<夫婦船、仲良きことは美しき哉>
所詮私はそういう男。・・・・結局嫁の尻に敷かれている。普段の生活や外見では、その逆のように見えるし、どちらかと言えば嫁はおっとり型。しかし、絶対に譲れない部分まで追い込んでしまうと、その頑固たるや私の非ではありません。つい先日も、どちらがマンション管理組合の会合に出るかという、しょうもない押し付け合いで、ちょっと強引に事を運んだえら、猛反抗に合ってしまった。先にキレたつもりが、きれいいキレ返されて、タジタジ・・・・って苦い思いをしたばかりです。そんなのが急に頭に浮かんだのは、こちら「味元」さんでタンメンを食ったから。
こちらいい感じの中年ご夫婦の夫婦船経営。調理は大将担当で、奥さんは調理補助とフロアと清算対応というよくある分担。接客も明るくて好感が持てるし、動きがテキパキしているのが気持ち良いです。常連と思われる客が回転よく入っては出てゆき、また入ってくるという感じで、注文通す「間」が長年の通い慣れを感じさせます。いかにも!な感じがする街中華屋でして、お昼の情報番組を眺めながら調理が進むのを待ちます。タンメンの場合は、タイミングを見計らって奥さんが麺場を担当し麺を茹で始める。平ざるで湯切りする様も手慣れた感じがすごくして、張られたスープに静かに投入。その直後に野菜炒めが完成して、あっという間に乗せられて完成。タイミングよいセンタリングと、それを逃さないフォワードの決定ゴールという痛快さに似た感覚で、それを受け取りました。
汁:「やや白濁して野菜の甘みが滲むスープ!ちょいと塩気がアピールした食欲進むタイプ!」
中華鍋からさっと具を投入されて「はい!お待ち!」状態ですので、盛り付けなど気を一切くばらないけど、タンメンたるワイルドさと野菜の色合いからか優しさが溢れる麺顔。割とスープ量が多めなのも嬉しくて、キャベツの焦げ具合がいい感じです。まずはスープを味わいますが、若干白濁した鶏ガラ豚骨清湯スープが、炒めあぶらの香ばしさとベースの塩気が先行した味わいです。若干調味料の風合いを残しますが、これをうまく野菜エキスがカバーしてくれて、食欲をそそるというもの。下味で塩気はしっかりしているので、コショウなどは入れなくてもよいと思います。
食進めるほどに、麺の風合いが溶け込んだり、またキャベツとモヤシの汁気が滲み入りますので、徐々に味が柔らかくなるという寸法。個人的にはちょっとだけごま油を垂らしたい気分になりますが、サッパリした味わいのまま頂くのもこれまた健康的かと。日頃、麺類ばかり食ってて栄養が偏りますし、タンメンを間に挟むのは、麺活動を長く続ける秘策かもしれません。
気が付けば、後客の半分は麺類を注文しており、その半分以上はタンメンを注文。ラーメン500円でタンメンは600円。この100円のスペシャリティーをスープにも十分に感じ取ることができると思います。
麺:「大衆的中華卵麺!チュルチュルと啜り上げる滑らかさとスパスパと歯切れの良さがナイス!」
長く付き合いをしている製麺所からの仕入れでしょうな。街中華でよく遭遇する風合い。やや黄色い色合いに透明感を少し感じる外観で、捩れが一切ないストレート麺。麺量150g程度ですが、具を多く感じるため不足感はありません。前歯を当てるとスパスパと小気味よく千切れ、奥歯ではクチリとたやすく潰れるタイプ。多加水なモチモチ感は仄かに感じる程度で、中華調理麺には最適な感じがします。
表面のつるつる感もまた格別で、これぞズボボボボボーっと容易にすすり上げられる。しかしモヤシが途中で引っかかるため実際にはそうはいきませんが、しなやかで汁を吸い込む性格もあって、麺の風合いよりも汁と合体した炭水化物の味わいがいいイメージです。
具:「雑然とした美しさ、日常的な朗らかさ、サラリーマンは野菜不足を解消」
タンメンは、西荻窪の「はつね」が私の中ではトップクラスでして、あれは何故だか美しさを感じます。されどこういうんのも雑然した部分が妙にきれいにも感じてしまいます。キャベツが意外と多めで、モヤシは思っていたよりも少なく抑えている印象。なので甘みが勝る。思わず食うと笑みがこぼれます。全然最近、昼飯夜飯では外食ですから、野菜不足に陥っている身としては、体が喜んでいるかもしれません。
総じまして、「男の昼飯麺類基本形的タンメン」と言う感覚でして、サラリーマンが野菜と安らぎを得られる貴重な一杯かと思えます。何だか午前の仕事で一山こえた感もあって、いつも以上にほっこりとさせてもらったかもしれません。日常の幸せも噛みしめつつ・・・朗らか気分で詠います!
麺女将
具は大将で
息合わせ
流れ作業に
幸せ滲む
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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