今回は、池袋界隈へ外出。これはラッキーと思って、昼飯抜いて早く片付け、そして一杯ひっかけてオフィスに戻ろうかと思いきや………伸びに伸びた。ランチタイムをとおにすぎて、午後三時を回ってしまいましたわ。ああ、ラーメン屋が中休みに入ってしまった。もう泣きそう。
駅そばでも啜るかとも思いましたが、高田馬場手前で悪魔がささやきまして、「通し営業の店あるで〜」なんて耳打ちします。この時ピンときたのが、末廣ラーメンさん。これまで幾度も幾度も前を通り過ぎてまして、何となくいつでも食えると、記憶に刷り込まれてしまっていたようです。スマホ取り出してネットで確認すると、何と京都の「新福菜館」とは縁がある店とか! これはもう行くしかないでしょう!あの黄色い看板が急に愛おしく思えて突撃してしまいました。先客女性一人だけ。後から学生さんたちがドカドカと入って、こんな半端な時間に一気にカウンターが埋まってしまった。恐るべ早稲田のパワー。
【新福菜館直伝の濃ゆい醤油のさっぱり感!豚コク強めのナイスなアレンジ!】
ラーメンのサブタイトルに「栄養満点」「滋養強壮」と書かれているのが、少し歴史を感じるところ。中華そばが、あっさり当たり前であり、また少しだけいい食べ物であった頃の名残か、食糧事情なのか……そんな昔には、こう言う触れ込みが、ぴったりときたのでしょうか。そんな思いを巡らしながら、静かに配膳を待って提供されたのが、この一杯です。新福系譜とくれば漆黒の闇を連想するのですが、意外にも深い茶褐色な色合い。豚のエキスが表面を漂い、茶褐色をより濁らせているような見栄えです。これはネギと入り混じると苦さと脂が中和して旨そうと感じます。
レンゲですくい上げると、表面の濁り部分がささーっと分かれて、直下の醤油スープが顔を出します。そこで漆黒醤油感覚が目覚める。味わうと、豚の非常にしっかりとした煮出しを感じます。豚エキスが甘くにも感じるし、また妙な纏わりつきもなくサラサラーと食わせる感覚がナイスです。ネギの苦味も柔らかで豚の味とよく絡むしバランスの良さがあります。
そして醤油のスープ感が、まさしく系譜を感じさせますねー。醤油のカエシがキリリと強く感じる塩気がいい! しかも辛くもなく見た目以上のあっさり感がさすがです。喉の渇きを感じさせないところが秀逸かと。また飲み込んだ後に残る味わいに、仄かな酸味を覚えるけど、それが妙に醤油の醸造感を何となく感じさせるし、味の折り込みが非常にキッチリとしている感覚です。いかん、無意識に飲み干そうとしてしまう………。晩飯食えなくなりそう、このままだと。
【風味感じつつも褐色に染まるナイスな麺!特大まで同額サービス!】
麺が期待通りです。加水はやや低めで中程度と言ったところか。軽い熟成度を感じる風合いに、醤油の染まった褐色。その褐色に醤油との相性に良さを感じます。中心部の柔らかい芯を感じる歯ごたえで、クシクシっとしたような擬態で小気味よく前歯で切断されます。奥歯でも似たような感覚。プレスするとより一層、クシっとして麺のグルテンの風味が際立つと言った感想です。
表面はきめ細かくてシルキーな感覚。ツルツルと光っているけど、適度に舌触りとして纏わりつくフィーリングがナイスです。喉越しも良いけど、かなり熱くて火傷しそう。しかし熱ダレもなくて最後まで楽しませてくれる。
もっといいことは、並、大盛、特盛、同一金額だってことかな。これは、お得感ありあり!再訪問は確実で、腹を空かせてもう一度トライしてみたいです。
【恭しく提供される……入れ放題のネギ!これこれこれなのよん!!!】
ネギのトッピングが圧倒です。ラーメン丼に山盛りなネギですが、席に着くと、お冷よりも先に、この大盛りネギが一人一人に丁重に配されます。質も悪くない。東京のど真ん中でこんなネギサービスがあったなんて! 実はこれだけでも気持ちを持って行かれたかも。京都オリジンな私は、このスタイルに非常にこだわってしまうのです! このネギ盛りがあるだけで、嗚呼、何という幸せに包まれるのでありましょう………。ネギ芸人ならぬネギヲタク、ネギフェチ。
また忘れてはいけない、薄切りチャーシュー。このペラペラさがええねん! 薄切りな故に、醤油スープを豊潤なまでに吸い込むし、脂身部分が甘くとろける。ミルフィーユのようにして、重ねて食うと歯ごたえも面白くてよりうまい。また、麺を肉で巻いて食うのもうまい。京都のチャーシューと同じで嬉しい!
総じまして、「FCよりも深く感じる新福スピリッツかも!」と言うのが少し驚きであります。本店は秋田ですか。京都との関わり合いのキッカケまでは知りませぬが、わざわざ東京に支店展開をしてくれていることに感謝を覚えます。隣客のチャーハンが目に入る。嗚呼、あの醤油で真っ黒な新福系のチャーハンだ………。こいつも食いに、また来なければならない。思いの外興奮したわー。なので詠います!
氷雨降る
重い風景
モノトーン
濃ゆい醤油の
温もる深み
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!!!
関連ランキング:ラーメン | 西早稲田駅、高田馬場駅、面影橋駅
- 出版社/メーカー: 末廣酒造
- メディア: 食品&飲料
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 三田誠広
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/01/09
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る