ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1420】 麺処 おかじ (東京・神保町) 清湯塩らーめん・大盛り


「学校から呼び出し?」・・・・仕事から疲れて帰って来たら、珍しく遅くまで起きていた妻からそんな相談をもちかけられた。そうそうヤンチャな性格でもないの息子なのだが、少し調子に乗りすぎるところがあるのも確か。果たして何があったのかと詳しく事情を聞くと、とある出来事があって教室全体がざわついたときに、先生がイラっとして息子の机を蹴っただけのこと・・・。


 まぁ、机を蹴るってどういうことなのよ、教育者として・・・という意見もある。しかし、子どもってどこか、モンスター的な残酷さもあるし、集団となって火がついたら手が付けられないところもあるだろうからわからなくもない。水に流そうと思う次第だが、学校側としてはちゃんと謝りたいので、もしよろしければお越し頂けないか・・・という意味らしい。ま、今回は改めて水に流す次第。


 そういえば、私自身、子どもに叱りつけるときに、手を出すのがめっきり減った気がする。歳をとったためか? いや、考えてみると、自分が100%偉そうに言えなくなったほどに、子どもが成長したからなのではと感じる。子どもに物事を教える、躾けをする。そういうことも、幼少のころのレベルと、今のレベルが違うのだ。いつまでも宿題をしないという類いにはガツン!と言うけれど、例えば、好き嫌いがあるところとか、自分勝手なところ、目上の人にハキハキとものを言うとか、老人に敬意を表するとか・・・・。見ていて「ちゃんとしなさい」と言いたいところが多いけれど、はたして自分は?という気が少しある。


 大人の根拠ない強がりや嘘は、子どもと言えどすぐばれる。だから、大人もなかなか完璧にできないけれど、ちゃんとできるようになろうと努力しつづけている。ということを正直に言ってから、子どもうちから頑張ろうと、伝えるようにはしている。こういう接し方に対して、私の実家の両親は、イラっとくるところもあるらしく、甘やかしている、威厳がないなどと苦言を呈されるのだが・・・・。ともあれ、大人も育てる側として勉強しつづけているのであります。






 ・・・などと考えながら、ふらふらと歩く夜の神保町。肌寒さもあり、しっかりとした温かいものを自然と欲する。まさにラーメンが恋しいとはこのこと。さすがにこんな日は久しぶりに味噌系でせめてみるかと思いつつ・・・神保町で味噌というテーマでここ!というところが思いつかん。どこにしようか・・・・と考えだすと妙に決めかねるもので、そうやっていくと段々と体が冷えてくる。もう近場でよいと思い「けいすけ」と「33」に近づくあたりでどちらか迷うのだが、道路の反対側の「さぶちゃん」も捨てがたい。そんなときに、こちらの店の看板が目に入ったのが縁というやつだな。


 本当に路地裏といった暗がり。その奥に旨そうな店の電光看板が、ぽつぽつと浮かぶ・・・・。ラーメン屋の看板だけは、目が悪くとも100M先だってすぐに見つけらる。その店の名は「おかじ」。スマホを取り出し、グーグル先生におかじと名乗り検索すると、そこそこの評価が伺える。だったらもうここでええ!と入店を決意です。

  






 それにしても、入店すると静かな店内であります。先客ゼロで、ひろびろとした空間だけに寂しさを覚える。母と子を思わせる店主とそのお母さんが「いらっしゃいませ」とやわらかな応対を受けます。こういう初訪問の店では、券売機の一番左上のメニューを頼むのが鉄則だ。「清湯塩らーめん」とありますから、塩系なWelcome!と思いつつボタンを押したが、少し前まで味噌で悩んでいた男の行動とは思えぬ意志の弱さを私生活でも露呈する。

  



 麺を待つ間・・・静寂がだんだんと心地よくなる。淡々と私だけの一杯を供するためだけに、この空間は存在すると思えば、気が緩む・・・・。しかし、そんな虚を突いたようなところに、配膳後、このスープを一口すすりだすと・・・もう心の中では叫ぶしかないわな。




 めっさ!めさめさ旨いがな!!ちょいと濃いめの鶏水炊きの出汁とも見まごう・・・・シルキーなゆらめきがたまらん!!旨し!






【スープ:清湯というより・・・・しっとりスープという感覚の淡い白濁感】


<水炊きのごとく円やかな鶏コク!淡い白濁透明感でしっとり感!>


 予習もおろそかに入店したのがこうも幸いするのか。先客がおらずひっそりとした路地裏の店で、少し心配になっていたのがウソのようであります。さきほどまで、ガラ空きの店内の窓越しに見える・・・・お向かいのカレー屋の繁盛ぶりが妙にまぶしいと思っていたはず。誠にひっそりとした店内なれど、寡黙である程度お若い店主が、集中力を高めて仕事をしただけはある品質感であります。丁寧さと誠実さがシヒシと感じる。麺顔を間近いに仰いだとき、なんとも言えない・・・・明るく野菜い色合いに、一気に心が和むではないか!若草のような明るい印象が・・・・一気に春を感じさせる。思わず二口目を啜り出す・・・。


 うーーむ・・・・清湯とは言え、やや白濁しておりこれがまた春霞のようにも感じ取れる質実さだ。もう、この時点で心のボーダーラインを越えていったこのスープ。一口レンゲですすると・・・これがまた、淡麗にも思えて、鶏コラーゲンもさらさらと感じる。まさに鶏エキス。されどクドくなく、もみじ投入のような濃厚すぎるコラーゲンでクチの周りが張り付くよう・・・というぺっとり感がいささかもない。ただ、そこにあるのは鶏コクのマイルドさだ・・・。これは後半になってすごく感じるのだけど、ちょっとした鶏水炊きの出汁を彷彿とさせるかもしれない。そんな上質さが、なななんと、700円であります。



