慢性的な人手不足は、一向に解消されず・・・ちょっと現場では切れそうなムードが漂う。企画職として何かしら仕事を一緒に進めるうちに、煙たがられたりする。そういうのは、例え忙しくなくてもこれまであったことだし、あまり気にしない。けれども、今回引き継いだ前任の仕事は、少しまいってしまう。どうも・・・・下請け的な仕事が多すぎる。
とても人がいい方だったので、前向きに何でもできるこをなら現場に貢献しようという態度も好印象だ。だけど、完璧に現場の下請けになってしまっている部分も多く、企画職というよりスタフ的な役回りとなっている。それはそれで大切な仕事なのだが、仕組みやプロセスとしては、これだけでは改善されない。まあ、こういう状況を察して私にお鉢が回って来たのかもしれない。本当の企画職というのは、潜在的で本質的な課題を未然に解決に導くだけでなく、急を要するときは軋轢を恐れず、組織や役割を再定義したり、解決策を提示することだと思う。
「だったら、お前がやれよ!」
課題定義と具体的施策を提案すると、必ずこういうことを言われるわけだが、提案だけで終るつもりはもとからない。私が、いつもカチンとくるのは、どうもここに「お前ひとりでやれよ!」と言われているような感じがするところかも。最近、どうも被害妄想が酷いのか・・・・。とにかく、ヤバいと思う仕事には進んで手伝おうという人はいない。どちらかと言えば引いて行くのが普通だろうが、そんな中で「人を巻き込む」動きがどれだけできるかで、その課題解決に向ける工数や時間も段違いに変わって来る。もっと引いて考えると、本当の問題は、言い出しっぺが損をするような雰囲気の改善、助け合う、主張しあう、言い出しやすい環境作りなど。。。組織内の空気清浄なのかもしれませんな。さて、そんな空気感だが、なんでこうなってしまったのか。責任者は誰か・・・・。
・・・などと考えながら、この日も遅くなりそうなので、外出ついでに晩飯を食わんと田町駅前に出没です。凹みそうな夜は、好きなものを食って景気付け!そこでどこかへと店を悩むが、先日の昼間の行列リベンジもかねて・・・・ひさしぶりに「丸」さんへと出没です。もうだいたいここのメニューも食べ尽くした感がありまして、油そばモードで店内に突入しますと、・・・・そこは満席マイナス1席という状況。滑り込みセーフという感じで荷物を置いてキープ・・・。この店、油そばだけは口頭で注文するというスタイル。券売機のボタンの問題か。そこで「油そば」と注文しようとした直前に、ある張り紙の「中華そば」という文字と、「590円」という金額が目に飛び込んできたから、一気に判断が鈍り出す。こういうときは、横やり的な流れにまかせるのでありまして・・・結局、「中華そば」・・・と告げてしまう。
さて、「丸」を初訪問したのは、濃厚豚魚つけ麺のブーム全盛期であったか・・・。こちらのこってりなつけダレに魅了されたと同時に、たしかつけダレのお変わり制度があったことと、そのお変わりのタイミングが絶妙である高度なホスピタリティにも魅了されたかたであったな・・・。最近、めっきり濃厚豚魚とおさらばしているので、「丸」さんへの訪問回数も激減したわけであります。そして、今回は・・・・濃厚どころか、どうもあっさりさが伺える中華そば。それをここで食うとは・・・環境の変化というものを感じますね。配膳の瞬間、「!」というフラグがたちながら、スープと麺を啜ってから、心の中で叫ぶ。
めさ!めっさ普通風に旨いがな!まるで丸らしくない逸品につんのめる思いしつつ・・・・やはり旨し!
