<時の流れが止まったような中華そば屋>
今日は立川へ外出。ランチタイムのピークを過ぎてもごった返すラーメン店があちこちに。そこで予てからとっても気になっていた店を目指し「西国立」へと一駅移動します。目指すは、「日の出屋」。以前偶然発見したその店の風貌が、とても印象に残っていたので、ようやく実行に移せます。
西国立駅から、北へ向かいますとスーパーがあって、その先の丁字路を突き刺すように路地へと入り込みます。のぼり旗と看板が目印ですが・・・・どう見ても建築年数をそれなりに感じる一軒家、民家です。入り口は普通の玄関になってて、靴を脱いで畳の居間に入り込むと言う風に入ります。うどんではこう言う展開はたまにあるのですが、ラーメン店で、この年季の入り様はすごいです。正しく昭和のご家庭に入り込んだかの様。冷房と言う洒落たものはなく、扇風機2台が大活躍しております。うーむ、いいねー。こう言う雰囲気も味わいと言えましょう。
【素朴の中の素朴なる大勝軒の系譜!甘辛いじっとり感さえ優しく感じる雰囲気がナイス!】
かなり素朴な民家作りの店内ですが、メニューを見るとまた泣かせる様な文言が。ランチサービスで「特製つけそば」中盛までが、「ワンコイン」でご提供とのこと!。もちろんそれをチョイスでして、とっても腰の低く優しいお母さんに、それを告げてゆったりと店の雰囲気を味わいながら待ちます。学校夏休みだから家族連れもおられます。座敷の台に同じ世代のサラリーマンと相席になり、しばし待つこと8分程度で配膳が完了です。
おお!なかなか濁りの深さと醤油の濃ゆさが伝わって来て、中々良いではありませんか!。豚魚のシャバっとした黄土色を想像していたのですが、どちらかと言えば丸長に近いか・・・、まあ根っこは同じか。しかしそうは思ったんだけど、濁りがあることと、ペッパーよりは一味主体の味付けっぽいところが、なかなか大勝軒!と思わせるオーラは伝わりますか。レンゲがないのでグビッと直に付けて味わいますが、見映えよりはしっかりとした味付けがナイス!。ハッキリとした塩気には醤油由来の凛とした風合いがあるし、また酸味が効きめあって塩気の後押しをしているようでもあります。しかし酸味は次第に円やかにも感じたりして、慣れてくると変化する印象。さらに一味の溶け込みが想像以上にあるので、これで酸味と塩気のエッジを立てている感覚もしないでもない。
しかし・・・段々甘みを感じ出すから不可思議。ゆっくりと魚介の甘みと豚骨の結びつきが確認できたかのようで、酸味の奥にようやく甘味を感じ始める次第。醤油は割りと効いているのに、甘みを感じ始めたとたんに、「甘辛い」と感じ方が変化するから、人間っていいかげんな生き物かも。いやそれは私に限ったことかもしれませんがね。
暑さ対策にビジネスバッグから扇子をとりだして、熱い熱いと感じながら汗をかきつつ麺をすする。汁を飲む。額に滲んだところでタオルハンカチで汗をぬぐい、パタパタと仰ぎながら、次の一口へ・・・そんな繰り返しを続けるのみ。何か「ああ、日本の夏してる!」って自分でも妙な気分になったりして・・・・すっかり昭和な気分になってしまいました。
【昔ながらの中太のウネウネ多加水麺!粗熱取り除いた程度の温度感もステキ!】
麺がまた久しぶり感ある素朴さ満載です。初めて大勝軒を体験したのは10年ほどまですが(関西人だから)、そのころは緩いモチモチ感があって、シャバめの豚魚には相性いいなって程度に思ってたけど・・・・久しぶりに感じる「レトロなつけそば」という雰囲気がいいね。丸い膨れ面した切り口で、うねうねしていて、加水は多め。密度感否定というか、つるっとしなやかに滑ってナンボな感じがいたします。これは、まさしく「つけ」「そば」でして、じゃぶじゃぶとつけダレに沈めて、そして勢い良くズボボボボボボーーっとすすり込むのが楽しい。ただ、まだこれから外回りがあるので、ハネを飛ばすわけにもいかず、上品に頂くしかなかったかな・・・。
前歯で切るときのプツリプツリとした軽く弾む感覚も楽しい。奥歯ですり潰してモグモグと咀嚼するときの弾みが、気持ちを明るくさせます。これから重い打ち合わせだというタイミングだから、すごく肩の荷が軽くなる気分だね。やっぱりこの麺は風味よりも、全体的な「弾み」が楽しい。昔はこういう麺がもっと多かったような気がするのは、懐古の悪い癖かもね。
それより一番気になるのは、緩い温度かな。粗熱をアラアラに取って盛り付けたようなイメージだが、ほんのり温かみがのこっていて、つけダレの味が良くのっておるという印象です。あまり絡みつかないタレだろうと思っていたら、温い温度感でタレとしっくりと同調するわけだな・・・・こりゃ旨いわ。
【ワンコインとは言えシッカリしたチャーシューの迫力!メンマもゴリゴリ感素晴らしい!】
わざわざ特製をワンコインサービスしてくれるとは嬉しい! 大勝軒スピリッツというか、「おなか一杯になってほしい」魂が垣間見えます。ゆで卵ハーフと、ロース肉チャーシューが分厚く2切れ。そして細くて眺めのメンマが相当に入っております。特に、チャーシューが決してやすっぽくないのがいいね。ロース肉につけダレに近い味わいがぎゅっと染み込んでおり、周囲の味が濃い部分なら白飯がいくらでも食えそうな味わいです。また繊維質にそって解れるほどの柔らかさが憎い。ビールにももちろんあうだろう。
またメンマも細身でゴリゴリという感覚がすごくいい感じ。これは酒に必ずあうはず。一味の辛味が染みこんだ部分は特に旨い。今さらながら・・・・この安さとボリュームなら、野菜もりを追加しても良かったかも。つけダレが結構残るので、そういう食べ方もあったなと後追いで思う次第。
【スープ割り:ブーメラン方式・魚介が映えて汁系に期待】
お母さんに告げてブーメラン方式で返してもらいます。これが煮干が効いたいい割りスープですが、濃ゆさもほどほど残っていて、これはかなり中華そばに近いスープに仕上がっているかも。これなら汁系もまた欲しくなりますね。相席サラリーマンが実に中華そばを旨そうに食うものだから、影響されてしまったか。
総じまして、「よくもまあ生き残ってたと言うかそのまんまの昭和感!」と感じて愛さずにはおれません。店も一杯も。新しい店もいいけど、たまには、生き残るレトロな店もよいものですね。ここは気に入りました。いつまでも元気で永ーーーーく営業を続けていただきたいと思います。秋風が吹く頃・・・また外出ついでがあったらふらっと寄りたい。きっと夜は夜で風情がありそうだ、この店は・・・・。ということで・・・・なので詠います!
靴脱いで
畳あぐらの
六畳間
レトロな気分で
懐かしつけそば
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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