準備というものは、やり過ぎても仕方がないものなのだろうが、やはり完璧にやり貫くというのは難しいものであります。この春の新体制に向けていろいろと、アレコレと考え抜いて対応してきたにも関わらず、予定通りに捗らなかったり、また考えてもいなかった穴や抜けが実行段階で新たに露呈することが、最近目につきだした。そんな穴を目の前にして、どっちがやるか?などお互いにお見合い状態になり、すぐに手がつかなかったりすることもあり。悪気はないけど、もう少しお互い自発的に対応できないものかと、考え込んだりいたします。
とにかく・・・疲れているのだよ・・・・。
昨年の春から走り続けだからな・・・・組織全体が。人によってはエキサイティングな一年間と受け止めるのでしょうが、そんな精神前向きな人ばかりですから、組織全体隅々までアスリートとして動けないのです。これまで慣れ親しんだ仕事のやり方を変えるというのは、分かってはいるけどそんなに楽は話ではありません。疲れて当然。むしろ自然にこのマイナス気分を受け止めて認めてやろうじゃないか、これまでの自分のことを。そして、疲れを貯めない工夫を考えて、新しいこと、変化してゆくことを少しずつでもやるしかないのね。愚痴りだすと旧態に固執してしまうから、疲れたことは忘れて気分を変えていこう。という感じのこの4月なのです。
・・・などと考えながら、やっぱり腹が減る。夜9時回ったら早く帰りたいのだが辛抱できずに新宿駅で途中下車です。目指すは「玉五郎」。大阪では、「なにわ煮干し」の名店であって、東京新宿支店は、レビュー以外にもちょくちょくと寄らせていただいてます。いつもの味を求めてね。されど、今回は期間限定の「塩煮干し」があるとの情報を思い出して久々に突撃した次第。変化なく王道を極めていくだけでも良さそうなのだが、やはりこういう限られた定番メインの店でも、試行錯誤が必要なのでありましょう。玉五郎としては、初めての挑戦。自らが変わって行こうと日々頑張っている私
だけじゃなく、玉五郎も進化を求めて新しい挑戦が必要とお考えなのでありましょう。疲れた・・・と愚痴ばかり言っておられるですな、私も・・・。
【スープ:塩煮干しの構成をとった塩豚骨感?それはそれでさらりと旨し!】
<塩になっても変わらぬ玉五郎DNA!さらり感が増した揺らめき強調>
さてさて、その初めての取り組みである塩系。それも限定ってのを企画せず、これまでずーっと質実に定番のみに注力してきたという実直さが好きなお店であります。それがここ東京で季節限定塩を食えるとは、時代というか時の流れを感じさせます。少し複雑な気持ちもあれど、こういう取り組みもやっていかないと、経営的には飽きてしまうかもですかな。
はたしhてその麺顔は、塩に変わったとは言え、初対麺なのにいたって定番な雰囲気を醸し出します。透明系のスープは期待していなかったけれど、淡いベージュが何時もより緩やかで半濁というニュアンス。そこに白ごまが降り掛かり、シソと小梅が乗っかるという点が、いつもとは違うということだけですな。いかにも玉五郎DNAは健在也というオーラを早速感じます。
味わうと・・・・塩!というガツン感はないけれど、素直な塩気を柔らかく感じる。この柔らかく感じるというところが、いかにも玉五郎というフィーリング。そして次には・・・・何時もの緩め豚魚甘みの代わりに・・・・さらりとした動物系のコクを感じる。この「さらり」としたところがまた中々ではないか!重く無いのにしっかりと食えるといった味の厚みもほどよく感じる。しかし、もともと、東日本の流儀とは違う煮干感が売りだったので、ニボニボ感と塩気の融合という興奮感はないタイプですな。しみじみと煮干の香りだけを感じる。そこにわりとハッキリな豚コクが支配するという構図かもしれません。
<塩魚介系というより・・・塩豚骨に近くなる個性だね>
そう・・・・塩煮干という感じもあるのだけど、見方によっては「塩豚骨の上品系」ともカテゴライズできてしまいそうなスープ感。普段のスープから醤油を引いた分、カエシのエッジが少なくなりそれを塩ダレで補強しているかな。煮干をもともと甘めに食わせる一品であったので、煮干甘めに塩ダレが、煮干に結びつくという度合いが少ないように感じる。その結果、ベースの豚コクが前に出やすくなったということで、豚の存在がいつもより感じるような気が致します。
