<埼玉で名古屋アピールで頑張る店>
川口と西川口と、一駅違いでずいぶんと私の中ではイメージが変わります。浦和に住んでた頃は、本屋をのぞきにチョクチョク途中下車した街。ちょっとしたクラブもあるのだけど、西川口に比べて地味なイメージなんですよね・・・。当時は資格試験の準備で明け暮れてたから、あまり充実した生活はしてませんでしたな・・・。でもこうやって久しぶりにやてくると、懐かしく思えてきます。
さて、感傷に耽ってはみたものの、川口にやってくると、急に夏の夕立のような雨に遭遇。馴染みの本屋でぶらぶらして、本に熱中してたら、雨が上がってピーカン照りでありました。慌てて今回の目的地「竜葵」さんを目指しますが、すでに満席で外待ち状態。今回は完璧に出遅れました。甲州に出遅れた近藤勇の心境かな。狙うは「塩そば」。ラ活先輩方のレビューに触発されたという単純な理由でして、・・・埼玉ラーメン攻略するにも、もう遠出する軍資金も尽きた次第です。今回は、なんだか赤羽にやってきた気分とそう変化がないけど・・・張り切って味わったわけです。
【名古屋コーチンのアピールが明るくてしみじみ・・・・色気よりも上品さに唸る丸鶏のコクがナイス!】
それにしても暑いぜ・・・・、店前の陽が照る待ち座席より、立ち待ちの日陰の方がいい。気分良く美しく順列に従った並んでいると、食券を確かめにスタフさんがやってきて「先に食券を購入してお並びください」と下知を受けます。しかし、事前に食券を購入している方が誰一人おらず。もうごちゃごちゃになって、急に慌てて全員が食券を購入する展開に・・・・。もうこの状態で先に食券を買う意味が分かりませんが、行列時のオペレーションは店にとっては難しいテーマですね、確かに。そして全員が食券を買い終わった途端に、これまた急に客が続々とはけ出して・・・・、一気に店内に誘導されて座れることに。なんだかなー・・・・って、実はすごいマイナスイメージで始まった今回の実食です。
ううう・・・・不機嫌で5分待ったかな。そしたらこの麺顔と遭遇です。「なんじゃこりゃー!」久しぶりに松田優作を思い出します。光っとるがな!最初は証明の関係かなと思ったのですが、そうでもなさそう。鶏油のきらめきがまさに黄金ですやん!スープのきらめきと透明さに度肝を抜かれつつ、少しでも写真メモに残そうと撮りまくりです。一通り撮影を終えて・・・いざ実食。
まずはスープから。レンゲを差し込むと、鶏油がペイズリー文様のように、するりん!っと窪みに垂れこみます。一見・・・神奈川淡麗系のような展開。しかし、味わいはというと、鶏コクの色気が濃ゆいのだけど、どぎつくないなめらかな味わい。純度100%と鶏の出汁感覚。ガラというより丸鶏の煮出しを感じる芳醇な味わいがじわじわと広がります。鶏のコクのスマートさが重なって濃ゆいという感じでしょうか。動物系の中でも二足歩行のスッキリさがにじみ出ますね・・・。はっきり言って美味かった!
そして塩の輪郭もすごく考えられたバランス。あえてクッキリとした塩味でなく、ぼやかしたような塩のエッジ!そこから先は食べ手が味イメージのデッサンを仕上げるような挑戦的な感覚かもしれません。
またこのスープは、ひつまぶしをサイドメニューでオーダーしている方は、茶づけの出汁に流用するそうです。そりゃ美味いに決まってる!。私は・・・胃が調子良くないので控えましたが、その代わりに柚子胡椒をチビっと後半に投入してみました。それがまたドンピシャでして、柚子胡椒と淡麗塩ダレのマッチングが良いとはいえ、これはかなりのものですよ!もう最後は、分けてちびちびと味わうつもりが・・・・一気に飲み干してしまった次第。
【滑らかでシルキーなスベリ心地!まとまり感と淡白風味のグルテン・・・後から汁を吸い込んだ淡水化物感覚!】
淡麗系のスープに合うのは、加水低めのパツ麺も塩加減によってはいいけれど、こういう芳醇な緩やか系では、やや加水多めな方がいいかもです。スープをより吸い込むようにまとまりが良さそうなストレート細麺が良い。そういうイメージにぴったりと来ており、個人的にはストレートど真ん中!。器の中で軽くローリングしている麺を解く作業もこれまた楽しい。
箸で麺をリフトすると、まとまろうと麺が寄り添うようなイメージ。前歯でのあたりは実に軽やかで、プツプツっと切れ込む。奥歯では一瞬でクチっと潰れる感じ。その瞬間には、麺の風合いが発散されるし、炭水化物とスープコクが結合する旨味も感じる。
それにしても、見ればみるほどコーティングされたような艶めきが素晴らしい。実は、「和え玉」というメニューがあって、180円でご提供。味付きと謳ってあり、「そのままでも・・・」と誘いかけます。ああ!すごく興味が湧いてきて逆に宿題をもらってしまったかも!
【鶏も豚も極めてきめ細かい旨さを実感!ハーブが効いたような清涼感と滋味が溢れる逸品】
最近は二種のチャーシューが当たり前のように出てきますね。しかも上質なことが多いので嬉しい! ピンボケで残念だけど、鶏胸肉のコンフィっぽい肉は、どこかほのかにハーブの香りを感じるような薄味の塩。同じく、レアチャーシューも風味が良くて、酒好きにはたまらないアテの要素を持ち合わせます。ここは酒が豊富だったらもっともっと流行るかもと、思えてなりません。
総じまして、「唸る黄金の名古屋コーチンの滋味!淡麗の肉厚さを感じる一杯!」という感覚でしょうか・・・。川口近辺にもラーメン店が多いけれど、淡麗の名店がポツポツあるのは、個人的には嫉妬を覚えるほど。特に塩系で美味いとなれば・・・辛いものを覚えます。また来るか・・・と問いかけられれば、ここは必ず再訪問を果たす!と言い切れましょう。まあ・・・東京北区も川口も、私にとっては遠征気分ではあまり変わりないので(笑)。次回は、サイドメニューも試すつもり!暑い一日に色々ドタバタとしたけれどいい一食でありました。ということで・・・なので詠います!
灼熱と
陽射しを避けて
路地裏へ
ミネラル補給に
淡麗塩そば
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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