【東京都内の格安天津麺シリーズ その8】
<目黒区で驚異のコスパの街中華が健在!>
東京都目黒区で、武蔵小山駅から徒歩圏で「ラーメン350円」で提供という驚異の街中華屋さんです。もう少し歩けば「楽観」がありますから、それも優先順位を下げてしまう理由です。でもかねてから注目しており、ワンコインラーメン企画でもっと早くピックアップするべきだったんですこの店は。ただし、意を決して訪問して2度ほど臨時休業にぶつかってしまい、今まで流れてしまいました。今回ようやく初訪問です。
ここで本当は、「ラーメン@350円」か「タンメン@430円」かに絞っていたのです。そして数年前までは300円で、値上げしてもこの低価格!ってレビュー内で叫ぶつもりだったんです。それが、店内に入ってお手製のメニュー表を見たところ、「天津メン@530円」って表記があるじゃないですか!。そんな情報があるならもっと早くレビューアップしていたぞ!!!!。ちょっとこのメニュー名と価格を見たところで、背筋がゾゾゾーーっときてしまう!!!!!
そんな興奮冷めやらぬ私はさておいて・・・・店内はいたってマイペースです。電話注文で受けたメニューを、大将が機嫌よく炒め作業に没頭です。私の他にサラリーマンが入ってきてから、奥様がレスキューとして厨房に現れる。この奥様と大将の会話がちょっとコミカルで、仲良い羨ましさもあって、実にええ感じでしたわー。「鍋の焦げは落ちにくい」というつまらない日常出来事で、この老夫婦は笑いあっておられますよー。おまいら新婚かい!!とツッコミを入れたくなるほどに、仲良きことは美しき哉です。
そんな憧れ目線を、その厨房内のカウンターから老父婦に送っていたわけですが、後から入ってきたサラリーマンのチャーハンが最初に配膳されたりしてね・・・。おいおい、天津メンの玉子焼きはどないしたんやねん!と激しく心を揺さぶられたところで、配膳が完了。ちゃんと並行作業してたんやね!。本当にツッコミを入れなくて、良かった良かった恥かくところでした。
さてその麺顔、おそらくデフォルトのラーメン@350円に玉子焼きがのっているだけと言う、シンプルというか、少し気の抜けた表情です。しかし大衆的な馴染みさと価格を鑑みると激しく納得してしまう説得力はあります。そんな感じでまずは玉子焼きを箸で割り入れ、先に味わってみることとしました。
正直驚いた!カニ身(ほぐし身)がしっかりと入っておるではないか!この価格帯(500円台前半)でこれはすごい!。しかも、結構ボロボロとそれが入っているのだから、これは掘り出し物かもしれません。具材としてはメインはそれだけで、あとは、ネギの刻みがふんだんに入っているのみ。ネギの多さも魅力的で玉子の味わいにビビッと緊張感を与えるような味付けです。さらに注目すべきは、卵のフルフルっとした仕上げ方が非常にナイス!。白身に至っては半熟そのもので、まるでフルーチェのようなフルフル感を演出です。
見栄えは大衆的というか、ワイルドというか、それなりなのですが、全体的な味付けはとっても優しめ。塩気をあまり感じさせず、それでいて卵の味わいをメインに食い進めるという感じで、これはご飯には必ず合うと思います(だったら最初から、天津飯を食えよと・・・・汗)。
<極細手前に近い大衆中華麺!淡いクツクツ感覚も残り、スープとフワフワ玉子に絡む!>
きっと長年付き合ってる取引先なんでしょうねー。中華屋でよくあるねり水個性が効いた、密度高めなストレート中華麺です。どちらかと言うと細めなタイプ。汁を吸いがちなものの、少しカッツリした引き締まりがいい感じで心地よいです。前歯のスパスパっとした千切れに微妙な抵抗感がある程度で、奥歯に送ってプレスすれば、汁の染み込んだ部分が味わい深くて一層食欲が進みます。
これは滑りを楽しみたい系統の麺ですが、やっぱりかに玉を乗せて食うのが美味かろうです。ふわふわ卵とカッツリ細麺のコントラストがとても痛快で、なかなか楽しめます。スープを吸い込んでも淡白なんで、かに玉と喧嘩しないのがよくわかる組み合わせです。
<なかなか薄味に近いあっさり感覚が珍し!かに玉とは相性良し!>
さて最後にスープですが、意外にも薄味に近いあっさりタイプでして、後から入ってきた常連客らしき人は、配膳と当時に麺類はさっさと胡椒と何かもふりかけてチューニングをされてました。しかし、この程度のサラサラ感が、個人的には心地良いので、そのままデフォルトで楽しむことにします。
鶏ガラの明るいコク、と言うよりは豚肉のじわっとした旨味と豚骨のさらっとした煮出しと言うイメージなのですが真偽は不明。醤油の色合いは一般的ですが、カエシの輪郭はすごく控えめです。野菜の旨味が少し乗り移ったか?のような優しい印象も受けますし、そんな大げさなこと考えてないようなシンプルな味わいとも思えます。
後半最後は、醤油スープとかに玉のエキスとのランデブー。双方の味わいがとてしっくりと調和し、中華スープの一品か?と想像したのはちょっと褒めすぎか・・・・。それでも、普通にうまかったとここでは伝えておきたいです。
総じまして、「破格な気軽さあれど、カニ身の手抜きなし!」と言うそのままの感想でごめんちゃい〜。いやーここはおそらく商売抜きで生きがいとして、続けておられるのではないでしょうか。そういう姿勢が実に心を打つわけでして、「街中華の醍醐味」そのものだと最近思えてくる。もっと突き詰めれば、奉仕が先で利益が後からついてくるというかね・・・・そんな思い。かといって無理しているわけでもなく、料理は少し「ワイルド感」とか「ざっくり感」があって楽しいのです。その「ざっくり感」が今回のカニ身のふんだんさに繋がってるとしたら、実に愛らしくも憎めない店です。また来るか?と自問自答すれば、オフコース!。オススメは「チキンライス」。出前用なのか、先に作ってたのを拝見したけど、なかなかワイルド感と家庭らしさがある中華風でナイスでしたよ!。そんな感謝の気持ちを忘れないうちに、最後に詠って締めることとします。
秋雨に
静かに揺れる
赤暖簾
くぐる店先
にじむ気楽さ
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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