シソのエキスの溶け出し感も比較的弱め。小梅は、山頭火を連想してしまう・・・・。と頭の中で考え込んでしまうと、たちまち「塩豚骨」という言葉が頭から離れない。それもまたよし。最初は、淡く緩やかに感じていた塩感覚は、徐々に食べ進めるにつれて、塩の存在をますます感じるかも。水を少し多めに飲んでしまったかもですが、後半の方に塩を強く感じるというのは、珍しい体験かもしれません。
【麺:関西ラーメンファンなら感じる定番プリプリ麺!】
<言わずもがなの名物ブリプリ中太多加水>
ああ・・・・関西転勤時代から、語り尽くして来たこの麺ゆえ、口はばったい気もするが一応書き記します。多加水で中太麺がこちらの売りな個性でして、プリプリとした歯応えは健在。非常に分かりやすいいわゆる「もちもち麺」でありまして、広く一般大衆にはウケると思えるキャラクターです。これは、つけ麺のほうが強く個性を発揮します。
塩スープという淡色の中に浮かぶからなのか・・・やけに見た目が今回はしっかりとした堂々さと目に映ります。前歯のスパスパ小気味良い切れ味の中に、断末魔のようにぷりっとした感覚がリズミカル。奥歯の反発は文句なし。今回は、塩系だったからか・・・・妙にいつもよりモチモチ感を感じてしまう・・・。
<ぬめり少なく塩ダレ潜ったコーティングのようなスベリ>
スープがいつもの定番より緩いので、つるつる感が何時もより増しているようにも感じる。ぬめ〜っとしたところが一つもなっく、湯切りの徹底さを前向きに感じます。そこに吸い込んだスープの余韻で味わいがいつもより濃く感じる。スベリはまさにこういう状態なので高速そのもの。シャツとズボンに細かいハネが飛び散るけど、それは食べての私の勢いが余ってしまっただけのこと。
【具:個人的には、日常の中のごちそう級に好きなものばかりなり!】
<このチャーシューは個人的には最高ランクに好きな部類>
すきなんですよね〜・・・以前から。繊維質部分が多くを占める肉でして、脂の抜け具合が程よく、適度な旨味をたたえます。そしてパフのように柔らかい。歯形が面白いようにも付く。大勝軒系の肉も好きですけど、こちらの方が塩豚という感覚が生きているとおもいまして、白飯でも酒でも何にでも合うと思えます。黒こしょうとの相性がまた格別でして、この黒こしょうがスープにも非常にマッチするものですから、汁吸い込みの肉ってのが非常に旨しと思えるわけです。
<味玉の色気はやっぱり一品!というきらびやかさ>
これまたクドいけど、以前から最高に好きな部類。オレンジ色の出方とジェルになった部分の配分というのが絶妙ですし、また食っても程よく旨しでして、白飯にでものっけて食っても絶対旨しと思えます。スープに少し沈めて、黄身とスープが少し混じった状態でパクリと食いつきます。黄身のコクがジンワリと口の中で広がり、スープが一気に濃厚コクにも感じる一瞬が一番幸せです。
総じまして、これまで極端にも限定とか新メニュー展開が少なかった店ゆえに、こういう新しい取り組みは大いに前向きに評価してみたいと思えます。一気に、定番の「煮干しらーめん」を越えることは難しくとも、肩を並べるくらいの完成度合いは感じるのだが・・・。唯一ネガティブなのは、塩にすると+70円だということかな。せめて、+50円にしてくれるとイメージが随分と違うのだけど・・・。この塩ダレ系のつけ麺などが開発されれば、それに対しては+70円は気持ちよく払えるなという感覚。なので今後に期待。なので詠います!
初トライ
季節も新た
塩煮干し
新たな一麺
つけ麺期待
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!
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- 作者: 吉田玉五郎,田結荘哲治
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