多摩川を、あっちへ行ったりこっちへ来たり。東急東横線や、JR横須賀線を利用していて、多摩川を通り過ぎる時間ってのが少し好きです。川とか水辺を見るとちょと気分が変りますな・・・。仕事で行き来するものだから、ここで気持ちの、ON / OFF を切り替えることができるようでもあります。さて今回、仕事で遅めなランチということで、移動途中で「多賀野」に向かったのだが、食ってとても幸せな気持ちになり、一気に仕事気分が腑抜けてしまう。そんなところを、この風景を見て、気合を「ON」に切り替えるといった感じかも・・・.。
しかし、すこし前までは、腹を満たしつつ、のどかで小さな駅「荏原中延」でまったりとすごしていたのが嘘みたい。街を歩く人たちもゆったりと闊歩していた感じだったっけ。そんな長閑な街の味「多賀野」であり愛されている。この店はどんな時間に寄ってみても、時度に混雑して行列が発生しているし、否応なく行列に連結したのだった(当然やね・・・全国な名店やし)。今回は妙な時間だったから、一番あっさり系と思われる「粟国の塩そば」をチョイス。粟国・・・・これだけで、海塩の特別な雰囲気を感じさえますやん。なんとか仕事に間に合いそうな待ち時間で食えたのもラッキーだったかもです。
【スープ:粟国の塩のまろやかさに・・・数々の薬味が調和する崇高な塩系!】
<塩がシッカリしていながら、甘くもまろやかな口当たり>
いや〜見栄えもどこか定番ながらも造形的ですし、値ごろ感感じます。そして想像以上に塩スープが薄い黄金色に輝き、なかなか崇高さを醸し出す見栄えですね〜。消費税が上がって以来少し麻痺してしまっているのだが、750円というプライスがとてもリーズナブルにも思えてくる。そんな質感オーラが垂れ流しの、久しぶりに迫力ある麺顔です。
レンゲで掬ってひと啜り。う〜ん、塩らしいスッキリボディーが実に染み入る・・・・。鶏豚系の煮出汁がとっても効いているし、塩ダレも厚みを感じる。しかも双方の旨みが合体しながらも、塩気のエッジが丸みを帯びるという感覚。絵に描いたような崇高系塩清湯です。こういうところに海塩ならではの「やさしい塩気」「丸い塩気」「華やかな後味への抜け」を感じ入りますね〜。まさしく、粟国という島の特別さを感じるスペシャリティーがある部分なのか!。テーブルセットに何気に振り掛け塩があって、「粟国・・・」とあります。これ欲しい・・・、アマゾンで探してみよう! しかし、単に振り掛けただけじゃな塩ダレに節系のバランスもあり、落ち着きも感じるのでしょう。このスープは何時までも啜っていたいと思いつつ、あっという間に完飲状態です。隣に座ってたお姉さん先客から感じる目線が痛かったけど・・・・。「この人、マジでヤバいラヲタだよ。」って思われていたことでありましょう(言い返せませんね・・・)。
<薬味の共演!唐辛子、ネギ、オニオン、柚子皮、ゴマ!それぞれの仕事ぶり>
何気に薬味が良い!キラキラスープに様々に浮かんでいるのですが、邪魔に見えないのだよな・・・・。厚化粧でなない上品さがあるといったところか。順位上げると・・・・。
赤唐辛子。こいつは、見栄えの飾りがメインかと思えたけど汁をよく味わうと、塩気の最後のエッジングにキリリ感を与える良い仕事をしているかのよう。よくあるパターンとしては、調味料や胡椒を少し加えて仕上げるというのが多いけど、赤唐辛子の仄かなエキスが、ナチュラルさとシャープさを映してくれて、とても飲みやすく仕上げられていると思えます。
ネギ小口切りと、玉ねぎ微塵。こいつが、香味と甘味を醸し出しますね・・・。より塩スープに甘味を感じさせます。ネギは歯応えも感じて、シャリシャリしてて気持ち良い。玉ねぎはもっと歯応えが協調されて、香味より甘味をメインにシフトしたかたち。それぞれぷかぷか浮いているが、最後の最後まで適度に泳いでくれていて、最後の一滴まで楽しい。
柚子皮。いつもなら最初に引き上げたいパーツなのですが、やはり皮質が柔らかいのか、後で食してみても苦みが少ない。とっても自然な柑橘類の風味が仄かで、淡い柚子塩感覚でさっぱりさを誘います。
