺らめく
商店街
魂こもる
質実ざる中
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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