【東京都内の格安天津麺シリーズ その3】
<相変わらず最強コスパの街中華ぶりを発揮の店なのだ!>
また来てしまった「中華料理 タカノ@新高円寺」。つい先日、ここで「うまにそば@500円」を食って感動して以来、ずーっと平日の食事タイムも頭から離れない状態になってしまい、週末にまた寄ってしまいました。確かここには「天津メン」があったはずだって覚えてたのもありましてね。狙い通りに今回はそれを迷わず注文しますが、何と600円と言う破格です!。このメニューは都内だったら900円前後はしますからねー、相変わらずコスパがすごいです。
だいたい私が来る時間帯には、同じように来る人が決まっているようで、また同じ常連さんに遭遇してしまいました。肉野菜食ってた人が今回は、五目そばをがっつりと食しておられる。おお、それも美味そう!目玉焼きがトッピングされてるなんて、ちょっと珍しいスタイルなのね。近いうちにそれも食うと思います(笑)。
何となくメニューをぱらぱらとめくりながら感じていたんだけど、こちらは具材のボリューム感と餡が絡んだ炒め物が得意そうな感覚です。もやしそば@500円も異様に美味そう。昼間のニュース番組などを眺めたり、次訪問するメニューを考えたりして、全く飽きることを知りません。
<これほど手が込んで、質感高く、馴染みやすくて、非常にお安い・・・まさに驚愕!>
飽きずに過ごすには、厨房での製作を眺めるのもありますね。しかし今回は飽きないどころか大変興味をそそられてしまいます。天津メンのトッピング玉子ですが、それ専用の少し小さめのフライパンを取り出して、すごく丁寧に具材合わせをして炒めて、溶き玉子を投入して神経を尖らして対峙し、仕上げの香味も忘れず、焦げとフワフワ感を計算してるのが、ビシビシっと伝わりますよー。それと並行して醤油系のスープを中華鍋に投入して味調整。その後水溶き片栗粉を投入してとろみを調節。タイミングよく麺が茹で上がってと・・・見事なるプロジェクトマネジメントです。出来上がった最後の決めポーズは、フライパンの上で一回空中回転をさせる妙技という流れです。
出来上がったら、丼に乗せて餡を垂らして完成。前回同様にお母さんが恭しく回り込んでカウンター席まで運んでくれる配膳でして、それがこの麺顔。ううーー見事なる玉子焼きととろみ餡の琥珀光沢です。実に質感の高さを感じますが、街中華たる馴染みも同時アピールする素晴らしき出来栄えに感謝すら覚えます。
今回は「とりみ餡」があるタイプの天津メン。とろみ餡は、天津丼の場合、色々地域色が出るみたいね。関東なら甘酢餡をよく見かけるみたいだけど、関西では甘酢餡は全くと言っていいほど見かけません(生まれの京都だけなのかな)。薄い醤油色した餡、いわゆる「醤油餡」ですが、大学に入ってから大阪の友達と話してたら、「塩餡」が多いとか言われてびっくりしてたっけ。その後就職で上京して、会社の寮近くにあった中華屋では「甘酢餡」だったことに大変ショックを受けたものです。
天津の玉子焼きも店により個性あるけど、大別して「カニ玉風」か、「玉子オムレツ風」かどちらかでしょうね。大抵「カニ玉」がイメージなんですが、カニ身の単価がかさばるからなのか、結構千円近くもする高級メニューだったりする。その一方で、カニ身外して玉子のフワフワ感で勝負というのも多いですね。ほぼ玉子と薬味だけでも、腕前だけで美味しく仕上がるし残念感がない店も多い。これを鑑みると、こちらの天津メンは、後者(カニ身なし)でありシンプル玉子派のようですが、いやいやどうしてどうして・・・細かく刻んだ具材がいっぱい入っていて、サービス精神に溢れます。
