【今週のラーメン１８８７】 Barrio Nibo （東京・中野）朝ラー・温そば

　さいころの朝営業ということを聞きつけて早めに出勤。中野駅で途中下車です。しかし、勢いが良すぎて早く来すぎた（笑）。近くのマックでコーヒーを飲みながら時間潰しをする早朝です。しかし、２４時間営業のファーストフード店ってのもドラマがありますな。少し混んでて、一角だけ席が空いているのでラッキーと思って座る。すると、その隣はいかにもあやしい男女の重たい会話。安モンのドラマみたいな会話が響き渡る・・・・。金をむしり取ろうとするだらしない男と、もう金を貸せない、だけど断ると接点をなくすから寂しいとこぼす女。それは、どうみても不釣り合いなカップルで、どっちもグダグダ・・・。女の生活資金の１２万円全財産を巡ってやいのやいの。絶対に幸せにする気がないその場しのぎの男の言葉は、詐欺師というふうではなく、単に生活資金を恵んでくれというだけで、聞いているだけでも情けなくなります。ああ・・・この大都会には、どれだけこんな関係がはびこっているのでしょうね。朝の爽やかな気分が台無しなのであります。いい加減切り上げて、「Barrio Nibo」さんへと足を向けます。

【店：夜と一転した朝の爽やかさ！本日の仕込み準備の忙しさの中で食う１日の始まり！】

　まだ認知されていないのか、先客ゼロ。私の貸切状態ですが、スタフさんは４名ほどおられます。おお！なんだか勿体ない体制だな〜と思っていたら、この日の営業の仕込みを始めているのですね。なんだか朝から活気があってよろしいです。まったりと背中に日を浴びながら待つ・・・。しっかりと作り込まれて配膳があっという間に完了します。せっせと男達が働いている傍らでズルズルと啜るのも、なんだか活力をもらっているような気もして気持ちがいいね〜。やはり、１日の始まりは、こうでないといけません。

【スープ：やさしくしみ込む甘めの煮干し出汁、醤油の輪郭は少し丸めでハッキリめ】

　配膳されたそれは、夜の丼とは違って和の落ち着きを感じる器です。汁はたっぷりめに注がれて具や麺はすっかりと埋没している麺顔ですが、フチに貼りつく泡立ちが豊富。煮干しのエキス感を十分に感じさせます。まずは、レンゲで啜り上げようとしますが、なかなかしっかりとした温度感で、フーフーしながら味わい出す。

　　　おお！まろやかな煮干しと醤油のまろ味！！苦味排除のほのかな甘みが、朝の胃袋にはやさしく染み入りますな！

　個人的には、よるのニボ感よりは少し柔らかめに感じますが気のせい？　ニボの香りは苦味淡くてピッチリ感ありかと夜のイメージを意識してましたが、やわらかい煮干しの甘さがほのか〜な感じで、少しばかり醤油の輪郭・カエシが滲むといった味風景。これならグビグビと一気に飲み干せそうな濃度です。朝のセットではご飯が付いてきますが、これなら茶漬け風にしてベストな感じ。そういう食べ方を意識した作り込みなのかもしれません。朝マックで時間つぶしたりしなければ、朝ニボ茶漬けに浸りたかった・・・。

【麺：朝から和ませてくれるシルキーなストレート平麺】

　見事なシルキーフィーリング。典型的な多加水でストレート平麺です。表面はキラキラと光沢をたたえて滑りの良さがいかにも！という感じ。そして前歯を差し込むと容易くクチリと潰れるタイプです。束になったそれを奥歯でプレスするとプチプチと順を追って潰れるという感覚が嬉しい。

　　　汁を啜るように麺もナチュラルに滑り飲めるような感覚！麺の風味より滑りを存分に楽しみたい！

　多少もちもちしますが、後半は汁を少しすってよりコシつき柔らか。まるでにゅうめんのような口当たりの良さが光ります。これを大盛りでなく、この程度の麺量ですっと切り上げるのが、朝ラーというもんでしょうか。

【具：ミニサイズなれど、二種チャーシューがしっかりと！】

　海苔と肉は少しかわいいサイズ感。朝だから重いのも避けたい気分を先取りしたようなサイズ感です。これがまたよく見ると、二種チャーシューだったから驚き。ひとつは、肉煮干しでおなじみのようなバラ肉で、やさしい醤油ダレの淡く染み込んだ脂と肉質がとても馴染んでうまい。そしてもう一種は、ブラックペッパー仕立てのロース肉のようなチャーシュー。これもまたスープに浸ると少しニュアンスも滲むのですが、ペッパーと煮干しの相性も悪くないです。メンマはフレッシュな感じがして、少し大きめでやわらかい。色合いも薄くて光るようで綺麗。好きなタイプかも。

　総じまして、「朝雑踏の中の不思議な止まり木ラーメン」という感覚でごめんちゃい。あまりにも、朝の時間つぶしで入ったマック店内で隣の悲しい男女の会話が頭から離れなくて・・・ラーメン食いながら、あのあとどうなったんだろうとついつい考えながら食ってしまった。脈略ないけどやっぱり、この日本は生活格差が拡大しているのだなと実感。しかし、いろんな境遇であっても、みな平等に朝日を浴びる。惰性にながされてはいけないなと感じたのでありました。ああ、なんだか気分は消化不良気味。でも胃袋にはとても優しい朝ラーメン。なので詠います！

　　　朝起きて
　　　気だるいカラダに
　　　優しさよ

　　　朝の日差しと
　　　煮干しの香り

　お粗末！と言うことで家族にも感謝しながら合掌！！今日も本当にごちそうさまでした！！！