うおーーーーー、席替えなのだ。子供でもあるまいし・・・・・大の大人がガタガタ言うなという感じですが、やはり一日の生活の主な場だからね。できれば気持ち良く過ごしたいもんです。しかし、大人となれば、グループ全体の業務効率というものを鑑みながら、各員の座席というもんを考えんといかん。またそこに・・・・人間関係なども加味しながらということになると、これがこれでまた難しい仕事なのであります。さらに、ビル空調ってのは意外に雑でして、風が直接当たるとか当たらんとか、南側北側の好みもあったりするから、100%の回答がないわけであります。
総務の方のご苦労もなんとなく察しますわ・・・・
中には文句を言って来る人もいるのだろうか。会社や職場によってはきっとそんなこともあるのでしょうけど、彼らの一見地味なようで、いろいろと頭と気をつかってる仕事ぶりに、日頃の感謝をお伝えしたい次第です。
・・・などと考えながら、ようやくこの店で食えることに喜びというか、深いため息を感じてしまいます。というのは・・・・こちら5回目の訪問でやっと開店時に当たったという次第。事前に調べて行くのですが、妙に不定休に打ち当たってしまって、春先から結構電車賃を無駄にしとるのです。なんだか・・・・相性というものを感じてしまいますな・・・・。で、この日は、駄目もとで行ってやっぱり駄目なら、巣鴨の名店に久しぶりに行くかと腹括ってたら、何なんく食えたという肩すかしです。
【スープ:円やか・・・・そして優しいコク!懐かしくも新しさもある醤油】
<優しい醤油ダレのまろ味が穏やかに広がります>
配膳の瞬間、たまたま以前の店の初訪問のことを思い出す。座った席が同じであったことと、カウンターと厨房が接近しているための、ご店主との距離感。前金制も以前と同じだったっけ。「写真いいですか?」「どうぞ」のやりとりも、いつもより自然に言葉がついて出ます。違うところは、煮干系か否か。今回のあまりにも穏やかで優しげな麺顔に、思わず笑みが溢れる。
スープ感覚でいうと、まろやか醤油ダレといったところか。まさに麺好きなオッサン泣かせなスペック感でして、塩気が主張することもなく、かといって甘め感がたれ込めることなく、ごくごく自然な甘みが旨味と感じる醤油感!もはや・・・・甘いのか、塩気なのかもわからないほどの一体感がそこにあります。
素朴に感じるのやけど・・・、やっぱり今風なラーメンな感じもするね・・・
インテリアで言うと「カリモク家具」といった感覚とは例えが飛躍しすぎだが・・・そんな感じ。基本的には、古くさいまでにも基本的で落ち着いたようで・・・時代が過ぎたようなコンサバティブ。しかしながら、肘掛けのカーブや、足の細かい仕上げにコンテンポラリーなデザインがしっかりと反映している。全体として、コンサバティブとコンテンポラリーが融合している感覚が、この一杯にも共通するような感覚なんだけどな〜・・・。葱など白ネギ部分だけで十分なのだが、機能はかぶるが万能葱を中央に配して、歯応えとデザインの調和をとっているような(笑)。
<さっぱりと鶏豚コク!昆布か節のじっとり旨味か?>
話を味にもどすと、コクの感覚が非常にさっぱりとしながらも味わい慣れた奥深さがいい。鶏ガラ系のサッパリした油の輪っかが麺顔に浮かんできらめく。豚肉の丁寧な煮出しが濁すことなくスープに質感を与えている。時間が経過するほどに、チャーシューの脂身が溶け出し、麺のエキスが溶け出して、後半ややスープが霞むのだが、それはそれで旨味の加わりを感じて、柔らかく旨し!
