今夜も遅残業か・・・・、と覚悟したところなぜだか急展開で早めに帰れることになった午後9時過ぎ。片付いた訳ではないが、この機会を活かさない手はない!気になってたあの店に直行だ!と思い飛び乗る山の手線。東京駅で中央線にダッシュして快速に飛び込む。ドアに挟まれながらも潜り込むと、車内アナウンスでタイミング良過ぎるほどに、駆け込み乗車のご注意が流れます。ガッツリと、周囲の人から「お前のことやぞ!」という意思の入った視線を浴びます (・_・; 。ま、そんな犠牲を払ったわけだが、その甲斐あったというもんです。
【スープ:煮干し一辺倒でないところが、またいいのではないか!】
<柔らかい煮干し感!非濃厚煮干しでバランス感ナイス>
これはハッキリ言って個人的には好みであります!東京によく好まれる「濃厚煮干し」とは少し系譜が違いますが、こういう身近な身の丈にあったというか、毎日食い続けられるような感覚が良いですね〜。引き合いに出すのが適当か分かりませんが、新宿のなにわ煮干しと共通するところもなきにしもあらずです。苦み排除で出汁感覚で食わせる煮干し系。こういうの、オヤジな私には、ピッタリと感覚が合うのです。
麺顔にある煮干しの欠片が、煮干しパンチ感をあおりたてますが、さにあらず。苦み排除な柔らか系の煮干しであります。どちらかと言えば甘コクで食わせる煮干し感でして、淡い煮干しとも言えなくも無い。いろいろな出汁の旨味も感じられるのでして、豚コクのゆらめきなどとのコラボは、流石ではないかと感じています。レンゲですくおうとした段階で、透け具合からライト煮干しと感じる。味わいとしても、煮干し以外の魚介や乾物の旨味も感じ取れるよう。トッピングの煮干しのフレーク感な香ばしさすら、スープを通して感じられるという不思議なバランス感。これは、ニボニボパンチ期待、濃厚好きには肩すかしを食らうかもしれませんな。
<家系な風貌!心なしか豚の煮出しもしっかり感じる>
しかもだ、麺顔がいかにも家系チックであるから、ある面で「濃厚」を期待させてしまう。また別のある面で「豚骨感」を感じさせてしまう。そういう初対面な麺顔からして、煮干し感覚とはズレるのではないだろうか。事実、豚骨の出汁の取り方は、非常に優しい感覚でシッカリと煮出しているようにも受け取れる。
決してシャバイわけではなくとも、シャバイと一刀両断するにしては、もったいないと思えてならない。鶏ガラのエキスも含んでいるかもしれない。煮干しスープを謳う中に、動物系の伸びやかさがいかにも感じ取れて明るい。そういう感じの甘さなので、クドくなくゴクゴクと美味く飲み干せてしまうという出来具合が、個人的にナイスと感じる次第。
【麺:キッパリとしたキャラクターを感じる!そんなクッシリ感覚が好き!】
<キッパリとした中太ストレートのコシが気持ちよし!>
さらに嬉しいのは麺の仕上がりであります。こいつは太麺にして実にカッツリと食わせます。この点からしても、家系ちっくなのであります。非常にキッパリとした歯応えが楽しめる麺。中太のストレート麺が、少しハードにクッシリと感じる。よく見れば表面に薄く一枚透明の層が見とれる。そして、芯がありそうなストライプを感じるし、事実として芯がキッパリと視認できます。さてこの芯ですが、食い終わる最後までしっかりと残っていて、そういうところが最後まで印象がよい。そのため、とてもクッシリとした麺だったと・・・食後の印象が鮮やかに残るという次第。加水は中程度からやや低め。前歯の当たりの段階から、クシクシ!束になったところを奥歯ですり潰そうとすると、クッシリ!と時間差を感じて潰れ込む。そういう所作がいちいちハッキリ感じ取れて、潔しと思える。
<やや抵抗感ある地肌を脂分が包み込む・・・スルスル食える>
今度はつけ麺に期待をよせてしまいそうになる中太麺。麺の潰し込み、麺密度も高いと感じ取れる。なので、基本的にはちゅるちゅるとスベリを楽しむ麺ではないのだけど、思いのほかスルスルと食えてしまう。それは、スープも吸い込んだ上に、スープの油分の貼り付き性が高いためだと感じる。すべりはそこそこでいい。ちゅるちゅるとではなく、スルスルと食える太麺の口当たりが実に楽しい。汁を吸っているのだが、あまりしなやかにならない・・・・というところが、実にキッパリとして感じられて気持ちよい。それに・・・粉とグルテンの混じった「芯の感覚」が個人的な趣味に合っている!
【具:チャーシューの旨味に酔う!こういう「ほぐれ」と「歯応え」の融合が好きでんねん!】
<久しぶりにド・ストライクな旨しなチャーシュー>
さらに私を喜ばしてくれるのは、このチャーシューであります。これも、実に私好み! 依怙贔屓と言われましても褒めますとも!「柔らかさ」と「歯応え」の両立。「ほぐれ」感の心地よさ。漬け込みタレ一辺倒でなく、スープとのコラボと肉自体の味わい。大きさ。厚み。などなど・・・実にツボにハマってしまうのであります。
驚くのは、デフォルトの「ラーメン」が650円なのに大して、「チャーシューメン」が実に1200円。春木屋も驚く思い切った設定ですが、チャーシュー単独の追加は、150円。これは一体・・・・・チャーシューメンは一体どういう麺顔になるのだろうと、凄く期待が高ぶります!さてさて・・・このチャーシューの感覚は、どこかの大勝軒か、新宿にあるなにわ煮干しにもあったような感覚。こういう肉に私は出会えるのでありましたら、どこでも遠征したいと思います(限度がありますが)。
<やはり家系なほうれん草 ^_^ >
はやりこのほうれん草のクタクタぶりと、ピン!とたった海苔を一度に見てしまうと「家系」を連想してしまうのですよ〜。家系よりは、俄然食べやすいしあっさりしているのですが、煮干し麺というより、魚介系あっさり家系と言った方が自分的にはしっくりくるのですが・・・・。このほうれん草のクタクタは、スープに沈みこんで汁成分を吸い込んでしまうのですが、そこをハグっと食うのがまた好き!
総じまして、予想を越えて、個人的な好みにフィットした感覚で嬉しい夜!梅雨を思わせる空に滅入る気持ちが、一気に晴れ渡ったような気分であります。さてさて、最近の中野はなかなかラーメンラバーにとっては、目が離せませんな。駅からこちらに伺うまでに、なんと三田製麺所が進出しているではありませんか!先日「えん寺」で久しぶりに豚魚つけ麺を堪能したばかりでして、なんとなく、一周回ってまたそういうの食いたいって気分。それと似た感覚でして、かつて関西転勤時代にしこたま食った・・・・少し甘めな柔らか煮干しがまた斬新にも思えて来る。歴史は繰り返すと言いますが、味の趣向も繰り返すものかもしれません。なので詠います!
梅雨感じ
ジメジメ気分を
払うには
さらさら煮干しと
くっしり太麺
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!
- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1998/09/10
- メディア: 文庫
- 購入: 14人 クリック: 237回
- この商品を含むブログ (318件) を見る