久しぶりに午前休暇をとって病院へ・・・。そんなの土日で行けよと思われるかなと思いましたが、忙しいときに敢えて休ませていただきました。朝、目覚ましで起こされることのない平日というのは、とても気分がいいものです。しかし、それから段々と街が朝で活気づきだすと、何だか取り残されたような焦りを覚えてしまって、自分はめい一杯ゆっくりとできない性分なのだなとつくづく感じます。決して真面目というのではなく、単なる貧乏性というやつでしょう。
午前中の病院のロビーは、老人達で溢れ、のどかにNHKの朝のニュースや、連続ドラマが流れるなか、自分の順番を待つのはやはりストレスを感じる。本でも読もうと鞄に手を伸ばすと出て来るのはビジネス書。違和感を覚えて、またしまい込む。やっぱり仕事していた方が気分は楽だったなと少し残念な気分にもなります。こういう時の気分転換は、「帰りにどこかで何かいい一杯を食おう」と考えること。病院の中で少し不健康な気もしますが、折角病院帰りなのだから、健康的な一杯を!といろいろ考えてみると・・・・「西荻窪のはつね!」と頭に浮かびます。これは、なかなかナイスアイデアだなと、プチ自画自賛したりして・・・・。
「はつね」は、平日であっても開店前には行列ができてしまってます。この日は10名程度だったかな・・・。客層を見ていると、サラリーマン風はおられなかったけれど、中年カップル(ご夫婦)だったり、学生風、地元自営業主風だったりとさまざまですな。いつもながらコシの低いご店主の静かな開店作業が完了して、店内にあんないされます。嗚呼、この瞬間に至って・・・今日、仕事休んで良かったと心底思えてしまう。相変わらず気の小さい男だなと自分を嗤う瞬間ですな。
【スープ:「滝川クリステル」ならぬ、「西荻クリスタル」といった感じの清純イメージ塩スープ!!】
<きらきらクリスタルで穏やかな塩気が相変わらずテッパンの美味さ!>
それにしても、「相変わらず」とはこのことだと思いますね〜。このきらきらなスープ、そして透明感溢れるスープ感は、そうなかなかに見当たらないなぁ・・・。まさにこれを求めて行列が止まることがないのですが、なかには「もやしそば」なるものも結構オーダーが入っているようです。通っている方々は、すでにこのタンメンだけでは飽き足らぬようですな:笑。しかし、私は、ここではやはり、タンメン一直線という感じで、あまり浮気をしたいとも思わない・・・・。それほど、タンメンの完成度が高いと感じているわけです。
特に高級なブランド塩など使っているような、お店の風貌ではありませず、極めて基本的な塩スープ。この塩のしっかりとした味わいの中に、淡麗な趣もありつつ、どこか円やかな塩味。何気に鶏のコクが塩気と結びついているようなエッジングですかな。大衆系な風貌に反して、塩自体が出汁のようにすら覚えますよ。
<非常にあっさりで澄んだ鶏ガラと、野菜の穏やかな甘味に胃が休まる>
病院帰りということもあってか、気分的にヘルシーなものを求めていたのか、あっさりとした味わいが体調に凄くマッチする。そして、あっさり系な鶏コクの丸い味わいに、出汁の豊かさを感じます。それだけではないね・・・やはり、タンメンは野菜だ。キャベツの明るい甘みと、もやしの何気ない淡い甘みがスープに染み出しており、あっさりさに磨きをかけるとはこのことかと。トッピングがもはや出汁の素であります。
嗚呼・・・胃が休まる。そしてナチュラルな腹持ちの良さを感じる。これだから、はつねのタンメンは、やめられない。私にとって、何か特別な日に食いたいものの、トップ3に数えても良いですな。
【麺:まさに定番なしなやかさの中に、しっくりと感じ入る密度感!】
<しなやかな細麺、密度も多少感じつつ・・・飯麺自体の風味と塩味も印象的>
久しぶりに食ったのもあってか、麺がこれまた味わい深く感じた次第。ううむ・・・適度にスープを吸ったからか?しかし、スープを吸い込んで、たゆみが弱くなったような気もしないのだがね〜。しなやかさはあるが、どこかしらしっかりとした物腰ある細麺。やや捩れているところも、見栄えと食べ応えをかんじさせて良いし・・・。色合いも健康的な白めの小麦色。カタメのグルテンの風合いがふわっと鼻孔をくすぐる。この風合いも味わいから来るところも大きく、それ自身に塩気を含んでいるかのような、わりとハッキリとした味のアピールだね。食べ慣れた一品のつもりでいたけど、インターバルが空くとやはり記憶が薄れるのか。何度食っても発見があるということか。今回は特に麺も美味しくいただけて、喜び度はMAXですわ。ああ・・・とても良い平日の正午前。
<ややウェービーなフォルムが具とともに優しくタッチするスベリ>
単なる細麺でなく、微妙な程度の縮れの中に、少しばかりあるランダムな太さの違いが、これまた素朴に目に映るし、舌触りも何かしら親しみを覚える。特に麺とモヤシを絡ませて歯応えを感じるときは、絡まったイメージが歯を伝ってイメージできてしまう。またトッピングの絡まりが少ないときに、パワフルにバキューウするときは、内頬を駆け抜けるタッチ感がとてもやわらかく仄か。大衆系の中の上品というものを感じます。
【具:非常にサイズの均一感を感じるほどに美しい!】
いつも感じるところだが、具材のサイズがどことなく均一性があり、見栄えで落ち着く感じがするし、食べ進めていても煩わしく思うところが全くない。シンプルな一品だからこそ、細かい手作業とか心遣いが浮き彫りになるという感じだ。しかも色合いが良い。よく見ると、人参なのは、細かい糸切りになっているのだが、これもサイズ感が揃っていてみていて嫌い。これ食ってりゃ、間違いないでしょう!といういう定番でキレイなタンメンであります。
総じまして、「心底安寧を感じさせる色彩溢れる一杯!」・・・という感じのタンメンですな。大衆的な食べ物がこうも美しく感じるというのは、なかなか他には思いつかないのだけど、それは褒め過ぎか!? ともあれ食べ物で安らぎを与えるというのはそうざらには無いよね〜。いつまでも食べたいと思える一杯。何か特別な日でなければ食えないようだけど、心が疲れたら・・・・また食いに来たい。なので詠います!
昼前の
穏やかムードの
裏路地に
行列発生
優しさ求めて
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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