<「当たり券」が飛び出すオモシロ券売機>
こんなことがあるのだね・・・券売機でいつものように食券を購入し、お釣りを回収しようとしたら、更にもう一枚余計に食券が発行される。何だろう?と思って見てみたら「当たり」と書いて合った!?。こういう設定もできるんですね、最近の券売機ってのは・・・GLORY社エライ!(笑)。きっとトッピングの追加サービスか、麺の大盛りに変更できるとかだと思っていたけど、当たり券をご店主に差し出すと「杏仁豆腐をお出しします」と、とっても丁重に伝えられました。ま、酒好きでもなる私は、実は甘党でもありますので、これはこれでオヤジ世代としても嬉しい〜。あとの楽しみが増えたというだけでも、ワクワクが抑えられません。男はいつまでたっても、子供なのですわー。
こちらのご店主は接客丁寧なのは十分承知。静々とお目当の冷やし中華の配膳を受けますが、「あら?こちら冷やし中華かしら?」と偶然隣に座ったマダムから声をかけられました。「ええ・・・」と突然だったのもあって、私は驚いて短く答えると、「とても美味しそうですこと、私もそれをいただくわ」と、ご店主にお告げになるマダムです。しかし、ご店主は慌てません。「食券をお買い上げください」と言っても失礼には当たらないとは思うが、ホスピタリティと柔軟性を兼ね備えている。やりますね!ご店主!!。
しかしねマダム・・・券売機使った方が、いいことあるかもよ〜・・・例えば杏仁豆腐とか。
<和の趣をゆったりと感じる落ち着く麺顔>
筍がいい。自分は京都人なもんで、筍にはうるさいんですわー。先尖部分を惜しげも無く二切れトッピングされとります。一つはまだ地中にあったタイプで、片方は地表に出かかったタイプかと思われますが、どちらも柔らかさが最高で繊維質は細かいため、どの方向からでもシャクシャクと千切れます。味付けも穏やかで和の風貌。これが冷やし中華にあるとは恐るべしで、ちょっと他にはないですねー。
鶏胸肉の半レアっぽいチャーシューもいい出来具合。薄味は言わずもがなですが、肉の滋味ってのも感じるし、出汁と絡めて吸わせてから食ったら格別。更に、脇に置かれている山葵をちょいと乗せてから食うと最高に格別です。冷酒を激しく欲してしまいます。なんだか、杏仁豆腐を冷酒に変更できますか?などと考え込んでしまいます。
それだけでも十分な具材なのですが、そのほかも多彩。夏のゴーヤは嬉しいし、細いアスパラも高原の夏っていう感じがしてナイス。トマトは最近の冷やし中華では一般的になってきたし、ワカメも定番ですね。そして更に「茗荷」が嬉しかった!。茗荷大好きですねん!。冷やし系麺類には茗荷は最高に合いますから、いつも自宅の冷蔵庫にストックしております。
ウッヒョー・・・力強い平打ち麺。前回訪問時とは打って変わったハードな仕様です。おそらく冷やし中華用の特別チューンと思われますが、これが実に「風味」「歯ごたえ」「滑り感」がどれもシッカリとアピールしており、美味かった。
多加水という感じもしますが、しっかりと締められて密度感があります。なので前歯の差し込みから淡い抵抗感があって、千切るとグルテンの風合いが香る。奥歯ではクニクニっと横ずれしつつも強い反発を感じて、コシの強さをアピール。ところどころ刻み玉ねぎが絡んできて、啜り上げる時にゴツゴツとした抵抗感もありますが、汁に軽く濡れた感じで口当たりはライト。ズボボボーーーッと気持ちよく豪快にも啜りあげれます。お隣のマダムから注意を受けるかもとビクビクしておりましたが、友達マダムとの話に花が咲いとるようでして、だったらお構いなしで強引にバキュームする次第です。
<酸味排除で出汁感覚芳醇!温玉のコクが和の冷そば気分>
温泉卵がタレを結構支配しますねー。これにより、完璧に「冷やし和そば」感覚に思えます。麺が和蕎麦に入れ替わっても全く違和感なく美味いと思うほど。このタレは酢の酸味を極力排除しているので、出汁の旨味がとても素直に訴えかけます。節系の旨味が冷えててもかなり伝わる。そこに卵黄のコクが広がりますが、和蕎麦の冷がけの割りしたのように感じるほどに、しっくりと旨さが伝わります。麺が和蕎麦よりもかなりハードなため、冷やし中華のニュアンスが保たれているかもねー。
一通り固形物を胃袋に収めても、残った汁を吸いたくなる。かき揚げより、きつねより・・・月見が好きな人なら、この味わいきっとハマるかも。
<杏仁豆腐が半端ない美味さ!レギュラー化してよ〜〜>
ちょうど食べ終わろうとしたタイミングで、何も言わなくともスーーーッと杏仁豆腐の配膳が進みます。
杏仁豆腐と言われて、想像するのは寒天で固められた菱形カットでシロップの海に浮かんだような風貌。しかし、私は就職で上京し、接待要員として顧客と高級中華店に行った時、本物の杏仁豆腐に出会って衝撃を覚えたのを今でも忘れません。竹のしゃもじみたいなもので、削ぐような掬われ方をし、小さい器に盛られてたっけ・・・。シルキーでなめらかな感触はすごかった・・・。
その記憶が直結するほどに、この杏仁豆腐はうまかった!。プリンのような扱われ方で仕上がっておりますが、滑らかさはまさに高級店と同じレベル。濃密な味わいとシルキーな舌触りがなんともはや・・・すごいことになってます。これはちゃんとお金を取れる一品ですよマジで。シロップも少なく張られてるし余計な甘さではない。しかも大粒ブルーベリーが泣ける。ブルーベリーってこんなに美味かったのかと今更ながらです。果肉をしっかりと感じられるのね!最近、かすみ目が進んできたので、この店でも嬉しい。是非とも、また再レギュラー化していただきたい次第。
総じまして、「日本の風流さが詰まった崇高冷やし中華」と言う感覚でして、これはちょっといいぞ!。是非とも来年もこれを出してください。和食っぽい冷やし中華ってあるようでないですし、夏の看板に育っていくメニューになれば、私としても嬉しい限り・・。次回は、当たり券が出なかったら、自腹で日本酒券を購入し、チャーシューにわさびを乗せて、楽しむつもりです。といことで、とても穏やかな麺活動で気分的に充実。このままいい感じで、いつもの通りに最後の詠ってもう寝ますー。
穏やかに
静かな街の
夏の午後
店と味わい
当たりクジ哉
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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