ニンジン、ニラ、キクラゲ、刻み葱、それらがみっしりと入っていてオカズになる玉子焼きという感じ。しかしそれだけではなかった・・・干しエビが細かく入っている。味の深みが増すわけで、別格にうまい玉子焼きとなっております。箸で割ってみますとフワフワ感の中に、具材の密度が高いのがよくわかります。その隙間にとろーりとした醤油餡がからみまして、美味さ爆発という感じです。さらにボリューム感があって満足度が高いところもポイントでして、大抵麺を平らげてスープを飲み干すエンディングが、最後の一口まで玉子焼きが残るということになります。スープに解して溶かすにもよし。塊を単品料理的に食うのもうまし。少し小さめな塊を麺を絡めて食うもよし。完成品の見栄えは間抜けなほどにシンプルなれど、色々食べ方味わい方のバリエーション楽しめるのが、「天津メン」と言えましょう!。
<十分に旨味を吸い込んだストレート麺!餡の絡みも見事な一体感が素晴らしい!>
玉子焼きに気をとられてあまり麺に注目していなかったのだが、相変わらず心地よいほどほど感を楽しませてくれる中華麺です。やや柔らかめでありつつもダレた感じはなくて、餡によく絡んでくれます。炭水化物の感覚が胃袋にしっくりとくる一方で、汁と具材の旨味を吸い込んだようなフィーリングで、おかずに対峙するご飯の役割を果たしてくれてるのがよくわかります。
前歯でスパスパと小気味よく噛み切ったところに、玉子焼きのかけらが混じりこむ。奥歯へと運び込んで一気にプレスすると、具材の歯ごたえと混じり合ってすり潰され、中華調理麺の醍醐味を知ります。特にキクラゲと人参の欠けらと麺のグルテン感が混じったところなどは、汁と餡の塩気も混じり合ってうまし!。表面はツルツルしていてズボボボボボーーーっとライトに啜り上げたいところですが、天津メンの場合、トッピングと一緒に口へ運び入れワシワシと食うのが慣いでしょう。まさにご飯となる一品ですねー。
<少し凛々しい中華醤油タレのエッジング!緩々な餡が舌にも絡みつく和み感覚!>
こちらは、「うまにそば」でも感じましたが、ほんの少しだけ味が濃いめに仕上がっているので、調理麺としてはピントが合う味わいと感じます。片栗が入ったとろみはゆるゆるなのもポイントで、くい進めるほどに、具材の汁も滲み出してサラサラしてゆきます。玉子の風合いが混じっても味がボケない。
ベースの鶏ガラ豚肉のエキス感は、トッピング具材や玉子の風合いに溶けてしまってダイレクトには感じないものの、うまくバックアップしていることは確かでしょう。何も玉子焼きの旨味だけで成立しているわけもなく、最後に飲み干すスープの中に、五目そばに通じるサラサラ醤油スープの輪郭を感じて、一気にフィニッシュです。
総じまして、「一段上行くホスピタリティ!和みと感動のふわふわ卵感覚!食わずして街中華天津を語れず!」と言う私個人的には最大級の賛辞を与えたい一杯でございます。日頃、天津メンの存在を忘れたりしますが、このジャンルも食い逃したら人生損かも・・・。ご興味があれば、一回くらいこれ食ってくださいまし。これだけ手が込んで600円ってところも前提に味わってくださいましー。これだけ美味くて安けりゃ、気持ちよく清算ができるってもんです。ごちそうさまでしたーってこちらもちょっと陽気な気分になります。しかしそれ以上に、厨房から応対してくれた店主が、ありがとうございましたーーーーーーってめちゃ明るくひょうきんに返してくれる(笑)。そういう愛嬌ある店だったのね(爆)。奥からお母さん店員さんもニッコリ笑って送り出してくれる。うう・・・この店さらに惚れてしまいそうになってしまう。早く、今の天津メン連食企画を終えて、別のを食いに来たいです。とりあえず美味いもん食わせて食えれた感謝を忘れないように、最後に詠って締めますー。
突き抜ける
秋の青空
暖かく
天にも昇る
タカノの天津
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!