【スープ:このお店でなぜか普通の中華そば・・・・という大衆醤油系感覚が光る】
<オーディナリーさが極まる・・・といった日常を絵に描いたような醤油感覚>
結論先出しに言うと、「これが丸の一杯!?」と思えるほど意表を突く。奇抜ではなく寧ろ逆でして、濃厚豚魚のつけめんでブイブイと言わしていた4〜5年前では想像がつかないほど、「普通の中華そば」であります。そこに、妙な計算づくなところも感じるのですが・・・・。こってり系の店とは思えぬ、豚コク魚介の醤油スープという感じです。
まるで巷の日常を切り取ったかのような中華そば。なぜ「丸」さんがこれを出すに至ったのか、その衝動にすごく興味があるけれど、590円という価格を鑑みれば納得感がありなむというかな。この界隈で〆の一杯を求める顧客にターゲットを絞った開発だろうなというのが私の推測ですが、真実はいかに。
<あっさり豚コクの基本を味わう、初めて食うのにお久しぶりな味わい>
醤油系くれば、ネオ・クラシック的に定番を感じる作りに、コンテンポラリーな色合いを写すところが最近多くなった。例えば、香味油に色気を出したり、醤油や煮干しにこだわるなどそれが当たり前になりつつあるような・・・(そんなところばかり狙って食っているのもあるが)。されど、こちらはそういう欲がないというか、しっとりとした豚コク主体で頑張っているといったシンプルな味の構成を感じる。
されど塩気もしっかりとしていて、さらっと軽いと思わせる支那そば系でもない。霞がかったような軽い茶濁りに、豚コクや鶏ガラのエキス感もしっかりと感じる。魚介は・・・・節系を思わせ塩味と結びついたような感覚。醤油は、醸造感を感じるというよりは、マットな感覚の醤油味。全体的にそんな感覚なので、「丸」さんで初めて食う一杯なのに、初めてな気がしないどころか、お久しぶりねという錯覚を覚える。
【麺:とてもよく食べなれた歯応えとスベリ感を懐かしいというべきか・・・・】
<昔ながらという多加水を感じつつ・・・淡いクシリとした感覚が馴染み深い歯ごたえ>
こちらでは、近年は汁系の「味噌」「辛味噌」を食しているので、同じ麺なのだろうと思うが、スープが変るとこんなんだっけ?と思えてくるから、スープとのコンビネーションというのは奥が深いね。悪くはない。なのだが、プツプツと千切れる感覚とか、奥歯のクニリ感が・・・・いつものやつ?と思えてくる。重ねて言うが悪くはない。「丸」で食うから違和感を感じるだけなのかも。
加水がやや多めっぽい細い縮れ系で、捩れや縮れは弱い。その淡い加減がずるるるーーっとすするときの内頬の抵抗感は心地よい。前歯の差し込みでスパスパっと切れ込む最後に、クチッっと感じる淡い感覚。奥歯でのすり潰しも同様の抵抗感。柔らかいテンピュールに淡い芯があるような印象を覚えますな・・・。
<これまた・・・いかにも食べ慣れた感じがするチュルチュルさが気軽さを誘う>
そして、やや汁を吸いこむ性格があり、後半にしなりが柔らかくナチュラルに感じられるようになる。その時点ですすり上げる感覚は、ちゅるちゅるちゅる〜っというスベリ感覚にやや変貌しこれまた懐古を感じさせる。でも、地元京都ではこういう麺は、あまり食べなかったはずなのだがね・・・・。地方の温泉街にふらっと入ったラーメン屋を感じさせる、ほっこりとした気軽さがナイスとえばナイスだ。
【具:判で押したようないつもの3兄弟・・・それがしっかりとしている】
<お得意のコッテリ系にも通用するホロホロ感あるばら肉・・・脂多め>
おお、丸!と感じられるのは、肉だ。何気ないばら肉ですが、しっかりと層が分かれた厚切りでして食むと舌の上で溶けるような感覚を覚える脂身。しかも脂身のパートが多い。でもさっぱりとしていて、これなら白飯何杯でももってこいと言いたくなる。味付け的には醤油っぽくないところが、またスープや麺にも合っていて、個人的にはお気に入りの部類。この程度のまったりとした肉加減なら、濃厚つけダレでも存在感は消えることは無いでしょう・・・。
<つけめんの濃厚ダレに対しても存在感ある、薄味材木型>
おお、丸!と感じられるのは、メンマもだ。プチっとした材木型でして、味付けが浅く色合いもフレッシュ感がある。こういうのも実は大好きであります。太くても安心してバリバリと前歯を立てて食い進む。気持ち良いくらいサクりサクりと千切れていく。この歯応えも濃厚なつけダレの中にあっても、歯ごたえの鮮烈さは消えないでしょうな・・・・。
総じまして、「これからもちょくちょくと通うが・・・次回は油そば?」というのが本音かも。悪気はありません!
丸のつけめんを知っているだけに、普通すぎてやはり意表をつかれたのだろうか。それとも、この日は仕事のちょっとした山を越えて、ちょいとハッスルしたかっただけに肩すかしを感じただけだろうか。もしそうだとしたら、私のミスチョイスなわけで・・・・。何とも心残りを感じながらも、やっぱりそれをまた晴らすために、もう一度食うかもしれん。まあ・・・・いずれにしてもこの日は疲れた・・・・。なので詠います。
ひとやまを
越えても今夜
残業也
都会の路地に
逃げて麺喰う
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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