<男の優しさ感じる狭い空間がいいねー>
一日中冷えるとある日、府中のとあるメーカーさんを訪問する用事があります。所用が終わるとそっけなく・・・ポツネンと府中駅の前まで送り出される。そしてやっと、一時の開放感を味わいます。嗚呼・・・段々と歳食ってくると、辛いワーーーってしみじみ感じていたところで、まるで井之頭五郎のように、急激に腹が減ります。でもね、この状況で府中の名店「紅」の行列に連結する気には、ならない。そして、府中二郎のワイルドさに立ち向かえる気力も残っていない。とにかく、疲れ切った空腹を抱えてしまったわけで、どうするか・・・とガード下を歩きながら、スマホで情報拾いながらしていたところで、遭遇する「とんび」さんです。
「おいでおいで・・・・」
と語りかけるようなそのシチュエーション。もうここに決めた!と言うことで入店です。疲れたオヤジがさまよい歩く先のオアシスのような情景。ところが、「狭狭満席マイナス1座席」みたいな状況。無理やり我が身を押し込みましたが、頭上に近いエアコン暖房の風・・・。北極から一気に亜熱帯状態のぎゅうぎゅう詰めであります。メニュー構成を見て、「中華そば600円」と言う破格値に飛びついてそれをオーダー。「大盛りできますよ」との確認があって、それでお願いしますと言う流れです。
無骨というわけでもないけど、男臭い店内。ラーメン屋とはこうでなくてはね!と感じ入る空間がいいね。客層もそれに似合った男たちばかりで、肉体労働者っぽい3人組もいらっしゃれば、同じくスーツ姿のひとり客、地元の常連など・・・ラーメン好きオーラが立ち込める雰囲気が、「とんび」の一体感を高めますかな。カウンター目の前には、焼き網が丸見えで、そこで肉とか油揚げを焼いている。それを赤の他人同士全員が静かに見つめながら待つ一体感。そんなのが、ここにはあった。などとそんな感覚に浸っていると配膳が完了。おお、なかなか600円に見えない作り込みがありますよこれは!。なるほど、ここは豚骨魚介の店だったんだとその時気づきます。
スープ:「ライトな豚骨魚介が妙な落ち着き与えるー!素朴な旨さやん!!」
スープを啜って、しみじみ沁みる思い出感じました。もう、「またおま」と言うほどもない豚骨魚介の世界ですが、味わい的にはさっぱり系。ひと昔前の濃厚ブームならシャバいと思われがちなタイプですが、その当時からこだわってきた濃度なのか・・・今の私には沁みる感じがしてとても好印象です。魚介系が甘すぎることもなく、豚骨がコラーゲンでギトギトすることもなく、ゴクゴクさらりと飲み干せる系。じんわりと奥底から滲み出るような旨味です。テーブルセットには、胡椒と七味があったけど、なんとなく七味の方が合うような気がして、途中から投入しますが、なかなか味変化としてはこれもナイス。やはり、さっぱり系だから香味の影響を受けやすいのでしょうね。嗚呼、癒されるー。
麺:「大盛りサービス嬉しい上に、クッシリ楽しめる歯応えはもっと嬉しい!」
麺がうまかった!。そしてボリュームもある。豚骨魚介ってモチモチ麺との組み合わせが多い中、こちらは、ストレート細麺で、角が感じられるタイプ。しかも加水の加減がやや低めで、茹で上げもそれを意識してクッシリとした感触。一口すすって「気に入った!」と感じましたわ。細い麺だからスープの持ち上げも良いし、またスープも麺の風味を邪魔しない。トッピングの水菜と絡んでも楽しい歯ごたえで、これなら常連がつくだろうな・・・と感じ入る次第です。ひょっとして昼飯時だったら行列ができてるのかもしれんな・・・。
具:「炙った肉も良いけれど、カリカリお揚げがスープにしゅんで旨し!」
バラ肉のチャーシューは、甘みと肉味がとてもあって美味い!その安定度は鉄板級に硬いけど、歯ごたえは柔らかいです。醤油だれと反応した香ばしさもナイス。だけど、個人的には油揚げに反応してしまう。カリカリでうっすらと焦がされた油揚げが、スープを吸い込んたところが美味い。カリカリがふやけたような感触と、スープと油揚げの味わいの一体感が素晴らしい。焼いたものをあえて湿らすところが美味いのか・・・これはハマる。油揚げ追加という設定があったのならそうしたい気分。
総じまして、「流されない豚骨魚介!ストイックさとダンディズムの満足度600円」と言う感覚でしてしょうか。本当に、この価格とこのロケーションで、本当によくやってますよー。競争激しい府中では、何か個性が必要と思いますが、まさに質実で素朴で真っ直ぐな姿勢が個性でしょうか。次回は、辣そばを頂きたいと、すでに思っておりますー。いやいい一杯に出会えたー。と言うことで、なので詠います!。
外回り
寒さ染み入る
ガード下
優しきそばが
おいでと招く
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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