【東京都内の格安天津麺シリーズ その10】
<典型的な地元密着型エンタテイメント街中華!>
だらだらと検索がてらに食べログを眺めていたところ、たまたま偶然に発見した「飛鳥」さんの情報に釘付けになってしまいました。少し遠いけど、店内の雰囲気がとても、「街中華!」ってな感じがしましたし、それに「天津メン680円」と言う設定ですから、これは行かねばならぬでしょう!そんな流れで週末に、板橋区の徳丸と言うエリアに出没してみました。
徳丸と西台というエリアは、とても坂道が多いのが印象的です。そういえば都営三田線もこのあたりから地下から地上に上がるのでしたっけ?。坂道というより階段ばかりという感じもしますが、天気が良いせいか上から見る景色はなかなか見渡せるので気分が良いねー。そんな住宅地の絶景ポイントをうねうねと降って数分歩いたところに「飛鳥」さんがあります。
偶然、私が一番客になってしまったみたい。殺風景な店内ですごすごと近くのテーブル席に陣取ります。すると・・・ものの5分程度で後客がずらずらずらーーーっと入店してきて、テーブルを私一人で占領するのも気が引けて、カウンター席へ移動を申し出ます。女性一人が厨房で・・こんなに対応できるのか???と少し不安になります。また皆常連客ばかりで、その中でも強者はオーダーを伝えもしない。もう阿吽の呼吸って感じでしょうが、果たして無事に仕事をやり遂げられるのか?と心配していたら、大将が買い物から帰るのが遅れたように入ってきて、ちゃっちゃと着替えて厨房に立ちます。バックオーダーの確認を奥さんから聞いて、本格始動といった感じ。いやー、その切り替え方がとても男前です。
<少々の焦げも含めて玉子の味わい一本勝負!ちょいとカニ身が霞むフレーバー>
奥さんから大将へと調理のバトンタッチはされたのですが、私の生産タイミングは奥さん担当ロットだったので、早々に配膳が進みました。ちなみに奥さんの中華鍋使いも相当イケてるので、大将が戻ってくるまでは、てっきり女手一つで切り盛りって感じる凄みがありましたもん。そんな麺顔はこんな感じです。
軽い焦げ目がホットケーキみたい!なんて感じたりもしますが、なかなか非餡掛けタイプで王道の玉子焼きって感じがしますねー・・・存在感は写真では伝えきれません。決して小ぶりではない丼のほぼ一面に広がる玉子の円盤。少し前までは中華鍋で踊っていたはずですが、麺顔となって落ち着いたプレゼンス感が迫力あります。
早速箸で割って見ましたが、薬味や具材も見受けられれず、とてもプレーンな玉子焼きのイメージがビシビシと伝わります。別に出汁で解いた訳でもないのに、ふわふわな玉子感覚と、周囲のカリカリさが生み出す香ばしさが流石です。絶対に家庭では出せない仕上がり感は、ナイスとしか言いようがなし。具材がなしでここまで食わせるか・・・と感心していたら、ポツポツと薬味ネギも中に発見しますし、また無いと思ってたカニ身が、微妙なほど投入されてる!。
今回感じたのは、スープが玉子焼きに染み込んでいい感じに仕上がってるところでしょうか。どの天津麺でも大抵は同じようなのですが、ここのスープの味わいがとても鶏ガラ系のいい塩気を発してまして、それがじわっと玉子に染み込み、特別うまく感じるのです。箸で割った玉子焼きを、わざとスープに沈め混んでから食ったりして・・・それが妙にうまかった!。
<風味が残る細型ストレート中華麺!玉子のフレーバーよりスープを吸い取る旨味!>
他の常連客は、皆ラーメンとチャーハンとか、炒め系を選んでおられました。なんとラーメンが380円!タンメンが400円という激安ぶりですから、セットにしてもお財布には安心です。しかし、ただ安いからだけでないのがよくわかったのが、この麺のうまさです。特別珍しくも無い街中の中華麺なのですが、スープとのバランスがとてもよく、風味を楽しめたという逸品です。
ストレート系で細めなタイプ。そしてナチュラルな捩れが微妙似合って、あるか無いかわからないくらいのボコボコさがいい感じのフォルム。全体的には馴染み感ありありの大衆麺なのですが、かん水の風味も低くて、グルテンの存在すら感じ取れる。そんな茹で上げ方がナイスです。これも、大将が帰ってくる前の仕事だから、奥さんが手慣れた手つきで平ザルからすくい上げたやつです。前歯の千切りだけでなく、奥歯でプレスしても麺の風味は持続し、すり潰すと同時に汁と完全に結合する旨さへと変化していくような感じかな・・・・いつまでたっても上手く表現しきれないもどかしさよ・・。
今回は、玉子焼きのかけらと麺とを乗せて同時に味わうのもそこそこに控えました。麺を普通に麺として食った方がうまい気がしたためですが、どうりでラーメンの注文が欠かせないはずだと思い知ります。
<誠にわかりやすい中華風鶏ガラスープ!調味料のニュアンスもここでは好印象>
とにかく分かりやすいうまさ!。中華出汁といったニュアンスがいちばんフィットする、鶏ガラ醤油味です。塩気も邪魔にならないほどにしっかりと効いており、そこに醤油の匂いと鶏ガラのコクを深く感じるという定番の味わい。あまりにも分かりやすいので調味料の存在も多少認めますが、それでも全体的には、食が進む味わいで、グビグビと最後まで飲み干させる魔力を感じます。
先ほど玉子焼きにも好印象を与えるスープと述べましたが、微妙に染み渡る玉子焼きの油と香ばしさも、しっかりとスープにも浸透しております。それが香ばしさをまた華やかしに、コクを深めたような味わいにもなってまして・・・このスープだけでも白飯がガツガツ食えそうな気にさせます。
総じまして、「昭和のご馳走感覚がまぶしき天津麺!」と言った店全体の雰囲気も味わいの内という感じで、ごめんちゃい。店先のガラスショーケース、店内の使い古されたテーブルと椅子、格安のメニューたち、寡黙な大将と明るい奥さん、馴染みさ溢れる常連客など。。。どこを切り取っても昭和の街中華の原風景に溢れるこのお店。大変気に入りましたので、今度はイオンの帰りにでもまた寄らせてもらおうと思う次第です。
さてこの10日間は、「東京都内の格安天津麺シリーズ」としてレビューアップさえせてもらいましたが、今回の10投目でとりあえずこのシリーズは区切りとさせていただきます。途中、いろいろありがたい情報を寄せてもらった方々とその応援には深く感謝をいたします。今回は一応「600円台をキープ・700円を超えない」というコンセプトもあった次第でした。あしからずです。さてと・・・次はどんなシリーズ化しよかなーーーとまだまとまってませんが、しばらくはナチュラル気分で適当に食いますー。ということで、一区切りつけたところで、ほっこり気分を乗せて最後に詠って締めます!。
だらだらと
疲れ抜けない
週末に
心休めに
ふわふわ天津
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!