それだけでなく、全体的な落ちつきは、やはり海系の天然アミノ酸の効果であろうと勝手に決めつけてみる。昆布の豊かな味わいか、それとも節系をさらっと効かせているのか、動物感だけでは絶対ありえん柔らかい落ち着き度合いを半端なく感じる。ああ・・・旨しと心で叫ぶが、ご店主との距離があまりにも近いので、聞こえはしないかと一人恥ずかしく思う。
【麺:極細カッツリ系が好きならこれ食っけと言いたい】
<極細カッツリ麺がすごくいい!さらさらっと粋に食う>
麺までも、私を喜ばせてくれる。ああ・・・・こういうの、ありそうで滅多に食えないのだよ・・・極細中加水カッツリ麺!細さがいい!博多系を彷彿としてしまったのだが、これは興奮しすぎっすかね。芯を感じる茹で具合ではないのですが、麺全体でカッツリと食わせます。決して外カタという分類でもなく、麺の内外全体でカッツリとした歯応えを醸し出すのです。
つるつるっとソバを啜る感覚に似ている。細い麺だけに、さらさらっと食いたいという気持ちが湧き出るものでして、いつもより箸のつまみ上げを2〜3本少なめにしてみたい。吸引力をいつもより10%上げて、するーーーーーっとすすり上げるときの口内の抵抗感が気持ちよい。
<角麺が揃うように気持ちいい滑りの感覚>
また、細いけど角麺タイプでして、箸で旨くサルベージすると、コマが揃うようにピタピタピタっと揃うような気持ちになります。そのスキマにサラサラスープが入り込み、スープの持ち上げもよい。そのため、すべり感覚も最高によいので、啜っていて楽しい、誠に楽しい麺なのです。
ああ・・・・一気に食ってしまったので、自分でも驚くほど短時間で完食してしまったやないの・・・・。大盛りにしとくのだったと後から気づいても祭りだね。
【具:素朴で作り込みを深く感じる筋肉質がええねん!】
<素朴ながら歯応えを主張する肉>
しっかりした肉というのが一番自分の中ではしっくりくるかと感じています。小ぶりの肉ですが、3層の肉脂の関東ローム層が美しく、しかも分厚い。脂身の部分で噛むとほぐれるかと思いきや・・・・肉は肉!という主張するかのごとき、歯応えをそこそこ感じる出来具合。固いというのでは決してありませんのであしからず。歯応えが主張している程度の・・・・基本的に柔らかい肉です。
漬け込みもじっくりと時間をかけているのがわかるような。タレに漬け込んだあとの・・・熟成が進むのを待っていたかのような、風合いが鼻腔に広がります。私は、すぐにそういうのを「酸味」と表現してしまうのですが、発酵でもなく柔らかい熟成度合いに華やかな酸味の残骸を感じる程度。ハッキリ言って変態しか感じないフェチ(爆)。
<余計なものがないスッキリした感覚>
味玉も頭をよぎったけれど、今回は自腹の交通費で訪問したものだから、自制した。だけど、残念感がない。肉もしっかり分厚目が3枚きっちり入っていたいし、葱も2種だ。メンマも淡い薄味系で、シャクリと小気味良い。海苔も2枚・・・あるようで、一枚を折り曲げているため、見た目に貢献。要するに余計なものがないので、これでいいかと。
総じまして、穏やかでどこか鄙びていながらも根強い活気がある商店街の一杯。山手線北エリアの雰囲気も懐かしく少し感じたりして・・・。昔は、浦和市民でして、都心と京浜東北線と埼京線に囲まれるエリアは、暇に任せて寄り道しては帰宅したもんです。駒込はさすがに縁がなかったけど。それほど食う事にハマってなかったのだけど、何をして過ごしていたのだろう。池袋と上野のダイビングショップと、本屋と中華屋だろうな・・・。そのころこういう一杯があったなら、と思うけど、若かったからきっと濃厚系しか食ってなかっただろうね。初めてだけどどこか懐かしくもホッとする店。今後も頑張っていただきたい。なので詠います!
穏やかな
商店街の
陽がくれて
ぼんやり灯る
暖簾の隙間
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!
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