ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1513】 食堂 七彩 (東京・都立家政)稲庭中華そば

 


家庭の雑用をこなしていたある日、とある中野区をクルマで流していたら、「もったいない自由時間だから、宿題を片付けよう」という気になります。そこで、野方の新店への誘惑を断ち切って「七彩」さんへと訪問です。何と言っても乾麺を扱う・・・という手練ですからね。何をしたいのか全く分からないのがむしろ興味をそそります。ようやく訪問できました。








 訪問時、午後2時前後。先客3名。そのうち、なぜかとても気にかかる人物が1名。オーラをなんとなく放ちますが、気にせず近くに着席して、食券を渡します。その客人・・・ずるずるっと、わりと音を立ててくっておられるが、実に旨そうに食いよるわ。そういう細麺をスルスルっと食うことにかけては、スピードは負けませんぜ!などと意地を張ってみたくなるが、意味が無い。ビール等酒類も頼みたい気分ですが、クルマだから却下。最近、麺を食いに来ているのか、飲みに来ているのかわからん状態が多い私です。



  





 さて、配膳は意外にとても早かった!こじんまりした丼が、やたら恭しく配膳する店員さん。若いことと真面目な部分が羨ましい。やさぐれ中年な私としては、どことなく応援したくもなりますな。さて、そんな感じの環境とその配膳された一杯ですが、個人的には実にハマった!!心の中で唸ります。



 おお!これは・・・オヤジの心を鷲掴みな優しさとコク深さ!地鶏と醤油の旨さにただ悶絶でっせ!旨し!!











【スープ:永遠に啜っていたい・・・と思える地鶏の出汁感】


<もはや・・・地鶏鍋のような芳醇な鶏コク!そしてスッキリ感溢れる>


 いつまでも啜っていたい・・・。久しぶりにそんな思いを抱きしめたスープ。いや、「おつゆ」と呼びたいような円やかさには、ただ唸るのみ。麺が先か、スープが先か。どちらかがメインで、片方をそれにフィットさせたかは知らんが、このスープの旨さは、まさにテッパンなのであります。


 地鶏の旨味がジュワーっと広がり、そこにトロみすら感じる芳醇さがいい!鶏コラーゲン豊富であるのは言うまでもないが、旨味がキラキラしておるような味わいにただ泣けます。そしてどこか素朴感もある仕上がり感が、感動をさらにエスカレートさせます。地鶏鍋の最後に残る汁は、牛蒡などの根野菜や、舞茸などの旨味が溶け込んで、実に旨いもんですが、その根野菜と舞茸を差し引いたようで・・・・鶏のコクをストレートに感じます。コラーゲンと言っても、粘つくエッセンスは少なく、実にさらさらとしているニュアンスも好印象。そして、醤油の香ばしさと甘みとのマッチングが最高にいいと感じます。








<醤油の円やかさが際立つ!そして、なめこの存在が微妙なとろみを与えて、スルスルと食える>


 その醤油感ですが、醸造感からくる酸味は一切ないように思える。旨味と甘みだけの凝縮と、思わず感じ取ってしまう。旨味自体が甘いと感じさせる。そこに、なめこの粘り感が程よく溶け込んでいて、柔らかいトロみを感じさせて、これがまた旨味を舌に濃厚に絡ませる仕組みとなっている。トロトロ感じるのは錯覚でありましょうが、素朴さも感じる仕上がり。最初から最後まで、スルスルと一気に飲み干してしまえそうな、柔らかなる円やかさが際立つ一杯です。もう麺を食うまえに「これ好き!」というモードに突入してしまい、観察どころではなくなってしまうという為体であります。











【麺:しっかりとした煮麺という感覚が、むしろ斬新で面白く、そして旨し!】


<汁を啜るにはピッタリな滑らかさ!まるで煮麺の如くのスベリ感覚!!>


 さてこのお店は「乾麺」を敢えて使用するというところが、いろいろ物議を醸し出しているという記憶。乾麺といえばあまり良い印象もなく、房総半島の郷土ラーメンを連想してしまい、正直言って食するまでは、ネガな印象も多少あったことは事実かもしれません。しかし、食ってみると「ありかも?」と正直思えて来る。


