【今週のラーメン２０４３】平和軒（東京・大崎広小路） MISO TOMATO

　何もかも嫌になってくるな〜〜と、やさぐれ気分で夜に近い夕刻。ここは憂さ晴らしに人気店へと駆け込んで、ストレス発散と行きたい所ですが・・・、今はとても心が疲れたの。こういう時は、思いっきり昔を懐かしむような、レトロな雰囲気に包まれたいもんです。そんなこんなで、大崎の「平和軒」さんを訪問してみました。先人たちのレビューが以前から気になってて、行くなら今しかない！と言うか「今行きたい！」と本音で思った次第。それに、屋号が琴線に響く…。

　立正大学のキャンパスの前。崖みたいな階段を上がったところに、ボロボロの暖簾が誇らしげにはためくレトロな店。住宅街がこんなところにあったんだといのも発見なんですが、その住宅街にぽつねんと、タイムスリップしたかのような独特の浮き出た存在感です。訪問時、少しタイミングが早かったのか、夜の部一番乗り。ご店主は、座敷席でまったりと客待ちしていたところを、少し驚かせてしまったみたいです。ちょうど民家をそのまま改造したような造りで、座敷席とは言っても、我が実家の雰囲気とそう変わりはない雰囲気。ああ、和むなー。座敷席占領しようかと思ったんですが、靴脱ぐの邪魔くさいほど疲れていたので、今回はテーブル席とさせていただきます。しばらくしてメニューを伺いに来られたけど、この店なら、唯一無二な「MISO TOMATO」を注文するのが本望！ 12分程度、ゆっくり時間を微睡んで、タバスコとともに配膳が完了いたします！

【食が妙に進む！ライト味噌タンメンにトマトの酸味が華やか！と言うイメージ！】

　むおー、これが名物「MISO TOMATO」か！全然突飛なメニューと言う感覚がせず（それなりに食べ歩いてきたからか？）、むしろ落ち着いて見えるから不思議です。ファンキーさがすでに昭和な感覚。むしろ好印象度が高まるか。

　味わいは、個人的には「ライト感覚な味噌味タンメンに、トマトの旨味と酸味が前面に出て来た」ような感じがしました。酸味が印象的なれど、立派な大衆系中華調理麺と言えましょう。トマトは、後追いでどんどん舌に馴染んできます。塩気に混じり合う旨味がベストマッチ。後から、ギュンギュンと酸味が爽やかに広がります。豚ひき肉の炒めの旨味と香ばしさも、よくマッチしているし、ますます好きになってゆく感覚。

　オススメは、タバスコをほんの少しだけ入れることかもー。ご店主の勧めには素直に乗りましょう。私は、ほんの３滴ほど投入に止めましたが、バランス崩さない程度で十分でしょう。味わいに微かに、一本軸が加わったような、味わいに立体感が出て来ます。多少シャバイスープと頭によぎった冒頭の印象が、実に腑に落ちる瞬間。妙に、別メニュー「平和軒タンメン」は、どんな味風景だろうと、再訪問のことをすでに考え出してしまう。

【やや加水低めでボソボソっとした感じが好き！程よい中華麺の風味を楽しむ】

　この一杯は、麺の質感もバランスが取れていて、いい印象を与えてると確信です。別にカリスマ製麺所でなくとも、総合力とバランス力の勝利。よくある中華麺に違いないのだけど、このボソボソ感が好き。微かに乾いたグルテン感覚を発して、前歯の歯切れがスパスパと気持ち良い。奥歯のプレスでは、クシクシっと低反発で潰れこみます。麺の密度感はライト。やがとゆっくりと汁を吸いだして、味わいを増します。

　すすり上げがまた、気持ち良いかも。表面が多少ざらついて、そして淡く捩れているので、勢い良くすすった時の、内頬を駆け抜ける感覚が快感に近い。リーズナブルな価格だから、麺大盛りにしても良かったかも。

【白菜の甘み！もやしの歯ごたえ！トマトの酸味！野菜不足にちょうど良い！】

　具材は見ての通り、野菜中心です。欲を言えば、もう少し挽肉感覚があっても良かったかも。白菜、人参、もやし、そしてトマト。中華鍋で炒めたような雰囲気を感じる、シャキシャキ度合いと、クッタリ度合いの融合が、堪りません。最近、めっきり家で食事することも少なくなりましたので、野菜不足なおっさんには、ちょうど良いかも。

　総じまして、「昭和レトロが繰りなす、ファンキーなタンメン！」と言う感じがしてなりません。幾つになっても、ただ守るだけでなく新しいもんへの挑戦心ってのが、実に羨ましいと言うよりカッコええかも！これはまた、近いうちに再訪問したいと、帰る道すがらも気がそぞろであります。これは、心も体も暖まる以上に、元気をもらったかも！なので謡います！

　　　大崎に
　　　レトロな店に
　　　ボロ暖簾

　　　漂う哀愁
　　　ほっこり包む

　お粗末！と言うことで家族にも感謝しながら合掌！！今日も本当にごちそうさまでした！！！