<ややはっきりとした塩気が徐々に野菜の甘みと融合>


 淡麗っぽいけど、白濁さがまったりとしているふくよかなスープ。しかし、意外に塩分が効いている。この塩気があるおかげで、温野菜がサクサクと食える食欲を誘うのであり、また麺も大量に食えるというものであります。麺もしっかりと受け止めているだけに、塩気が旨い。角が立っているとうのではなく、コラーゲンで円やかなエッジとなっており、塩気はボディーに厚みを足しているようなイメージ・・・。


 そして、この塩気は後半になりまた別のステージへと昇華する・・・・。確かに熱々のスープでして、一気に食い進めたから口の中の皮がめくれるほどなのだが、この熱気で野菜の温野菜度がさらに増す。野菜独特の甘味が徐々にスープに溶け出すという寸法であります。この野菜系の甘味が、塩気をさらにマイルドにさせて、コク豊かさの次元が加わり立体的にも感じる。麺を食いつくしたあとに残ったスープに愛おしさを感じるほどに・・・。








【麺:密度感ある奇麗なストレート麺、後半のしなやかさもまたシルキーと感じて・・・】


<やや平打ちな中加水ストレート、ややクシっとした歯応えが小気味好い>


 麺もまたいい。個人的には好みであります。地肌がきめ細かく白めが勝ったような色合いがシルキー。そして何気に麺の潰し込み感が高くて、密度感で楽しませてくれる。とは言っても加水感もあり、ヌチリというやや腰の強いしなり感を感じさせる。野菜のサクリとした歯ごたえともコントラストを感じるクシクシっとした感覚がいい。


 前歯でサクサクと切れ込み、舌で奥歯へと運び込んでから奥歯ですり潰すと、束になったそれは、やや強くヌリチとした固いテンピュールのような歯応えを醸し出す。その麺の束になった隙間に、コラーゲン感あるスープが差し込み、塩気も染みこんで麺のグルテン感とハーモナイズする・・・・。旨しと思えるこの麺だが、実は大盛りでも料金同一というから、誠に大したものだ。200gはあるな・・・。いやいや、具の多さもあってか、腹が張る・・・。





<汁をすってからの方が本領発揮か!?しなやかさが加速するすべり感覚>


 スープと同じく、麺も・・・・後半が楽しい。やや汁を吸いこむ性質があるらしいこの麺ですが、後半は完璧に芯がないツルツル感たっぷりな風貌に変化する。そこからが本領発揮か?と思える。スープのマッタリした感覚と汁をやや吸いこんだ麺とが、すごく合うのだ。この手の感動は、長崎ちゃんぽんでは、よく体感するのだが・・・・いやいや、このような麺の密度感が高いものでも、似たような感動を与えるとは・・・誠にもってラーメンの楽しさ・幅広さを思い知る。


 非常に美しいストレートさがのど越しのきめ細やかさを高めてくれ、また微妙な少し太い程度のサイズ感が、のど越し感にシルエットを感じさせる・・・・。いやはや・・・・この時点で思うのだけど、もっと流行っても良さそうなものだがと感じさせるこの店。私が知らなかっただけなのかもですが、新店舗でもなさそうなので、これは・・・神保町のレベルの高さが、めだたなくしているのかもと思えてならない。







【具:コスパが光る・・・ワンタン・温野菜】


<デフォルトで6つのワンタンは大したもの!淡いコショウと微かな生姜感?>


 繰り返すけど、この一杯は、700円であります。中央線沿線でワンタンメンを食うなら、4つ入って200円アップというのも珍しくないのであります。名店だと迂闊に注文すると1200円するところもあるのであります。それが、6つも入って700円。これはお得。


 ワンタンで外すことはまずないのだが、こちらのワンタンもなかなか。サイズも大きいし、中の餡がいい感じで詰まっている感覚があり、一方歯応えはふわりと崩れるような楽しさがある。合挽きなのか?豚の旨みもしっかりと感じるし、またコショウ系のエッジングも控えめながら食欲を誘う。そのエッジングの奥に生姜?のような清涼感もあるかないかで・・・グイグイと食わせる引力がある。


 また皮もいわずもがな・・・ややふやけてちゅるりん!と高速に滑るのがたまらない。はたして、ワンタンはのど越しを優先して愉しむのが正しいのだろうか? 餡に前歯立てて汁を放出させるのも堪らん。咀嚼を楽しむか、のど越しを楽しむか・・・私を悩ませるワンタンという食材・・・・・。




<温野菜たっぷりがまたよろしいのである>


 温野菜が実にうれしい。オッサンとしては、野菜不足が補えるだけでもありがたしであります。また種類も多くボリューミィー。しつこいようだが700円であります。普通に野菜トッピングを追加しても100円はするこのご時世、ここ東京。嬉しい限り。

 
 水菜・キャベツ・にんじん・ネギ・・・種類としてはこれだけなのだが、キャベツの多さが実にうれしい。水菜がトレードマークのようでもあり、また大きさが単にはみ出しているだけのような・・・。スープ熱で自然としおれて柔らかになり、爽やかな風味が増す。






 総じまして、「これは穴場を発掘!」という個人的には興奮を覚えるお店!


 これはブログを書くにも勢いが増すわい!と喜び勇んでデジカメの写真を取り出そうとしますが・・・・ところがですな、ななななんと、一番大切な麺顔の写真データが破損しておるではないか!泣きそうな気持ちをこらえて・・・なので詠います!




   仕事から
   解放されて
   隠れ入る


   おかげでホッコリ
   おかじでまったり




 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!








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