【今週のラーメン１７７５】うさぎ食堂（東京・中目黒）鶏しろラーメン

　すっかりラ活遠征が、邪魔くさくなってきたこの頃。通過エリアの開拓ということで中目黒駅で途中下車。というのも放置していた宿題店が、ずーっと気になっていたもので。「うさぎ食堂」という名前が妙にほんわかしていて、ほんわか気分で味わえるかも〜とチェックしていたそのお店です。しかし、なかなか小洒落た店内とそのメニュー構成に・・・・ちょっとオヤジを自覚している身としては、違和感を覚えますな・・・。しかし、昼下がりに、ほんわか気分に浸るつもりが、少し身構えてしまうような店内の雰囲気。週刊誌でも読みながら・・・・と思っていた待ち時間ですが、ここでは読み終えた朝刊に再び目を落としながら過ごすこととなります。「鶏しろラーメン」というやつをチョイスしましたが、メニューの方も、配膳の前後ではすごくイメージが違って面白い一杯でありました。

【スープ：コース料理に出てきたかのようなまったりと濃厚な上質感がいいね〜】

＜泡立つ円やかさにミルキーなコク！まるで高級ポタージュ！＞

　配膳の瞬間、こちらの気分がふわっと浮かれ気分になりそうです。このきめ細かい泡・・・・。泡といえば「大漁まこと＠渋谷」か定番なところでは「魚雷＠春日」あたりが浮かびますが、それらとはまた違った意味で、洋風にまとまった感じがします。泡の隙間から覗く褐色な出汁は普通の鶏白湯のようですが、泡と一緒に食すると、これまたクリーミー！いやミルキーというべきか。コクの広がり方が洋風でして、これはまるで披露宴で高級ポタージュをいただいているような気分です。

　鶏のコラーゲンが張り付くような煮出し感とか、骨の髄のちょこっとしたエグ味など全く皆無！ベースの鶏白湯もなかなかのものとお見受けします。鶏なのに・・・クリーミー。卵を投入したらカルボナーラに近くなるほどの仕上がり感。

＜塩気が丸く凛と響くよう！薬味投入でマイルド塩気に変貌＞

　塩気がまったりと丸い感覚なんだけど、肉厚でもあり、クリーミーだから優しく感じる。だから、カルボナーラをイメージしてしまったのかもしれません。塩気は効いているほうだと思います。このまま、いつまでもすすり続けていたい気分。ただし、薬味たまねぎを供せられているので、こいつを試さない手はない・・・。

　この薬味たまねぎは、なんとなく、少し酸味が効いたドレッシング仕立てみたいな感覚で、マリネっぽいといえばそんな気もしないでもない。単独で食ってもそこそこうまい。後半、全部投入しました。すると酸味の効果というべきか・・・・あのクリーミーでまったりとした塩気がとてもすっきりとして、ごくごくと幾らでも飲み干せてしまいそうな、やや軽やかな味わいに変化。これは、投入前後の味わいは、人によるだろうな〜。

＜最後はガーリックトーストでスープを味わう＞

　仕上げは、ガーリックトーストをスープで浸して、浸パンにして食う。私は、邪魔くさがりなので、四当分に割ってそのままデカいクルトンのようにしてスープに浮かべて、レンゲですくい上げて食ったけど。見栄え、味わい、最後の〆方まで、一貫して洋風スタイル。こういうの女性に受けるだろうな・・・。

【麺：一歩間違えばスープパスタなのだが・・・・しっかりとラーメンらしい歯ごたえ】

＜ストレート細麺がすごく良くスープと絡む！滑らかさ抜群！！＞

　どちらかというと極細に近い部類のストレート麺。地肌もきめ細かくて麺と麺が隙間なくよりそうような風貌が、とても流れるようで綺麗に見えます。クリーミーな泡もその隙間に入り込むようにも見え、とにかくスープとの絡みは尋常でなく良いです。すすり上げるとそれはまるで、クリームスープパスタ・・・とまで言うと誇張が過ぎるか。滑らかさは、想像以上にぬるーーーーと滑ります。抜群にすべります。

＜奥歯では淡い芯のあるクッシリ感覚、前歯ではプツプツと千切れる感覚＞

　すべりばかりに気が入ってしまうけど、歯ごたえは、淡いアピール感。啜り上げてから前歯で千切ろうとすると、実は淡い芯があったらしく、プツプツと小気味よく切断される。これがまた、ゴボウの極細ささがきの素揚げと交じり合うと、淡くクッシリとした感覚と、ゴボウのカリカリっという食感が交互に押し寄せて楽しい。またゴボウを咀嚼する際の、どくとくの風味が・・・ジャポネスク！という感じでして、想像力をかきたてられますね〜。

【具：見栄えも香りもお上品な質感！豊かな味わい！】

＜鶏胸肉の真空調理なのか？筋肉がしっとりと解ける柔らかさ＞

　もともとは、フランス料理の新しい手法だったのか（知らんけど）・・・・真空調理法。果たして、その熱加減の絶妙な伝わり方からくる、パフパルとした肉食感は、この泡立ちスープとはベストマッチです。スープが「ソース」のように感じられるほど。わざと泡にくぐらせて鶏チャーシューをいただくと、その肉とソースのきめ細やかさに、幸福感を感じます。胸肉の筋肉繊維が、もはやビロードのようでっせ・・・・。シルク以上！

＜薬味がこれほど絵になるとは！＞

　さてさて、最後は薬味です。「ゴボウ」と「おかひじき」と「白髪ねぎ」。スープの泡に浮かぶ天空の城のようであります。ゴボウは麺で触れたけど、おかひじきも実は同様に、歯ごたえと風味を噛むたびに与えてくれ、そしてでしゃばり過ぎず、とてもいい仕事ぶりです。また白髪ネギは、印象薄いけど、実はこれも麺に張り付いていて、とてもしゃりしゃりとしていた。

　この圧倒的な泡の存在感あるスープに、どんな薬味を配置しようかと考えると、なかなか難しい。それを思うと、このチョイス感と組み合わせの妙は素晴らしいかもしれません。

　総じまして、「オヤジもセレブ気分！フレンチ鶏白湯！」といったそのままの感覚でごめんちゃい。とてもコンテンポラリーに洗練された一杯であり、店内も落ち着いた明るい雰囲気！なのに・・・・食ってる客はオヤジばかりというＧＡＰ感が否めませんがね。それにしても、泡立つ鶏白湯は、機会があったら是非一度食っといてくんなまし。なので詠います！

　　　真っ昼間
　　　おされなラーメン
　　　中目黒

　　　なぜか食らうは
　　　オヤジばかり也

　お粗末！ということで家族にも感謝しながら合掌！！今日も本当にごちそうさまでした！！！　　　　　　