今回は、心に残る一杯。
とある休みの日に、一日自由行動できる日ありました。こんな貴重な日は・・・、どうしても近場でうずうずしながら、適当に昼飯を食って昼からビール!ってので一日を終らせたくない。ソファーの上でゴロゴロと、徒然と考えていたところろ、「海が見て〜!」ということに相成り、突然意を決します。ひたすら午前中から伊豆に向かってクルマを走らせます。たかがジジイが青臭すぎるけど・・・・まあ、一年に一度もない機会だということで、西湘バイパスから、真鶴、湯河原へと駆け抜けました。いや〜・・・・空は快晴、海はべた凪、なぜか道も空いていて、どんどんと熱海に近づいていきます。するとある思いが湧き上がります。
熱海よりも先に・・・・・湯河原にたどり着くなら、あの店に行こう!
かねてからの狙い、それが「飯田商店」です。ロケーションと、家庭と仕事の事情と都合と、そして営業時間のハードルの高さから、一度食いたいけど無理だろうなと諦めていた一杯。ハメ外しの〆にはもってこいだと考えた次第です。
店の前のパーキングには、他府県ナンバーのクルマばかり。訪問時、店内の待ち椅子が一杯になり、外に2〜3人待っている状況に連結。もっと大行列かと思っていたのですが、さすがに一安心です。一人客とグループ客が、半分半分くらいの様子で、中には常連さんもおられるような雰囲気。造りは古いが、凄く奥行きがある店の造りでして、厨房も製麺場所も食材置き場も、スペースに余裕が伺えます。
意外に回転が早いです。これは麺の茹で上げ時間によるところによる影響かもしれません。座席について少しばかりお手洗いを借りて数分したところで配膳が完了です。来たぞ来たぞこのタイミング!
嗚呼、ようやくたどり着いたぞと思えるも求めた味わい!一人で食うより共有したい感動やね!円やか醤油が実に染み入る・・・旨し!!!
【スープ:艶やかさと煌めきが豊かなスープ感!円やかさと濃ゆさもバランスよい醤油清湯!】
<その輝きは、まるで琥珀かトパーズ!醤油の円やかさも極まれり!>
配膳の瞬間、それは息を飲んだかのような印象。とにかく、透明感に溢れる一杯。スープ、麺、具・・・それぞれが「イケてる!!」というビシッと決まった感があり、見ていてとても気持ち良い。これだけで、遠路はるばる来た甲斐があったというものだ。
特に、スープの艶っぽさは半端ではない。スープではなく「つゆ」と言い換えたい気分。醤油ダレが華麗であります。・・・華麗をタイピングミスして加齢と変換されちまったが、ああそうさ、確かに私は抜け殻みたいな加齢漂うオッサン!そんなオッサンがいきなりご対麺でメロメロでありますよ〜。
醤油の感覚が、琥珀色にも感じる深みと透明感を持ち合わせており、醸造感ありありな香ばしい風合いを醸し出します。それがとても澄んでいるという印象であり、カエシに甘みを感じてしまうという崇高な感覚。加えてそれが輝くようなアピールを発しますので、琥珀がトパーズに変化するような印象。ちょっと形容が過ぎるようだが、つまりは醤油の円やかさが極まった感覚に感動しているという次第です。
<鶏コクがマッタリと濃ゆい上に、艶やかでしっとり感あり>
表層に軽く漂う香味アリアリな鶏油がとても良い。こいつもなかなかの役者で、つゆの全体にマッタリとした味わいを残し、清湯系なのに濃ゆいと思わせる。艶を感じさせるに十分だが、むしろしっとりとさせる味わいが美しい・・・。
豚のコクとの響宴というより、鶏ガラ極まった感があり、魚介の投入も多少あろうが鶏そば醤油系の凄みを感じる。レンゲで掬い上げる度に、鶏油の描くペイズリー文様がうごめく様は、見ているだけで楽しく、時間の経過を忘れるほど。とくに頻繁に来れるロケーションでもなく、今度いつ会えるかと思うと、この鶏コク自体に切なさすら感じるが・・・・。いやはや、この味わいには参りました!
【麺:上品で・・・・泣きそうになる!】
<もはやシルキーと言うより、絹であるスベリ感覚>
スベリが冒頭からしなやかであり、高速に滑ります。そのしなやかさは、シルキー・・・と例えたいが、もっとその上!もはや絹!いや神!(笑)。本来、加水低め好きなオッサンなのに、これはちょっと節操がなさ過ぎか!? いや、もとから節操がないだけだな自分だわ。
<多加水極細のクチリとした千切れと潰れが、淡白で上品>
語るほどに遠ざかるので、コンパクトにまとめたいが、多加水ストレートの麺はとても極細。絹のごとしのしなやかさで、クチ!という歯応えが前歯・奥歯とも共通した印象です。その千切り・潰れが非常に淡白。それがむしろ「上品」と感じてしまう。超高級素麺や冷麦を食ったとき、市販のとはやっぱり違うわ・・・と思うあの感覚の10倍とお伝えしたいが、全然わからんよね〜。
【具:こういうのを本当の箸休めというのかも〜と感じる、上出来の二種チャーシュー!】
<二種チャーシュー!柔らかさと歯応え系の面でも二種チャーシュー>
この手のラーメンには、二種チャーシューというのが多いね。鶏と豚のチャーシュー。鶏は少し小ぶり感は否めないけど、しっかりと定番たる「化粧パフ」たる「甘噛み」を誘うような柔らかさを、キッチリと表現しております。そして味わいは薄味。つゆに浸して食うと美味さの最長不倒距離。
一方の豚は肩ロース?で、意外と少しばかりな歯応えを感じるタイプ。固くはない。柔らかいのだけど、歯応えを感じさせる。そしてこちらも薄味。薄味の場合、豚の方が肉自体のもつ味わいが滲み出る。これをつゆと絡めて食すると実に旨し。酒で味わいたい気分だが、クルマで来てしまったし、そもそも置いてないわ。勿体ないなと思っていたら、こちら昼だけ短時間営業だから、酒おいてもハケるわけないよね。納得。
<メンマは材木状でもシャクリと爽快に切れる>
ネギの小口切りがない。そのかわりみつば。このみつばの下に、プチ材木メンマが隠れている。リフトして頂くが・・・意外に熱をもっていて好印象!そして薄味であり、また歯応えがシャクリとして気持ちよいのです。なかなか、好きですこのメンマ。深い味わいより、出汁と調和するメンマの方がやっぱり好きだな・・・・。
総じまして、「優しさ極まり、艶やかな醤油感最高!」というような一杯。嗚呼、ようやくここに辿り着けて、これ食えたという達成感すら覚えます。前々から食いたかった一杯を食えて、想像通りに旨かったというのは、まさに至福であります。この日は天気も最高でありましたし、海も穏やかでべた凪でありました。達成感を超えて感謝すら感じます。こういう感覚は、なかなか一年を通してなかなかないけれど、こういうのを少しずつでも積み重ねたいと思う次第。なので詠います!
穏やかな
波間を映す
麺顔か
麺も流麗
春の海かな
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!

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