【東京都内の格安天津麺シリーズ その4】
<穏やかなる小春日和!ほっこり街中華の余韻に浸る休日>
とある休日、久しぶりに解放気分で、一人ママチャリでサイクリングなんて、洒落込むオヤジなオレです(単にロードレーサー買えないだけですけどー)。近くに「多摩湖サイクリングロード」と言うなかなか行政が整えたにしてはイケてる道がありまして、るんるん気分でゆるゆる走りました。途中脇道にそれて、近くのセブンイレブンで休憩し、金麦なんぞを空けてたりする不良サイクリングでしたがね・・・・。まあそんな感じでも、残る青葉と枯葉が入り混じる小金井公園で、まったりと過ごす時間がありました。滅多にできない人生を振り帰りなどもすることができましたしー。・・・直近の人生振り返る?すると仕事よりもラーメンが先に浮かんだりして、嗚呼こんなことだから、オレもここまでの男だったのかと深くため息が出てしまいます。嗚呼こう言う時に見上げる空は、やけに蒼いんだよねー。
小金井公園で深くため息をついたところで、なぜか急激に腹がへる。いわゆる井之頭五郎シンドロームですが、近くの「一平ソバ」で油そばとビールを軽く胃袋に押し込もうと移動を始めます。すると少し走ったところで、妙に気になる街中華屋の前を通りまして、そこが「櫻華」さん。訝しんで店先を眺めて異端ですが、とりあえず店前で店に関する情報をネット検索をいたします(便利な世の中)。すると実食レビュアーが少ないものの、どれも高評価。しかも「天津めん」がある上に『どれもお安い』と言う夢みたいな展開じゃないですか!今でしょ!行くしかないでしょ!!
入店すると、街中華そのものの朗らかさ。おっちゃんが炒め物をつまみつつビールを一人であおってたり、パパが小さい子供達引き連れた戦争状態のようなランチスタイルやら、配送業お兄さんの一人ランチだったりと、人生の縮図状態。店の大将が一人で調理を切り盛りしている傍で、おばちゃん2名体制でオペレーションをこなしています。
<シンプルゆえにごまかしが一切なし!秋晴れのフワフワ感を映したカニ玉風の穏やかさ!>
オレを出迎えてくれるおばちゃん対応が、これまた明るくて優しくて・・・惚れたりはしませんが、なかなか高い好意を持ってしまいますよ。すかさず「天津・めん」と訴え「丼(どん)とは違う」と言うアクセントをしてみましたが、それをそのままコピーし受け取って、店の大将にオーダーを飛ばして来れました。それからスマホなんぞを取り出してメールチェックしてたら、あっと言うまに時間が経ち、早々に配膳を受けました。それがこの麺顔。
これほどまでにシンプルで、優しさが溢れ出す天津麺顔は、初めてかもしれません。透明感すら醸し出す琥珀色の餡に絡まった玉子焼きは、焦げ目が一切なくそして柔らかさを猛烈にアピール!。一体どこに隠れてしまったのかネギ等の薬味の存在すら感じさせずです。
つい数十秒前までは、中華鍋の底で踊りながら炒められてた・・・そんな不定形な玉子焼きの輪郭です。それだけに余計な圧力がかかっていないような素ぶりで、箸を通すとサクッと抵抗感低く崩れます。まさにふわふわと言う感覚がすぐ伝わる。中はつい先ほどまで半熟状態だったと言わんばかりに、フルフルと震えるような卵の感覚。具材は微妙に青ネギを見つけることができますが、微妙にニンジンなのかのかけらがある程度で、ほぼ玉子の味わいに賭けたと言う構成です。なので玉子のふわふわ感からくる肉厚さも見逃せません。
味わうとこれまた優しい味わいで泣けてきます。醤油餡には少しばかり中華出汁を感じますし、醤油の色合いのように塩気も浅く感じます。それがトロミを帯びて玉子と絡むのですが、受け入れる玉子がすごく薄味で、塩気があっても胡椒っ気がない。餡のトロミと玉子のふわふわ感の合間に、素材の味わい、出汁のコクが広がる・・・といった味風景。それらがとても小春日和の光景によくマッチいたします。
カニ玉風でなくとも、大満足の天津玉子焼き。これで600円ですからねー、これは破格値ですよ。
<やっぱり「いつもの普通」が一番!団欒を感じる中華麺の歯ごたえがナイス!>