 個人的には、汁を食うための麺。そんな存在感で、スープの方が印象が勝っていると感じています。つまり、啜りが命!ってところがあって、麺の纏まり感など、煮麺に近いキャラクターがあって、まさに汁を食べる感覚で麺を啜ると感じてしまった。そこに麺の風合いとか多少あるのだろうが、それよりも、スープの持ち上げの良さの方が鮮烈。まさに、煮麺な感覚であり、そのスベリもまたラーメンというより煮麺のスベリに似ている。なので、違和感というより類い稀な個性と感じてやまない。








<見栄えは風流で歯応えは淡い!出汁が染み込めば染み込むほど味わいを増す>


 まるで煮麺の如くスベリ・・と感じたが、見栄えは実にしっかりとしたストレート細麺なる風貌。表層軽く一枚が滑り層で、中心部分に芯のような潰し込みすら覚えてします見栄え。しかし、歯応えは実に淡白なりてそして上品。クチっという短いピッチで容易に千切れるが、決して伸びたような感覚ではない。そこには、淡くとも着実に歯応えがあり、スパスパと千切れる小気味良さを演出している。


 時間が断つと麺によりスープが染み込むが、乾麺の特性からか・・・伸びた感覚が少ない。意外に最後までクチっとした歯応えはキープされるが、汁との馴染みは後半の方が上でして、滑らかさと味わいが徐々に増すといった感覚。ちなみに、麺に粉の風味というのは、あまりにも淡白であるたえめ、ジロリアンやつえ麺好きな方には、物足りないと思うことがあるやと感じる。いろいろ好みは人それぞれでありましょうが、淡白な多加水細麺が好き!という方なら、これは好みに合うかも。











【具:肉もさることながら・・・・「なめこ」がいい仕事をしている】


<決して固く煮詰まらず、ゴムの如く弾力豊かな地鶏もも肉!>


 チャーシューでなく、鶏肉のブツをささっと煮込んだような肉片が、実に全体の雰囲気には合っていると感じます。パフパフな鶏チャーシューも合うだろうが、弾力が淡白なグミというか、ゴムまりとテンピュール枕との中間みたいな弾力。噛むと余計な味付けなく、筋肉繊維のスキマに入りこんだスープの味わいだけで十分といった感じで十分に美味しく食える。惜しむらくは、個数かな。820円でフォルトであるなら、もう2欠片ほど頂きたいと感じるのは、図々しいか・・・。








なめこのクニュクニュ感と薬味ネギのザクザク感!それらの混じり合いが旨し!>


 なめこの粘りがスープに好影響を与えていると述べたばかりだが、このクニュクニュとした歯応えもこの一杯の中では、良い仕事ぶりです。ゴムまりのような歯応えの地鶏もも肉に対して、材木や板状メンマではどこか一般的すぎて平凡な印象になってしまうかも。そこを、なめこに置き換えたところが、歯応えを面白くさせる。もっとも穂先メンマは投入されとりますので、置き換えたというのは間違いでしょうが・・・・。また風合い的にも、地鶏鍋の残りスープのような感覚には、通常メンマより、なめこのほうが確実に合う。それに、薬味のネギと混じり合ったクニュクニュ感とザクザク感も面白い歯応えですしね〜。そんな混じり合い感もいちいち旨いと思えてしまうのだが・・・・。


稲庭中華そば なめこ
稲庭中華そば なめこ posted by (C)とまそん










 総じまして、「稲庭感もあるけど、比内地鶏感豊富な魅惑的な一杯」という感想であります。これは、また食いに来たい・・・。


 さて、冒頭で述べた気にかかる人物ですが、それは、偶然に隣で食しておられたお笑い芸人・・・「しずる」の村上氏。ラーメン好き芸能人とは知っていたが、本当に実生活でもラーメン食っているのね・・。当たり前と言えば当たり前だけど、どうも氏は、ジロリアンというイメージがあったものだから、正直ビックリしましたよ。店内みな「!」マークが頭の上に出ているのが手に取るように見受けられました(笑)。ご店主も対応がさりげなかったから、ひょっとしたらここの常連さんなのかなと思っていたけど、氏が退店された後、ご店主がぼそっとおっしゃる。


 「二人組ってのは分かっているんだが・・・名前がわからん・・・。」


 ま、フルポン村上氏と混乱するかもね(笑)。なので詠います!




   ほのぼのと
   癒し覚える
   昼下がり


   比内の旨味で
   乾きが潤う




 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!






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