まだまだ、東北はもとより、首都圏をはじめ日本全体が混乱をしていますね。この度の大地震という出来事から、学ぶべきがたくさんあります。備忘のために、思いつくことを書き残して参ります。そのうちの一つが、「標準化」の必要性です。
【元々は、徹底した標準化には反対の立場だったのだ】
全く否定する訳ではありませんが、ある程度緩やかな「あそび」部分があっても良いと考えてきました。この10年でいろいろな国際標準化のために、企業は四苦八苦しており、間接工数の増大に悩んでいます。ISOに始まり、SOX法、はたまたIFRSなど、欧米基準に合わせられて日本企業はどれだけのメリットがあったのかと、疑いが強いのです。
一方、通信/IT産業にとっては、世界標準化が遅れたために、今や韓国・台湾・中国などに抜かれ、物づくり日本の地位がぐらついているのは、今更言わずもがなですよね。だから、標準化も、ケースバイケースで判断が必要と思いますが、『組織の運営・経営方法については、ユニークさが個性としての優位性がある程度ある』と思っていたのです。
【標準化が進めば機動力が上がる?火事場の○ソ力も生まる?】
しかし今回の地震で、被災地の事務作業等はもとより、それに関連する業務を他部門に引き継ぎ作業を分散化して救済しようとしても・・・とても簡単にはいかないのが実情なのです。さらに、組織全体として、「救済活動に資源集中する」としたならば、その後回しにされた業務に関わる人を、タイムリーに他に役立てることが出来る
でしょうか?そうでないのです。
業務標準化が進むということは、「仕事のやり方」を統一するということ。場所や担当が替わっても、基本的なやり方がどこでも同じなら、いざというときの機動力が上がるということを、実感したな・・・・と思うのです。
【業務ソリューションパッケージ製品が売れるわけだ】
人事でも、経理でも、営業でも、今や業務ソリューションが花盛りです。実際の求人情報を眺めても、即戦力を求められているケースがあるため、具体的なソリューションパッケージ名の使用経験を上げているものも多いです。ITの分野では、SAPなど大手ベンダーは資格認定制度などを敷いてデファクトスタンダード化が進み
きってしまってます。なるほどな・・・と思う次第です。
【慌てず、ジックリと自社にあった標準化を進めることだね】
性急な標準化は軋轢を生みますね。標準化はスピード経営の御旗なのですが、ボタンの掛け間違いがあっては、何のためにあるか分からなくなりますね。また他社との優位性を捨ててまでの標準化も無意味ですし・・・。いつどんな時も、問題がないと思っていても、絶えず標準化の意識を高めないといけないと今回痛感したのであります。
さて、東京電力の対応・・・。いろいろバッシングされてますね。全体の影響度を計算できないようですが、これは現場最適の進みすぎだたのでしょうか。電力網は社会インフラのため、作業手順をはじめあらゆる管理について、標準化の鏡だと思っていたのですが・・・。どうも僕の素人考えですが。
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