そしてゴマ。意外に多めに降りかかっているのですが、心なしか風味あっぷよりも、食べ応えに貢献しているような。スープを食しただけでも、ゴマが入っていると咀嚼をしたい気分になりますし、食いながら飲むといった余韻を楽しませる。
【麺:麺に密度を感じるクッシリ感!ナチュラルさに加えヘルシーを思わせる麺の風味感がいいね〜】
<細麺でも実に健康的にクッシリとした歯応え>
実はこの店での汁系は初体験でありまして、こうもクッシリとしたいい麺を提供しているとは、全く知りませんでした。いや〜これは名店で見逃していましたわ・・・。細麺ですが、嫌みのない健康的な薄黄色。小麦の雰囲気を存分に感じます。そして歯応えは、前歯のファーストタッチの時点から、クッシリと感じさせる。カタメのテンピュール感でして、弾力というより沈み込みの固さで粉の風味を感じ取るといった感覚かもです。奥歯でのすり潰しにおいては、束になってクニリと感じさせるかと・・・。麺の風味もよしで、多賀野って麺も相当旨いのねと改めて尊敬しなおしました。
<ザラツキ感少なく、薬味も引き連れ、どこかしらプチプチしたすべりが楽しい>
スベリは良いのだが、「心地よい抵抗感」とでも言いましょうか・・・いい感じです。適度に捩れている部分もあって、啜り上げると内頬を軽くタッチするという風合いもいい。ザラツキとまで言い切るほどでもないが、地肌感の抵抗感も舌触りの心地よさも手伝い、啜り上げて楽しい。そして、麺が絡め取る「薬味たち」がぶつぶつと軽くぶち当たっていい感じです。見た目はカッツリしているけど、咀嚼もしっかりしているが、スベリもしっかりしている・・・・というような印象がイイネ〜。
【具:それぞれは質実な作り込みながらも、盛りつけ全体感が絵のように決まっている!】
<テッパンの安定感!バラロールとロース部位>
やはり、オーダーを受けての手切りの断面が、俄然旨そうに思えるチャーシューです。特製にすると英世が1枚飛ぶので、私のような人間はデフォルトで十分なのです。でもデフォルト肉で十分満足できようという仕上がり感覚!バラロール肉は、当然ながらほぐれるほどに柔らかく、脂身の甘さがクチに広がって旨し!加えて漬け込みのタレもいい感じで香ばしく、これは白飯にとても合うという仕上がりです。ボーナス入ったら特製にいたしましょうか・・・。
加えてロース肉も意外にジューシーで旨し。肉繊維のスキマにスープが入り込みスポンジのように吸収したところを、奥歯で噛みしめてジュワリ〜と旨み汁を口にほおばる・・・・・。旨いに決まっております。
<定番な柔らかいコリコリ感がまた調和して旨し>
ここまで、汁、麺、肉、そして薬味と完璧なものだから、当然メンマも贔屓目にみてしまう。特段驚くべき仕上がり感はないものの、しっかりと定番の旨み、アッサリ系の旨みとコリコリ感がナチュラルで、歯のスキマに繊維が入り込むというような残念感は一切ない!これなら、ビールのアテにも、十分に機能を果たすというもんでしょう!やはり、特製にしてトッピングの山に埋もれてみたい・・・・。
総じまして、「さすが名店!名作!全体にトレードマークを思わせる存在感」・・・という感じにさせる一杯ですな。個人的には感服です。
ラーメンを追い求め始めたころ、とにかく名店探訪の実績作りに勤しんでいたあのころ、本当に旨いと思ったはずなのだけれど、肩肘張った思いで食っていたのかもしれない。しかしその一方で今はただ惰性で食い続けている。最近、好きなラーメン食うのはいいけれど、なんでここまで固執して食っているのだろうとか時々感じることもあります。もっと自然に食いたいものを追い求めてもいいのかなと思えてきます。「成すがままなり」そんな気分でこれからはもっと自然体で対峙対麺していきたいものだなと感じる次第。・・・・なので詠います!
平日の
のどか駅前
遅い飯
残る半日
ひと時忘れ
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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