【何か妙に・・・東京らしいものを食いたくなる】
大体午後5時ごろになると、今晩なにを食って帰ろうか考えはじめるのですが、理由も無く「東京らしい一杯」が食いたくなったのです。荻窪で醤油ラーメンでも食って帰ろうかな・・・・と思って、さるSNSを見ていると、「江戸前煮干中華そば」なる文字が目に飛び込んでしまいました。 あ・・・・TETSU系のあの店か・・・と思いきや、すっかりその気になって訪問です。しかも五反田店へ行くつもりが、山手線の逆方向に乗ってしまったから、邪魔臭いついでにこちらへ方向転換です。 それにしても、これが根っからの東京風であるかどうかは、関西人のアタクシには分かりかねるのですが、ま、いいことよ。
訪問時、地元のおばちゃまばかりの4名ほど。 ピークアウト時のまったりした雰囲気な店内です。煮干の店なら、今回は塩で行こうと決めていました。 そのほうが煮干がダイレクトに感じると思ったから・・・・。
【ちょうど、「ころあい」という感覚のバランスとれた塩煮干し】
空いていたのもあってスマホで以前に食した「塩煮干」を確認したりもしますが、関西転勤時代には、相当煮干のバランスで苦労したような過去自レビを発掘。 煮干がダイレクトすぎると、アタクシは弱いみたいです・・・・。と、尻込みしそうになったときに配膳完了です。お!見た目が随分想像と違うが・・・・まずは、ひとすすり・・・・。その感想は・・・、
「旨いがな!(*゜0゜)ハッ・・・・めっさ旨いがなぁぁぁぁ・・・・ 」
「ええ塩梅とはこのこと! あっさりの中に、しっかり味もあるやん!」
1)節系の趣さえ感じる 伸びやかな塩味加減!
最初の見た目は「ライト系豚骨魚介」のような麺顔ですが、良く見るとそのブラウンはカエシではなく、魚介のみの柔らかいブラウンと察しがつきます。魚介成分のスキマから澄んだ色合いもあります。その味わいは、実は・・・・魚介でも煮干しでも塩パンチでもなく・・・・・、不思議な話だけど、節系の程よいアミノ酸のような旨味が走ったような気がしています。節系と塩が結びついたような、ピッチリ感ある塩味でして、ガツンとくるものではありません。つまり、塩味が伸びやかというべきか、明るい味わいでありました。また塩味は、動物系の旨味とも結びついているのでしょうか。コク豊かな塩味と感じます。
2)パンチ系では表現できないスッキリ煮干し
その次くらいに落ち着いたような「煮干し」感覚を味わうこととなります。いわゆる「極ニボ」「ニボニボ」などというパンチ系煮干しともまた違いまして、出汁感覚ただよう大人し目の煮干しとでもいいましょうか・・・・。煮干しの旨味と表裏一体である「苦み」は影をひそめ、上澄みのような上品な煮干し風味がクチいっぱいにひろがります。
3)それでも淡麗とは一味違う魚粉 の存在感
では、この塩煮干しを「淡麗系」と断定してしまうかというと・・・・そいつも難しいわけでして、やはり色合いからしてこのスープは煮干しを相当含んでいるのです。なので「ライト系塩煮干し」と言ったほうが個人的にはスッキリするのですが・・・・いかがでしょう? そう思ってよく舌なめずりしたながらスープと味わうと、煮干しのザラツキもほんのりと香るきがしないでもないかな・・・。
※味のおさらい:節の出汁感ただようスッキリ煮干し!非パンチ系ながら、等身大の煮干し感覚がスッキリと味わえます。
【先客のおばちゃまたちが、美味しい美味しいと言うてはりましたわ】
一方、麺の方ですが、中々に艶やかさがアピールしてきますね〜。アタクシは、左右に2名づつの女性のグループに挟まれて着席したのですが、どちらからも、おいしいとかコメントが聞こえてきますね〜。広く受ける麺だと確かに思うよな・・・・。
「あーーー!やっぱりこういうのも好き!(*′ω`)b゛大OK!!」
「やや多加水の性格があって、柔らかさというより、しなやかさを感じまんがな」
1)標準太さで綺麗な ストレートが食欲をそそりますがな
これは、リフトアップの瞬間に「きれい!」と本当に思いましたがな! やや、黄色目で艶やかでスラーっとまっすぐに伸びるストレート麺ならではの、存在感を示しております。スープとの色合いがマッチしているのでしょうな・・・・。角がやや丸くなったところなど、柔らかさといういか・・・しなやかさをふんだんに感じまするわ。
2)やや多加水系のモチモチ感がナイス!
前歯の処理感では、スパスパと小気味好く切るというより、プツリプツリと千切れるという感じ・・・・。奥歯のすり潰しでは、言い尽くされたモチモチ感がしっかりとアピールしてきます。それは多加水系の麺に見られるような弾力に通じますなwwwww。茹で上げ自体も芯を完全に残さないような感じでして、麺の断面の中で外内関係なく、反発は一定な感覚です。
3)滑りの良さが光りまんなー
やや多加水な系統ということあって、表面の光沢がまたキレイですな〜。この光沢から予想する通りに、舌触りとか喉越しなどは、「スベル」部類に十分入ると思いますよ。スープの持ち上げ感覚はあまり記憶に残っていませんが、スベリがよいので、ぐいぐいと胃ぶくろに落ちてゆき快感があります。
※麺のまとめ:中加水からやや多加水の方向で、すべりと反発感が特徴的。奇麗なストレートなので、麺顔には非常に映える品質ですな。
【歯応えチャーシューが印象的だったかな・・】
1)チャーシュー
ロース肉みたいな部位を、わりと標準からやや薄めにスライスしてますが、大きく2枚あり、不足感はありません。味も塩系の薄味でして、スープとの愛称もグッドです。歯応えが適度にあり、肉感が伝わる一品かと思います。いつものように、麺を挟んで食べやすいタイプなので、こういうのは好きです。
2)メンマ
やや細切りタイプで、色合いからやや深めな味わい。柔らかい部分より、「こり!」とした少し固い部分が印象的で、麺とは対照的な歯応えです。
3)その他(海苔・ナルト・薬味ネギ)
これらは、満足する一定の品質だったので、ひとまとめにしましたが、海苔については、なかなか旨かったのでもっとくれと言いたかったかもです(笑)
※具のまとめ: うがった言い方すれば欠点がないけど、どれも無難といったところ? 逆の言い方では、ナイスな平均点以上!
総じまして、極ニボとか・・・・煮干しエキストリームに慣れてしまったので、インパクトとしては大きいものは感じませんでしたが、実は、尻上がりに、旨い旨いと評価がうなぎのぼりしていくという一杯でした。 奇をてらわない定番な作りこみと、何といっても塩味と煮干の出しバランスがいいのです。はっきり言って「やっぱり、来て良かった」と思える安心感もありましょう。 これで700円を僅かに切っていますし、努力の跡も見え隠れ・・・・。 普通の質実な一杯・・・・これがええんです。なので詠います!
鶯の
谷わたる声
温かき
程よい日差しと
程よい煮干し
お粗末。ということで合掌!今日も本当にごちそうさまでした。