今週のお題「心に残る映画」
僕にとっては、森田芳光監督の「(ハル)」です。当時としては斬新だったPC通信の映画コミュニティを介した男女の出会いを、全体的に静かなタッチで描いた作品です。深津絵里がかわいかったし、内野聖陽が後に大河ドラマの主演をハルようになるとは、予想もしませんでしたが。
「チャット」で会話するシーンがとても多く、キーボードがカタカタいう音と、打ち出される文字が画面に流れる。バックに静かで叙情的な音楽が流れ、徐々に盛り上げてくれます。チャットだと、ハイになったり、ローになったりする独特な気分を上手に表現していました。FAXモデムで「ヒューーーーガガガーーーーーー」って音立てながら通信してたなんて、今の若い方には想像もできんでしょうね。
実は、リアルタイムで見たわけじゃなく友人が勧めてくれてビデオで見ました。当時は、独身で一人で東京住まい。なんとなく彼女がいない時間が長引いてて、それでも仕事やいろんなことで、ただ過ごしてただけですね・・・・、そんな20台後半です。疲れて仕事から帰って、パソコン立ち上げて、こんな風に気持ちを素直に打ち明けられる仲間/女性がいたらと本当に思いましたよw。
この映画で希望を持ったのは、距離は少しづつなら埋められるということかな。
二人にはいろいろな違い(距離)があります。
・東京(大都会)と東北(地方都市)
・スポーツマンと、内気な女性
・やる気がない定職と、繰り返す転職
・本当とウソ(当初チャットでは男と偽ってた)
・身軽さと不自由さ(独身アパート住まいと実家住まい)
普通こんな二人は出会うこともなく、また心を寄せ合うなんてありえないのです。
しかし、チャットを通じてお互いが心を打ち明け、お互いが心の支えとなり、ゆっくりと、そして着実に心の隣人として関係が育まれていくのです。
この映画の最後が、実にすがすがしい。二人が初めて会う瞬間の交わす言葉で、一気に暗転して話が閉じます。それは、チャットで初めて語りかけた言葉。これからの二人の関係のリアルな始まりを予感させる雰囲気に満ちます。
こころがジンワリと暖かくなる映画です。ご興味ございましたら是非。
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