天津麺は、「餡が絡む」ことから柔らかめだと餡の重力にコシが持っていかれると言うか・・・へたってしまう。かといってカタメだと餡との絡みがいまいち。ここの合間がポイント何ですよねー。その隙間の妙を得ていると言うか・・それがなかなかやるのですよ、こちらも麺が!。
特にこだわったところを一切感じない大衆的な麺ですが、茹で残った粉感もない一方で、風味を感じさせず、餡と絡むのを前提に少しだけカタメに仕上げたような仕上がり。蓄熱する餡の計算がなされており、時間経過と共にちょうどいいしなやかさになってゆく・・・そんな感じ。だから前半と後半ではイメージが違ってきます。
前半は、淡くクッツリとした前歯に切れ込みから始まり、奥歯でのプレスにはややハードめでクチっと潰れてゆく感覚です。そこに餡が絡んだり玉子と一緒に混ざったりと複雑な歯ごたえに絡むのですが、まあおかずとご飯といった感覚で食べすすめます。そして次第に麺がしなやかになりだすと、玉子と麺と餡が突然一体化すると言うか、ターニングポイントを迎えます。箸で玉子を割って、麺でハサミ入れて、餡をすくい上げるように搦め手から食う!。これが後半の最高の楽しみ方でして、天津麺の醍醐味かと再認識いたしました。いやー・・・妙なこだわりから始めた天津麺連食シリーズですが、ここにきて再発見再確認できて、やっと意味を見出した次第です。
<前半の「スープと醤油餡の交錯」がドラマティック!後半の「一体感」が平和象徴的!>
天津麺シリーズだと、どうしてもスープ印象が後回しになってしまいます。今回の天津麺は「醤油餡からみ」と言うスタイルで、やっぱり天津麺とくれば餡だよなーって和んでしまいます。天津麺は、どうも後から餡をタレのように最後にかけまわして仕上げるようですね。カニ玉風卵焼きの製造過程で、スープと餡を絡め片栗でとろみをつけるものと思ってましたが、実は餡は別過程のようです。そう思ったのは、レンゲですくったスープの姿から。ベースのスープと、トロミ餡の境目がきっぱりと映っております。これは中華鍋では一体化していなかったと言う証ですね。
混じる前にベースのスープを確かめようと思ったが、やはり無理っぽかったです。確かにあっさりとした醤油感覚で、鶏ガラと言うより豚肉の煮出しがしなやかな印象。それに乗っかるようにやや強めに効かせた醤油味の餡が浸透する様が見受けられます。混じりあうとちょうどいい塩梅になる感じ。混じり合う寸前の微妙なアンバランスが一番楽しい瞬間かもしれません。後半はすっかりと溶け合って、やや粘りが残るような清湯スープに感じます。玉子の隙間に入り込んで、卵のコクも染み出しますし後半になるほど複雑な味わいに昇華します。
総じまして、「赤子と包む産着のような玉子と餡!人の胸中柔らかいところを一気に鷲掴みする一杯!」という感覚でしょうか。魂を持って行かれたような感覚すら覚えてしまいまして、私の再訪問リストに確実に入る店かと感じ入りました。いやー、正直にもっと早く来れば良かったと悔しさすらあり。早速次回は何を食おうかと考え出していますが・・・・「もやしらーめん」辺りが次なるツボかもしれません。近いうちにまたレビューアップいたしましょう!。それにしても家族連れも多いのねここの客層は。それもそうか、近くにあるのは小金井公園なんだから。子供さんの面倒を一人で見ているパパ族が、マクドナルドでは満足できない自信の欲望を満たそうと言う考えかもしれませんねー。餃子もうまそうですから、お子たちと仲良く分け合ってくださいな。ビール中瓶は450円ですー。最近免許の更新をして、自転車でも飲酒運転となることを強く念押しされたので、私は控えてしまいましたが〜。そんな平和な秋の日の中華屋でのんびりさせてもらいました。この朗らか気分を忘れないうちに、最後に詠って締めたいと思いますー。
天高く
小春日和の
穏やかさ
轟音響き
イヴァンカ来日
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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